第316回
ROG Swift PG259QNRとROG Chakram Coreで検証
NVIDIA Reflexでゲームの遅延を削減!360Hz液晶でわかったFortniteやVALORANTでの効果
そもそもシステムレイテンシーはパワーで解決できる
NVIDIA Reflexは「Fortnite」や「VALORANT」においてはシステムレイテンシーを抑えられることがわかった一方で、「CoD:MW」や「Apex Legends」ではその効果が見られなかった。特に「CoD:MW」ではシステムレイテンシーを長くすることを設計に織り込んでいるフシすらある。
では、「CoD:MW」や「Apex Legends」のようなゲームのレイテンシーを改善するにはどうしたら良いのだろうか? 答えを先に言ってしまえば、より上位のGPUを使えば、相応にレイテンシーは改善する。システムレイテンシーはGPUバウンドな状況であればあるほど出やすくなるため、GPUパワーがすべてを解決するのである。
そこで、検証環境のビデオカードを「GeForce RTX 3080 Founders Edition」に交換し、同条件でシステムレイテンシーを計測してみた。散布図やヒストグラムを作る時間がなかったので、基本統計量のみの比較となる点はご容赦いただきたい。
どのゲームにおいてもGeForce GTX 1650 SUPERの時に比べ、システムレイテンシーが短縮されている。あれこれ設定をいじるよりも、GPUパワーを上げたほうが効果的にレイテンシーの少ない環境に仕上げられると言える。つまり、NVIDIA Reflexはビデオカードを交換できないという限定された選択肢の中で、少しでも優位に立つための設定ということがわかっていただけたかと思う。
まとめ:ROG Swift PG259QNRは確かに凄いディスプレーだが、360Hz対応機なら姉妹モデルの「PG259QN」でいい感じがする
以上でRLA対応システムである「ROG Swift PG259QNR」+「ROG Chakram Core」のレビューと、NVIDIA Reflexの検証は終了だ。ROG Swift PG259QNRのリフレッシュレート360Hzが生み出す圧倒的に滑らかで見やすい描画は、eスポーツシーンで輝く機能だ。さらに、システムレイテンシーという把握しにくい概念を、RLAという形で“見える化”できることは多いに評価したい。今回は試行回数を増やすためにLDATを使ったが、今自分の使っているハードや設定がシステムレイテンシーにどう影響するのか知りたい人にとっては、とても面白い機能であることは確かだ。
とは言え、RLAはG-SYNCのようにゲーム中ずっと効いているような機能ではなく、1人で検証する時に起動する“オマケ”的な機能であることは否定できない。また、GeForce GTX 1650 SUPERとRTX 3080の比較でもわかった通り、システムレイテンシーは下手に設定をいじるよりもGPUをパワーアップさせたほうがはるかに削減できる。
ROG Swift PG259QNRのRLA対応は正直一般ゲーマーにはオーバースペックだ。ハイエンドゲーマーはRLA対応を外したリフレッシュレート360Hzの姉妹モデル「ROG Swift PG259QN」が狙い目となろう。そして、そのリフレッシュレート360Hzを生かしきれるGPUのは、今のところ(2020年10月20日時点)、GeForce RTX 3080かRTX 3090しか存在しない。パワーはすべてを解決するのだ。