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秋のアップル新製品、現地ハンズオンで感じた「押さえるべきポイント」(本田雅一)

2022年09月09日 10時00分更新

iPhoneの使い方を大きく変えるディスプレイ周り

 素材がアルミとステンレスと異なるのは従来通りだが、ディスプレイに関しては14 Proがダイナミックアイランドに対応し、輝度スペックも向上したことが大きな違いだ。

 無印のiPhone 14は大型のiPhone Plusも含めて、昨年のiPhone 13 Proシリーズとほぼ同じスペックのもののようだ。一方、iPhone 14 ProはTrueDepthカメラの領域を40%も削減し、さらに黒くなるその部分を使って(削減して浮いた領域に)アプリのさまざまな通知を表示するダイナミックアイランドを採用した。

 ダイナミックアイランドは、例えば音楽アプリで音楽を再生中、上方向にスワイプすることでダイナミックアイランドにジャケット写真や曲名が表示されるなどの使い方になり、最大2つのアプリケーションからの通知が表示される。なおダイナミックアイランドへの表示は、(難易度は高くはないが)アプリ側の対応が必要となる。

 またiPhone 14 Pro向けのディスプレイは1600nitsまでのHDR表示が可能で、これはiPhone 13 Proの1200nitsを超えてmini LEDを採用するiPad Pro並みということになる。また屋外の明るい場所での視認性を高めるため最大2000nitsまでブーストすることも可能だ。

 ただ、こうした輝度スペックよりも明確に利点があるのは、常時点灯モードである。常時点灯モードはApple Watchで使われているものと技術的な基礎は同じで、低消費電力のOLEDと1Hzまで画面更新を遅くできる新しいディスプレイコントローラ(A16 Bionicに内蔵されている)により実現している。

 そして、14 Proが体験としてもっとも大きく進歩させているのが、ダイナミックアイランドと常時点灯モードの2つだ。

 小さな違いと感じるだろうが、ダイナミックアイランドは情報の視認性や操作性を高め、常時点灯モードも状況に応じて素早く情報をチェックする意味で、iPhoneの使い勝手を大きく変えるものになっている。

 6月に開催されたアップルの開発者向け会議WWDCで、ロック画面のカスタマイズと利用シーンに合わせた切替、情報表示全体の仕組み(コンプリケーションの導入)変更などが紹介されたが、そうした(Apple Watchにも通じる)機能の追加があった。

 そうしたことを踏まえると、iPhone 14 Proの新ディスプレイが、あの時のアナウンスと関連していることが想像できるだろう。Apple Watchでの知見を、iPhoneの進化に反映させたというわけだ。

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