第316回
ROG Swift PG259QNRとROG Chakram Coreで検証
NVIDIA Reflexでゲームの遅延を削減!360Hz液晶でわかったFortniteやVALORANTでの効果
DirectX 11では効果が絶大な「Fortnite」
NVIDIA曰く、LDATはEpic GamesとRiotにも提供されているという。「Fortnite」と「VALORANT」がNVIDIA Reflex対応に一番乗りしたのはこのためだ。
そこで、まずは「Fortnite」におけるシステムレイテンシーを計測してみよう。解像度はフルHD、画質は“最高”とし、クリエイティブモードで何もないマップ上で銃(ヘビーアサルト)を100発撃つというテストを実施した。
ここではNVIDIA Reflex設定なし、Reflex、さらにReflex+ブースト設定のほか、GeForceドライバーで設定できる低遅延モード(最大の効果が期待できる“ウルトラ”設定)の4通りを試してみる。いずれの条件でもVsyncは常にオフだ。さらに「Fortnite」はAPIも選択できるが、DirectX 12ではその効果がないため、低遅延モードの検証は実施しない。
「Fortnite」はTPSなのでマズルフラッシュが非常に小さいが、設定で「レイテンシーマーカー」を有効にすると、発砲のタイミングで画面左側に白い四角が表示される。LDATはもちろんRLAで計測する際は、この白い四角を監視できるように設置すると精度の高い計測ができるようだ。
NVIDIA Reflexの効果は非常に高いことがわかる。NVIDIA Reflexを使わない時に比べると、平均20ms程度短縮されるのだ。一方で、Reflex+ブースト時はReflex時と変わらないことがうかがえる。元々のCPUパワーが高い上に、Ryzenはアイドルでもあまりクロックが落ちない(Ryzen Balancedの効果)ため、Reflex+ブーストが効く余地がなかった、というのが正しいところだろう。以前からある低遅延モードもVsyncオフ時と比べればいくらかの効果は見込めるが、NVIDIA Reflexはさらにそれを上回る。NVIDIAの謳い文句通りの結果が出たといっていい。
また、DirectX 11のほうがDirectX 12よりもシステムレイテンシーがわずかに短縮される点も見逃せない。DirectX 12のほうがマルチコアCPUを効率良く使えるようになってはいるが、これは必ずしもシステムレイテンシーを短くすることに直結しない、ということだ。
では、それぞれの条件ごとにどんな値がどれだけ多く出現したのか、散布図やヒストグラムを通じてさらに詳しく見ていこう。最大/平均/最小値では見えない要素を洗い出す。
まずは散布図。明らかにVsyncオフ時はグラフの上のほうに固り、Reflex時は下のほうに固まっている。Reflex時とReflex+ブースト時は重なりあっており、棲み分けまではできていない。わかりやすくするために、ヒストグラムで見てみよう。まずはDirectX 11の場合から。
このグラフは横軸がシステムレイテンシーなので、左に寄るほど低レイテンシーということになる。「Fortnite」では明らかに何も使わないVsyncオフ時の時に右に強く偏り、Reflex時は一気に左に偏る。Reflex+ブースト時のほうがReflex時だけの時に比べて山のピークがやや右に寄っている印象だが、差があるとは断言できない微妙な差でしかない。
続いて、DirectX 12の結果もヒストグラムで確認しよう。
DirectX 12では筆者がヒストグラム作成でミスをし、横軸のスケールが微妙に足らなくなってしまったがご容赦いただきたい。全体傾向はDirectX 11の時と同じだが、ここでもReflex時と比べてReflex+ブースト時は山のピークが若干右に寄っている。CPUのクロックを落とさないようにする処理を挟むために、かえってレイテンシーの足を引っ張っているようだ。
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