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「英語のライザップ」人気の秘密は第二言語習得(SLA)学習メソッド

3カ月でTOEIC800点超え続出!究極の英語ジムENGLISH COMPANY

学習のカギは、1回のパケット量を増やして
脳のリソースを余らせること

 では、どうしてSLAの理論に基づいたメソッドで、英語が短期間でできるようになるのか。

 これまで、英語教育の現場では「シャドウイング(Shadowing):文章を見ず、聞こえてきた英会話の音声を、少しあとから聞いたとおりに発声する練習」や「リピーティング(Repeating):英語の音声をフレーズなど意味ごとに止めて、できるだけ正確に復唱する練習」、「サイト・トランスレーション(Sight translation):英文を頭から単語のかたまりごとにどんどん訳す通訳者の勉強法」などがいいと言われてきた。だが岡代表によると、それらが効果的だと言われる根本的な理由が単なる経験による知見だけではなく、SLAでは理論で分析ができるという。

 「脳科学のレベルで理解できるから、どの順番で組み合わせればいいのか、ある学習フェーズにある人には何を当てれば良いかなどが分かる。理論に基づいてメソッドを当てはめられるので、指導の深みが変わってくる」(岡代表)

 具体的なSLAでの脳の使い方の話はこうだ。たとえば、英語の長文を耳から聞くと、その場では聞いて分かったつもりでいても、すぐに忘れてしまうことはないだろうか。

 これは脳のワーキングメモリの使い方によるもの。母国語でない英文を聞いたときは、この音は何を言っているのかを理解する「聴解処理」や、単語の意味を理解する「意味処理」にリソースが使われ、残りの部分が「短期記憶」に当てられる。

 脳のワーキングメモリはパソコンのメモリと同じく容量の限界があり、新しい処理が増えれば前のものは抜けてしまうし、他の部分にたくさんのリソースが使われるほど、短期記憶で使える部分が少なくなる。つまり、短期記憶に使える部分を増やすには、「聴解処理」や「意味処理」に使うリソースをできるだけ小さくしなければならない。

 英会話のリスニングに戻すと、具体的には一度に処理する会話の長さ、データ通信に例えるなら「パケット」を大きくする必要が出てくる。

 例えば、「This is a pen.」は訳さずともたいていの人がそのまま理解できるはずだ。

 一方、長い英文になってしまうと、そこに「訳す」という「意味処理」のプロセスが入るため、その分だけ短期記憶のメモリリソースが消費されてしまう。だが英語に慣れた脳であれば、よりデータ量の多いパケット通信、つまり長い英文のリスニングであっても訳さずに理解ができ、いちいち「意味処理」にリソースを割かずに済む。結果、脳のメモリに余裕ができ、その分を「短期記憶」に当てられるので会話を覚えておける量が増える。

 「つまり英文を覚えるには、この方式で1回に処理できるパケットの量を増やすか、東北大学の川島先生の脳トレ法のようにワーキングメモリ自体を大きくするかのどちらかの方法が必要になる」と岡代表。

 続いては、どうすればパケット量を増やせるのか。それこそがSLAの知見に基づいたトレーニング方法になる。

 英語学習では、人によってつまずいている部分が異なる。「聴解処理」で詰まっているのか、「意味処理」で詰まっているのか、そもそもワーキングメモリ自体が小さいのか、それぞれによりやり方が違うが、「英語の理解を自動化」することで、スムーズに情報が脳に入ることになる。

 たとえば日本語が母語の場合で「痛い」といえば、聴覚処理や意味処理といった考えはせずとも音・意味ともに頭に入ってくるため、ものすごく小さなリソースしか使われない。これは、あらかじめ処理データが圧縮されているようなものだ。

 自動化の最終イメージは、このような脳の中でも小脳(原始的な衝動などを司る)で理解が進む感じで、反射のようなレベルが想定されるという。

 ここまでくると、メモリとは別にもともとハードウェアに組み込まれている処理と同様になり、反応も一気に早くなる。あとは実践的なメソッドで英語学習を進めていくのがENGLISH COMPANYのやり方だ。もちろん、第二言語なので母国語ほど完全に自動化はできないが、自動化が進むだけ処理は簡単になる。これが、TOEICのスコアが800点や900点になる秘訣だ。

 「指導する相手は人間でコンピュータではないため人によって反応は異なるが、根本は同じやり方でどんな人でも大丈夫。初期値が異なることを考慮して、TOEICが300点の人と800点の人では調整しながら学習を行うことなる」

 TOEICが900点になればいきなり英語がペラペラかといえば、そうではないと岡代表。ただ、800点や900点もあれば、ネイティブが話す言葉を聞き取れ、意味が分かり、自分もある程度返せて、と意思疎通ができて楽しいところまで一気に行く。あとは必要な人は自分なりに勉強を続けて、自分の英語力を伸ばせばいいというわけだ。

 「英語はいつまで続けるのか? という話になると、それは一生」だと岡代表は語る。

 英語で意思疎通ができて楽しいというところまで行けば、あとは自分で一生をかけて英語を磨いていくことができる。そこまでがENGLISH COMPANYで過ごす3カ月間の終着点だ。

サードウェーブコーヒーを意識したスペースの理由

 さて、ENGLISH COMPANY四谷スタジオには写真のようなカフェのようなおしゃれな部屋がある。京都の「烏丸学び舎」にも、カフェ風の教室がある。これは岡代表のこだわりだ。

 「理由は何かと聞かれることもあるが、普通にかっこいい方がいいに決まっている。流行りに敏感なところも見せたいので、2010年にオープンした『烏丸学び舎』はIKEAが日本に来て少し経った頃のため北欧風インテリアにして、直近での四谷スタジオを立ち上げたときにはサードウェーブコーヒーの時代になっていたので、コンクリート打ちっぱなしの床や黒っぽい窓枠などで雰囲気を出した」(岡代表)

 この”かっこ良さ”は、ターゲットとなる人へ届くようにという作戦だ。

 「とにかく、何か新しそうなかっこいいモノがドーンと出てきて、よくよく見るとすごいことをやっているという感じがいい。第二言語習得研究を使った新しいメソッドの英語ジムですよ、とか、より効果的に英語の勉強をHackできるというのは、言葉で言っても伝わらない部分」

 英語をハードでもいいから短期間に絞って勉強したいと思っている層が、何を見ているのか、普段はどんな生活をしているのかと考えたときに、学習環境から刺さるモノを準備する。顧客年齢層でいえば、だいたい20代半ばから30代後半で、仕事上、どうしても英語が必要になる世代が中心だ。勉強のためのモチベーションを保つためにも「勉強してもいいかなという雰囲気作り」が重要だ。

 あるIT企業では、たまたま入会した社員1人の英語力が短期間でダントツに上がったので、同僚がごそっと入会したという。1カ月で英語での会議の様子が変わって、3カ月で誰が見ても英語ができるようになっていた変化を目の当たりにした影響は大きいという。

 2016年5月現在でのENGLISH COMPANYの料金体系は、入会金5万4000円で、さらに月額12万9600円がかかる3ヵ月集中プログラム。決して安い金額ではないが、その実力が口コミを呼び、入会待ちはすでに100人を超えている。4スタジオで250人のキャパということで、1カ月半ほどのウエイティングとなる。近々、法人向けプランもリリース予定だそうだ。

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