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Zen 4で性能は別次元の領域に到達!?「Ryzen 7000シリーズ」全モデルレビュー【概要+基本ベンチ編】

2022年09月26日 22時00分更新

メモリーはDDR5-5200をサポート
最高の性能を引き出す「EXPOメモリー」にも注目!

 Ryzen 7000シリーズのメモリーはDDR5のみとなり、定格でDDR5-5200までサポートする。ただし、これはシングルないしデュアルランクのモジュール2枚装着時の場合であり、4枚装着時はDDR5-3600に低下する。

 今回適切なDDR5モジュールが4枚揃わなかった(DDR5は異メーカーや異型番の混在は危険)ため4枚挿し時のパフォーマンスは検証できなかったが、メモリーを多量に搭載したい時は注意が必要だ。

AMD公式サイト上の情報によれば、Ryzen 7000シリーズのメモリーは使用するチャンネル数によりサポートされる最大速度が変化する。DDR5-5200を確実に狙うには、1Rか2R(Rはランクを示す)のモジュールを1chだけ、つまりモジュール2枚構成の時に限られる

 Ryzen 7000シリーズに合わせてAMDは新たなメモリー規格「EXPO」を開発した。これまでRyzen環境ではインテルのXMPを利用してメモリのOCを行ってきたが、RyzenでXMPが利用できたのはマザーボードメーカーの努力の結果である。

 インテルとマイクロン(Crucial)が開発したXMPはAMDにしてみればブラックボックスに近く、モジュールの細かい情報(サブタイミング等)までアクセスできない。

 そこでRyzenに最適化された、Ryzenのためのメモリー規格がEXPOとなる。基本的にはXMPと同様にBIOS上でプロファイルを選択するため、XMPと使い勝手は何ら変わらない。

 EXPOのプロファイルはモジュールにもよるが複数のプロファイル(例:安定重視と性能重視など)を持たせることができ、さらにユーザーが設定したプロファイルも記憶させられる。まだ全てのX670E/X670マザーボードを見た訳ではないが、EXPOとXMPの両方に対応している製品が多い。XMP3.0対応のDDR5モジュールを持っているならば、Ryzen 7000シリーズでもそのまま利用できる。ただRyzenのパフォーマンスを最大限活かしたければ、EXPOの方がより良い選択肢になるだろう。

 ちなみに、EXPOメモリーをインテル用のDDR5マザーボードに装着してもEXPOプロファイルが取得できないだけで普通にDDR5-4800として動作した。

今回検証用にと渡されたG.Skill製「F5-6000J3038F16GX2-TZ5N」は、EXPO対応DDR5-6000モジュール(16GB×2)だ

上のモジュールをRyzen 7000環境に組み込み「CPU-Z」で情報をチェック。JEDEC準拠のプロファイルも入っているが、DDR5-6000用にEXPOのプロファイルが入っていることが分かる

BIOSでEXPOを使うにはXMPと同じスタイルで有効化するだけ。このBIOSは検証に使用したMEG X670E ACEのもの

EXPO対応モジュールに自分のプロファイルを保存することも可能

こちらはX670E TaichiにおけるEXPOプロファイル選択画面(モジュールは前述のG.Skill製)。JEDEC準拠のDDR5-4800プロファイルのほかに、EXPOのDDR5-6000プロファイルがある

AMDはEXPOメモリーをオープンかつ無料で利用できる規格としている。DLSSに対するFSRと同じように、プロプライエタリな囲い込み技術を嫌うAMDのポリシーがここにも表れている

EXPO対応のメモリーは、メモリーのスペックやタイミング情報等を全て公開せねばならない

 また、Ryzen 7000ではメモリーOCのセオリーにも変化が見られる。これまでのRyzenにおけるメモリーOCでは、Infinity Fabricクロック(fclk)/ メモリーコントローラークロック(uclk)/ メモリークロック(mclk)が「1:1:1」の状態が最も良いパフォーマンスを発揮できた。Ryzen 5000シリーズではDDR4-3600がスイートスポットとされていたのは1:1:1ルールによるものだ。

 だがRyzen 7000シリーズではこのルールが「fclk:uclk:mclk=AUTO:1:1」に変化する。具体的にはInfinity Fabricを2000MHzにしておけば、DDR5-6000まではmclkとuclkが1:1で同期する。ただし、DDR5-6000を終えるとuclk:mclkが1:2になりパフォーマンスが低下する。ゆえにRyzen 7000シリーズのスイートスポットはDDR5-6000になるという訳だ。

Ryzen 7000シリーズで推奨されるfclk/uclk/mclkの例。特に何も設定しなければfclkは2000MHzになるので、BIOSで希望するメモリークロックを選択すれば良い

「Ryzen Master」を使い、Ryzen 9 7900X+DDR5-6000(5200で運用)環境下でメモリーのクロック周りをチェックしたところfclk(一番右)は自動的に2000MHzとなっていた

Ryzen 7000シリーズのブロック図。fclkやuclkがどこのクロックかは、ここに書いてある

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