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来年で5対5の団体戦は終了し将棋電王戦FINALに!9月開催電王戦タッグマッチ2014はひふみんも参戦

2014年08月29日 22時45分更新

文● いーじま 撮影●篠原孝志(パシャ)

将棋電王戦が団体戦形式では最後に

将棋電王戦記者発表会

 8月28日にニコファーレで行なわれた将棋電王戦に関する発表会で、次回開催は第4回ではなくFINALとして行なうことが発表された。第2回、3回と5対5の団体戦として開催されてきたが、次回を最後とし、2016年からは去年行なわれた棋士とコンピューターがペアを組んで対局する『電王戦タッグマッチ』が好評だったとのことで、規模を拡大して開催することが決定した。

将棋電王戦記者発表会
登壇した日本将棋連盟谷川会長。次回FINALにはタイトルホルダーは出ないと断言。
将棋電王戦記者発表会
主催者のドワンゴ川上会長。「電王戦をやってきて人間とコンピューターとの戦いは、どういうものかみんなわかってきた。単純な将棋の戦いが、ほんとに正しいのか考えていく必要がある」

 PVでは、タイトル保持者である羽生四冠、渡辺二冠、森内竜王が登場。それぞれコンピューターとの対決に関してコメントをしているが、基本は将棋連盟の方針に従うとのこと。日本将棋連盟谷川会長は、ドワンゴ川上会長との話し合いで、タイトル戦の多くが新聞社が主催であり、これまで将棋界を育ててくれたことから、万が一負けることによりそのタイトルが傷つくことを懸念。また、1年間に7つのタイトル戦があり、それに参戦することが最優先されるため、コンピューターと練習する時間がないので無理ではないかとのことだ。ただ、次回が前回、前々回と同様な戦績だと、最強の棋士をという展開にならざるを得ないとも考えているようだ。

 川上会長もそのあたり強くは出られないため、将棋会によって、よりよい姿を模索すると言うに留まっている。が、視聴者としてはやはり最強決戦というのを見てみたいものである。谷川会長はPVの中で、タイトルホルダーとやるとしたら団体戦ではなく1人。先手と後手ぐらいはあってもよいとも。団体戦終了はタイトル戦のように1棋士対1コンピューターが数局戦う形式にするという布石なのかもと、期待を込めていろいろと想像してしまう。

 最後となる団体戦のメンバーは、10月12日に発表される。渡辺二冠も意見を伝えたという棋士5名は、これまでのバラエティーにとんだメンバーではなく、通算勝率6割5分以上で、コンピューター将棋に積極的な取り組みをしている棋士になるとのこと。タイトルホルダーもPVでは口々に「なっとくするメンバー」と言っていたが果たして。

【将棋電王戦FINAL 概要】

■開催時期: 2015年3月~4月(日時および会場は後日発表)

■対戦形式: 5人の現役プロ棋士 対 5つのコンピュータ将棋ソフトの団体戦

■出 場 者: 【プロ棋士】  2014年10月12日に発表(電王戦タッグマッチ2014の最終日)
       【将棋ソフト】2014年11月1~3日に開催される『将棋電王戦トーナメント』で勝ち抜いた上位5つのソフト

■出場規程: 出場棋士は、主催者側が用意した本番と同じソフトおよびハードで練習対局を行なう

■持ち時間: 各5時間・秒読み1分、休憩2回(昼休憩1時間、夕食休憩30分)

■主  催: 株式会社ドワンゴ、公益社団法人 日本将棋連盟

※その他詳細は後日発表。

新たに電王戦タッグマッチを開催

将棋電王戦記者発表会

 2016年からは将棋電王戦に代わり『電王戦タッグマッチ』に切り替わる。昨年開催したイベントでは、棋士の読みを信じるかコンピューターの読みを信じるか、そこから生まれる棋譜は、将棋界でも最高の部類になるということで、視聴者の反応もかなりよかったとのこと。このタッグマッチを竜王戦、名人戦につぐ賞金総額とし、棋戦として位置づける。谷川会長も「タッグマッチは好評で出場する棋士を増やして行ないたい。公式戦はプロ棋士どうしの戦いなので、コンピューターの助言を受けるタッグマッチは棋戦ということになった」と、こちらはいろいろな戦いが期待できそうだ。
 2016年から始まるタッグマッチが正式にどうなるのかはまだ未定とのこと。その前に9月20日(土)、 23日(火・祝)、10月12日(日)の3日間に渡り『電王戦タッグマッチ2014』を開催することが決定。メンバーは、第3回将棋電王戦を戦った4人(豊島七段は王座戦参戦中のため出場せず)と“ひふみん”こと加藤一二三九段ほか8人。ニコファーレの発表会場ではひふみんが参戦することで大盛り上がり。PVも相変わらずのひふみん節で爆笑していた。対局はトーナメント形式でAブロックとBブロックの2つにわかれ、両方で勝ち残ったチームがファイナルラウンドへ進み、シードの2チームでトーナメントを戦い優勝を目指す。

