英語を話せるようになるために踏むべきプロセス
Q.英会話教室にいくら通っても英語ができるようになりません。なぜですか?
A.「英語が話せるようになりたい!」というとき、「じゃあネイティヴがいる英会話スクールに行こう」と思うのは当然かもしれません。ですが、英語を話せるようになるためには、いきなり「英会話」の練習をしても効果がないことがほとんどです。
これは、第二言語(外国語)習得のプロセスを考えればよくわかることです。
第二言語習得研究では、「聞ける・読める」という状態がある程度整ってはじめて、「話せる・書ける」というアウトプットスキルの向上につながると言われています。
読めないものは書けないし、聞けないものは話せないのは当然のことですね。
そのため、第二言語習得の研究者の間では「大量のインプットと少量のアウトプット」のバランスが鉄則であるという見解が一般的です。
つまり、学習の際にはリーディングやリスニングを大量に行ない、「理解できる英語の知識」(受容知識)を増やしていくことが最初のステップであり、もっとも重要だということです。
基本的な語彙や文法知識が身につき、リーディングやリスニングの理解度が高い人であれば、そこに少量のアウトプット活動を組み込むことで、「あれ、現在完了ってどういう形だったっけ」などと、自分が使いこなせない項目に気づくことができ、さらに習得効率が高まることでしょう。TOEIC Listening & Readingのスコアでいえば、700点以上はほしいところです。
TOEICで700点以下の人は、少し我慢してインプット活動を続けてみましょう。「英会話」の練習はそれまでのお楽しみに取っておいた方が、結果的に英語が使えるようになるための近道になりますよ!
答えてくれたトレーナー:星野 香奈
高校、大学で留学を経験後、大学院では言語学を専攻した。英語のほか、スペイン語も話すトリリンガル。バンコクでの日本語教師の経験を経て、国内翻訳会社に勤務した。現在StudyHacker ENGLISH COMPANYでパーソナルトレーナーを務める。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう