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秋のアップル新製品、現地ハンズオンで感じた「押さえるべきポイント」(本田雅一)

2022年09月09日 10時00分更新

想像以上だった「タフネス版Apple Watch」と第2世代AirPods Pro

 ところでハンズオンコーナーで「想像以上」だったのは、iPhone 14 Proのディスプレイ周りに絡むアップデートだけではない。

 登山家やダイバー、サーファー、トレイルランナーなどに向けたApple Watch Ultraは、前述した2つの周波数に対応した高精度GPSも搭載されるほか、新たにアクションボタンを搭載することで、手袋などをはめた状態でも素早くよく使う機能を呼び出せるようになる。

 デジタルクラウンをはじめとする操作部も大きくなり、フラットなサファイアグラスと軽量なチタンケースは岩などに当たった際にもガラスへのダメージを軽減できるだろう。

 コンパスも再設計されており、従来よりはるかに高精度となっている。この改良とGPSの改良により、雪山でピバーグする地点を正確に登録したり、分岐路を記録したりといったことを素早く行えるほか、トライアスロンでは競技の切替を競技者の負担なくできるようになる。

 大きくなったスピーカーは特徴的な大きな音を発することができ、見通しならば180メートル離れた場所からでも、使用者の位置を伝えることができるため、遭難時に発見してもらえる可能性が高まる。個人的にはダイビングコンピュータ機能が気になる存在だ。

 エントリーとエキジットの正確な位置、ダイビング中の潜行深度などが記録されるため、ダイビング記録の管理が楽になるはずだ。純正アプリで対応しているわけではないが、iPhoneに水中ハウジングを装着して写真撮影し、後から撮影写真を突き合わせてログブック管理をするアプリなども登場するかもしれない。

 かつてダイビングにハマっていた筆者としては、デザイン面での納得感もあって大いに気になるところ。また落ち着いて試聴はしていないものの、第2世代AirPods Proは低域再生能力とノイズキャンセリング性能が明らかに向上しており、音質面での進化も感じらた。ケース位置を知るためにスピーカーを内蔵した充電ケース、空間オーディオ再現性の向上などのトピックもある。

 第2世代AirPods ProはApple Watchの騒音測定アプリと組み合わせ、実際に測定されているノイズと低減後の騒音レベルを数値化して見せる点も興味深かった。その数字を信じるならば、デモ会場では24dB前後の騒音を低減していた。周辺騒音に合わせてノイズを引き下げてくれる適応型ノイズ低減機能も、実は地味に気になる機能である。

 この適応型機能を使えば、周囲の音の状況を把握できるトランスペアレントモードにしておきつつ、本当にうるさい場所を通った時には適切なレベル(およそ80dB程度)まで騒音を緩和してくれるからだ。

 かなり盛りだくさんの発表内容だったが、いずれの製品も近く実機でのレビューが可能になる見込みだ。最終的な評価はそこで下したいが、大きく変わっていないように見えても、実は極めて深いレベルで作り込まれていた。

 

筆者紹介――本田雅一
 ジャーナリスト、コラムニスト。ネット社会、スマホなどテック製品のトレンドを分析、コラムを執筆するネット/デジタルトレンド分析家。ネットやテックデバイスの普及を背景にした、現代のさまざまな社会問題やトレンドについて、テクノロジ、ビジネス、コンシューマなど多様な視点から森羅万象さまざまなジャンルを分析する。

 

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