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しかし、まだ買いたくないというひとも過半数

五輪延期でもテレビ売上は好調、4K放送対応機器は500万台の出荷に迫る

2020年07月22日 09時00分更新

誤解をなくし理解の浸透も重要に
~BSアンテナの左旋/右旋、4Kテレビと4K放送テレビの違い

 なお、総務省による衛星放送の未来像に関するワーキンググループで議論されている左旋放送の普及については、「現在の受信環境の実態は、右旋は視聴可能だが、左旋が視聴できない環境が多く、左旋が普及していないと認識している。そして、左旋の普及は課題であると認識している。8Kテレビの購入者もリモコン上では左旋のチャンネルボタンがあるが、実際には見られてないという混乱もある。新築の戸建などは対応が進んでいるが、既存の集合住宅では管理組合などの合意形成に時間がかかるという問題もある。簡易に部分的な改修で対応できる技術も出てきた。また、ケーブルテレビや光回線での対応も周知されはじめている。左旋の普及に向けて、周知活動、広報活動に取り組みたい」(阿部浩二専務理事)

 一方、9回目となる新4K8K衛星放送市場調査報告についても説明した。

 同調査は、一般への新4K8K衛星放送の認知度や理解度などを測定するために、2016年から実施しており、今回の調査は、全国の20~69歳までの男女5000人を対象に、2020年5月に行った。

A-PAB 周知広報部の重森万紀部長

 これによると、「新4K8K衛星放送」という言葉を知っている人は、全体の37.3%となり、前回調査(2019年7月)と比較して4.0ポイント減少。さらに、チューナーを搭載していない4K8K対応テレビには、別途対応チューナーが必要であることを知っている人は28.1%となり、10.3ポイントも減少。「引き続き、認知度向上、理解浸透を図る必要がある」(A-PAB 周知広報部の重森万紀部長)

実際にはまだ4K放送を未体験という人が圧倒的に多い
欲しくないという回答もまだ半数以上

 新4K/8K衛星放送を視聴したことがある人は、全体の6.0%であり、前回調査よりも2.0ポイント上昇。視聴場所としては、「自宅の4Kテレビまたは8Kテレビ」が67.8%を占め、前回調査から15.0ポイント上昇。「電気店の店頭」も42.5%を占めている。

 また、視聴した人の82.4%が「非常に満足である」あるいは「まあ満足である」と回答しており、前回調査から1.5ポイント上昇した。

 さらに、チューナー内蔵および非内蔵を含めて、4K(8K)テレビを所有している人は14.4%と、4.5ポイント上昇したほか、所有していないものの、今後「欲しい」という人は32.6%になっており、「欲しくない」との回答は6.0ポイント減の53.0%となった。だが、「欲しくない人」が過半数に達している点では、業界としてのさらなる啓蒙活動の努力が必要だといえる。

 4K(8K)テレビ所有者の内訳では、4Kチューナー内蔵テレビが7.7%、4K対応テレビが6.0%、8Kチューナー内蔵テレビは1.6%、8K対応テレビは1.2%となり、いずれも所有率は前回調査を上回っている。

 だが、チューナー非内蔵テレビ所有者のうち、いずれ対応チューナーを買うという人は34.4%であり、前回調査の41.0%よりも減少している。

 4K(8K)テレビの所有者のうち、81.6%の人が、「非常に満足」「まあ満足」と回答。満足点としては「画質のキレイさ」を挙げる人が最も多く、2Kである地デジ放送も、4Kテレビであればきれいな画像で見られるとした人が43.1%となっている。その一方で、不満とする理由として、「コンテンツの少なさ」や「価格」などがあがっている。

 4K(8K)テレビの非所有者のうち、「購入する予定」との回答は1.8%、「いずれ購入する予定」と回答した人は29.3%となった。購入予定の理由としては、「これからは4K(8K)の時代だから」との回答が30.0%、「4K(8K)映像を見たいから」という回答が28.0%となった。

 一方、新4K8K衛星放送を、パラボラアンテナで直接受信する以外にも受信する方法があることを知らない人が53.9%に達していることもわかった。新4K8K衛星放送は、ケーブルテレビや、フレッツテレビ、eo光テレビなどの光回線テレビ、ひかりTVなどインターネット回線テレビを通じても視聴できる。

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