PCゲームのダウンロード販売サイト『Steam』のゲームレビュー連載、第14回目は伝説の死にゲー『スペランカー(※)』にインスパイアされた洞窟探索アクション『Spelunky』を紹介する。主人公の足腰は弱くないが存分に死にまくれるぞ!
『Spelunky』
●Mossmouth
●Steam販売ページ(関連サイト)
ちなみにスペランカーは1985年にファミコンで発売されたアクションゲーム(オリジナルは1983年発売)だ。日本で発売された移植版は主人公がとても死にやすく、自分の身長の半分くらいの高さから落ちるだけで死ぬことから“虚弱体質な主人公”と言われている。
Spelunkyは、元々はフリーゲームだったものにコンテンツを追加して新たにXbox Live ArcadeやSteamなどで発売された2Dアクションゲームだ。タイトルは英語の“spelunker(洞窟探検家)”からと言われているが、どう見ても、その、スペランカーです。
■ 激しくコントローラー推奨
Steamのゲーム、ということでWASDのキーボード操作はできるがまずはコントローラーでのプレイを激しく推奨しておきたい。もちろんゲーム側もコントローラー操作に対応している。
まあコントローラーがなければキーボード操作しかないのだけれど、たぶん1時間後には指がつっていると思うのでがんばって欲しい。
それにこのゲームは同一画面で最大4人までの協力プレイにも対応しているので、コントローラーが複数個あれば友達といっしょにプレイすることも可能だ。
■ 入るごとに変わるローグライクな洞窟
Spelunkyの洞窟(ダンジョン)は、入るごとにマップがランダムに生成されるローグライクな洞窟だ。だから死ぬ度に構造が変わる。死にゲーは普通“死んでマップを覚える”ものだが、Spelunkyは「死んだの?じゃあまた最初からがんばって」だ。
ゲームは洞窟内部のいたるところにある金塊や宝石を集めながら、洞窟の奥深くへと潜っていくのが目的だ。最深部にはボスもいるらしい。しかし、もちろんそれを邪魔するヘビやコウモリといったモンスターが配置されている。
なかには四方が壁に囲まれた部屋や、「この壁がなければショートカットできるのに!」といったルートも存在する。そういった邪魔な壁や床は爆弾を使って破壊していこう。
通れない道は爆弾で切り開き、どんどん奥へと潜っていく姿はまさにスペランカーだ。破壊するのが岩か壁かといった違いはあるが。
また、爆弾以外に高所からの下降や、逆に高所に登るためのロープもある。
これら爆弾やロープは消耗品だったりするため、序盤はなるべく節約しつつ、ここぞというシーンで使うようにしよう。後半にはたどり着けそうにないけれど序盤を突破したあたりから数には余裕が出てくるぞ。
最終的にそのマップの出口までたどり着ければ、次のマップへと進めるようになる。
■ 死んで覚えろ。死んだ経験をな。
ここまでの紹介だと「マップが変わる即死系とかムリゲーじゃん」と思われそうだが、そうじゃない。Spelunkyには元祖にはない体力が設定してあり、少なくとも自分の身長から落ちたぐらいでは死なない。……うん?元祖ってなんだ?
ちなみに体力の初期値は4だ。落下ダメージは身長の10倍くらいから落ちたときにダメージを1受けるだけなので、3回までは落ちられる計算になる。
が、そんな体力など「そう、関係ないね」とぶちこわすトラップも存在する。それがこのスパイクだ。見ての通り、一撃死する。
スパイクにかかればどんなに体力があってもひと刺しで昇天。地面が見えないところから飛び降りたり、崖の先にこれがあるとそこでゲームオーバーとなる。
そしてゲームオーバーになると、ありがたいことに死因がデカデカと表示される。
「お前は今回これで死にました」と親切に教えてくれるのだ。ウレシイナー。
しかし、じつのところを言うとスパイクはそんなに恐ろしいトラップでもない。刺さると死んでしまうのだから、刺さらなければどうということはない。洞窟の白いヤツは目立つしな。
このゲームの死因の多くは弓矢トラップだ。
弓矢トラップは前方を通りがかる物体に一度だけ矢を発射するという単純なものなのだが、ダメージが2と高く、さらに気絶のオマケ付きときている。
弓矢トラップの前面に石やモノを投げたり、モンスターをおびき寄せたり、はたまた爆弾で木っ端みじんにしてしまえば回避できるのだが、なかなかそうはさせてくれない。
モンスターへの接触や落下ダメージで傷を負ったところに体力の半分の攻撃を受けて死亡。一度はかわした矢が壁に当たって跳ね返ってきて死亡。気絶しているあいだにほかのモンスターが寄ってきて死亡。着地地点にトラップがあって弓矢がコンニチハしてきて死亡。ダッシュしてたら実は画面端にいて死亡。死亡、死亡、死亡。とにかくこれに殺されまくる。
ほかにもジャングルマップに進むとピラニアに食べられたり、
原住民にブーメランで殺されたりもする。
あれ?ここ洞窟じゃなかったか?
ただ、なんだかんだ言っても死ぬイチバンの理由はモンスターやトラップに気付けない自分の注意力のなさだ。
べつにそれほど洞窟に溶け込んでいるわけでもない色なのに、なぜか気付かずにダメージを受けてしまい、それが蓄積して死ぬことが多い。本当に。弓矢トラップもそうだ。ちょっとした油断が命取りになり、それまで稼いだ距離が一瞬にしてゼロになる。
後悔したときにはもう遅い。あとに残るのは新しい洞窟と、どうやって死んだかという経験だけ。この経験をなんとか生かして、というより悔しさに唇を噛みしめながら前回よりも奥へと潜っていくのである。
■ お助けキャラもいるにはいるが・・・
一応、洞窟のなかにはお助けキャラクターも存在する。この女の子はかついで出口まで連れて行くことができる。
無事に“生きたまま”連れ帰ることができると、体力を1回復してくれる。
正確には体力を1増やしてくれるので、初期値の4以上の体力、5や6にすることも可能だ。
また、集めた金塊や宝石と引き替えに便利なアイテムを販売してくれるオヤジもいる。
爆弾やロープはもちろん、壁にくっつけるグローブやジャンプ力のあがるシューズ、落下がゆっくりになるマントなどもっていて損はない一品が販売されている。
あまりの素晴らしさにお金がなくても根こそぎいただきたくなるが、泥棒するとショットガンを乱射しながら追いかけ回してくるので注意しよう。
ちなみにショットガンも一撃死する。
■ 死んで死んで死にまくれ!
筆者は3時間くらい遊んで、ようやくただの洞窟からジャングル風の洞窟までたどり着けるようになった。なんだか壁からもスパイクが生えるようになったが、もうなんでもいいや。どうせ死ぬし。
プレイした感覚から言えば、洞窟内を探索すればするほど死が近づいてくるのでムリにお助けキャラの救出はせず、ただひたすらゴールだけを目指して進んで行くのがオススメだ。
体力が回復するから、と言って助けようとすると逆に体力を減らすことになる。アレは罠だよ、罠。読者の皆さんも存分にプレイして、そして死んで欲しい。
『Spelunky』
●Mossmouth
●14.99ドル(2013年8月9日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル 独立系開発会社
●著者
篠原 修司
Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: KiDD
個人ブログ:デジタルマガジン
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