将棋電王戦記者発表会
左から高橋道雄九段、西尾明六段、中村太地六段。

 壇上に登場した高橋道雄九段は「PVがかっこいいのでバトルスーツを着てみたいと思った。1時間の切れ負けは30年ぐらいやっていない。20代のころを思い出してがんばりたい」、西尾明六段は「将棋ソフトはたくさん見てきているし毎日のように触れている。ほかの人より先んじていると思います」、中村太地六段は「ワクワクどきどきしている。自分の力を出しきってコンピューターの力も出しきって最高の棋譜を残せれば」とそれぞれ抱負を語った。

将棋電王戦記者発表会

【 電王戦タッグマッチ2014 概要】

■日  時: 2014年9月20日(土)、23日(火・祝)、10月12日(日)

■会  場: ニコファーレ(東京・六本木)

■対戦形式: Aブロック(1日目)、Bブロック(2日目)でそれぞれ勝ち抜いたペアが、最終日のFinal Roundでシード棋士ペアと対戦し優勝者を決める。いずれもトーナメントで、対戦カードは当日抽選で決定。

■出場棋士:
 1.9月20日(土)【1st Round/Aブロック】
  屋敷伸之九段、森下卓九段、加藤一二三九段、高橋道雄九段、中村太地六段

 2. 9月23日(火)【1st Round/Bブロック】
  佐藤紳哉六段、菅井竜也五段、西尾明六段、船江恒平五段、阿部光瑠四段

 3.10月12日(日)【Final Round】
  久保利明九段(シード枠)、佐藤慎一四段(シード枠)、A・Bブロックの勝者

■使用ソフト: ponanza、ツツカナ、YSS、やねうら王、習甦

■組合わせ:
 1.屋敷九段&ponanza、 森下九段&ツツカナ、 加藤九段&やねうら王、高橋九段&YSS、 中村六段&習甦

 2.佐藤六段&やねうら王、 菅井五段&習甦、 西尾六段&ponanza、船江五段&ツツカナ、 阿部四段&YSS

 3.佐藤四段&ponanza、 久保九段&習甦

■持ち時間:1st Round第1局~第3局は各1時間・切れ負け、1st Round 決勝戦およびFinalRoundはすべて各1時間・秒読み30秒(いずれもチェスクロック方式)

■大盤解説:【会 場】ニコファーレ
      【解説者】1.19月20日:三浦弘行九段、藤井猛九段
           2.19月23日:渡辺明二冠、豊川孝弘七段
           3.10月12日:深浦康市九段、佐藤天彦七段

■一般観覧: 各日、ニコファーレでの公開対局および大盤解説会の無料観覧が可能。8月29日より専用サイト(http://ex.nicovideo.jp/denou/tag/)にて観覧募集を開始。
      

 最後に川上会長は「こういう形で、電王戦の新しい展開が発表できたと思います。再来年の大型タッグマッチ企画の前哨戦として、電王戦タッグマッチ2014をやっていきますが、いろいろとおもしろいことを考えていきますので、見たことのない、将棋の新しい可能性を探っていきたいです。年末に向けても、いろいろな企画を用意しています。みなさんが見たい企画をやっていきたいと思っています」と、将棋ファンにとっては心強い発言で締めくくった。

将棋電王戦記者発表会

 とりあえず、電王戦がきまったことで、電王手くんがバージョンアップされるのか?と、こちらも楽しみ。対局場所も前回以上のものを期待しちゃうよね。まずは、9月23日からの電王戦タッグマッチ。家で見るのもいいけど、ニコファーレに観戦しにいくのもおすすめ。生で見たことがない人は、ぜひ見てみてほしい。それから、これまでの将棋電王戦を振り返りたいなら、電子書籍の『将棋電王戦の軌跡~コンピューターが新たな定跡を生み出す日~』がおすすめ!!熱いバトルが蘇るはず。

 最後に、初の電王戦公式スマホゲーム『モリシタ集め』が登場。カジュアルゲームなので、暇つぶしにいかか?

将棋電王戦記者発表会
予想もしなかったアプリが29日からダウンロード可能。モリシタ、モリシタ、たまにひふみんな感じで、たくさん集めよう。

■タイトル:モリシタ集め

■リリース:2014年8月29日(金)

■推奨環境:【iphone】 iOS6/7 、ブラウザー:safari
      【Android】Android4.0以上、ブラウザー:Google Chrome

■登場棋士ほか:<メインキャラ>森下卓九段
        <レアキャラ> 加藤一二三九段、久保利明九段、屋敷伸之九段、佐藤紳哉六段
        <レアキャラ> 中村太地六段、菅井竜也五段、佐藤慎一四段、電王手くん

■URL:http://sp.nicovideo.jp/event/denou?cp_webto=ev_pr

将棋電王戦記者発表会
発表会を観覧した人に配られたキーホルダー。ひふみん大人気。

●関連サイト
将棋電王戦FINAL特設ページ
電王戦タッグマッチ2014特設ページ
日本将棋連盟

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