「ハイエンドに必要な要件の開発は、SoCベンダーと一緒に」
川西社長の話を聞いていると、AFEELAを「スマートフォン的な思考」でものづくりをしようとしている雰囲気が漂ってくる。
実際、スペックの考え方はまさにXperiaに共通するものがあるのだ。
「ミドルレンジをいくらやってもイノベーションはおきない。進化はやっぱりハイエンド・フラグシップから起きる。だから、僕らはハイエンドから始めていく。
スマートフォンも一緒なのだが、ハイエンドな必要な要件の開発は、SoCベンダーと一緒にやっていく。そのあたりはEVでも同じではないか」(川西社長)。
ただ、どんなにハイエンドなEVを作っても、スマートフォンに比べてクルマの買い換え間隔は長い。そこで、AFEELAではいかに「買った後も長くアップデートし続けられるか」が重要となってくる。数年間、アップデートし続けられるだけのスペックを提供していくつもりのようだ。
「重要なのは成長の可能性をどれだけの残していけるか。従来のクルマは未知な部分は『わからないからやらない』と決めて作ってきた。しかし、自分たちは「わからないなりの可能性」を提供できるかがチャレンジでもあり、プレッシャーでもある」(川西社長)。
発売後も成長するクルマを提供していくには、どんなに最先端のスペックを提供しても、年数が経過すればおのずとメモリ容量などでの限界がやってくる。
そこで川西氏は「そうしますよ、という話ではなく、ちょっと刺激が強いかもしれないが、ブレードサーバー的な構成にして、ハードを追加できるとか交換できるといった方向性に持っていくのがいいかなとも思う。それが可能なら、ユーザーが自分で入れ替えたり、サブスクで提供することもありうる。もちろん、強調しておくが『ブレードで交換できます』という話ではない。これまでのクルマとは違う考え方でやっていく可能性もある、という話だ」と語るのであった。
最先端のスペックでソフトをアップデートし続けられるだけでなく、処理部分のハードも載せ替えられるかもしれないクルマ。既存の自動車メーカーには想像もしないようなクルマを、川西社長は描いているようだ。
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