PCゲームのダウンロード販売サイト『Steam』のゲームレビュー連載、第12回目は企業や警察署などに侵入してデータを消したり盗み出したりするスパイゲーム『Gunpoint』を紹介する。アクション性も高いが、それよりもパズル性の高い面白い作品だ。
『Gunpoint』
●Suspicious Developments
●Steam販売ページ(関連サイト)
Gunpointは、フリーランスのスパイ、リチャード・コンウェイになって企業や警察のビルに忍び込むステルスパズルゲームだ。相手に見つからないステルスはもちろん、いかに注意をそらして侵入するかといったステルスアクションが楽しめる。
■ この主人公、高所から落ちても死にません
ゲームを始めると、主人公のコンウェイがいきなりビルから落下する。マジで。
「パーン!」と大きな音を立ててガラス天井を突き破るコンウェイ。このまま幽霊になってゲームが進むのかと思ったら、意外なことに何事もなかったかのように電話に出るのだった。
「話を続けてくれ。何か用があるんだろう?」
■ 依頼を受けて機密を盗み出せ!
コンウェイの持つPDAには、さまざまな依頼者から助けを求める声が届く。PDAを介して依頼者とメッセージをやり取りし、彼らの悩みを聞いていく。
会話時には画面下部の選択肢によって話の流れが少しだけ変わるが、大筋は変わらないのでPDA画面の右下にある“Start mission”ボタンをクリックしてすぐゲームを始めてもいい。
さあ、侵入の依頼を受けた建物にはドアや窓から堂々と侵入しよう。警備員の目さえごまかせれば何も問題はない。
建物内では階段やエレベーターを使って階層を移動したり、スイッチを押して扉を開けたりといったアクションが用意されている。
最終的に目標のコンピューターに辿り着き、ハッキングをしてしまえば任務の90%は完了したことになる。
ハッキング完了後、再び警備員に見つかることなく建物から脱出できればミッションコンプリートだ。
窓を突き破っての地獄からの脱出!アイキャンフラーイ!
■ スパイダーマンもビックリの跳躍力
コンウェイの武器は高いところから落ちても死なない頑丈な体と、その体を利用した超ジャンプだ。ゲームでは空間をクリックし、力を溜めてから指を離すと大きなジャンプをすることができる。
「いくらスパイでもそんなに飛べないだろ!」と思う距離を跳躍するぞ。ヒーローでもないただの人間なのにこれだけのジャンプを決めるのだからすごい。
また、このジャンプを使って壁に張り付いて移動することもできる。移動時にパカッ、パカッとカップの音がするので、こちらは道具を使って張り付いているようだ。まあコンウェイなら何もなくても壁に張り付けそうだから困る。
ちなみにこのジャンプ、建物に侵入すること以外に、警備員に向かって攻撃するときにも使える。具体的な方法としては、こちらに気付いていない警備員に向かってジャンプを決めるのだ。
着地で警備員に飛び乗るので、あとは何度かパンチをくらわせて警備員をノックアウトする、という寸法だ。ただまあ殴りすぎると血だまりができて「ああ、殺(や)っちまったな」となり、暴力的なスパイになってしまう。紳士が良いかバイオレンスが良いかは依頼によって異なるので、いくら憎くても殴りすぎには注意しよう。
ミッションクリア後は遂行内容が暴力性、目撃者の数、騒音、クリア時間によって評価され、依頼された条件通りにミッションを成功させていると規定の報酬にくわえてボーナスが支給される。
■ ハッキングで回路を切り替えろ!
受け取った報酬は、どこぞの狙撃成功率99%以上のスナイパーのように次の任務のために使うことになる。PDAから“SHOP”をクリックし、ギミック(特殊能力)を購入しよう。
最初に使えるギミックはスイッチの回路を切り替える“CROSSLINK(クロスリンク)”だ。このギミックの購入後にマウスのホイールボタンをクリックすると……。
以下のように建物内のスイッチの回路が表示されるようになる。
この画面のときにスイッチやドア、電灯をクリックすると、スイッチのオンオフ時の連動先を自由に切り替えることができる。
基本的な動きとしては、自分がいる階層のスイッチを切って上階や下階の電気を消し、警備員が慌てたところを殴りかかっていく。ただし、電気を消していても前から近づくと警備員にはバレて問答無用で撃たれてしまうので注意したい。
それにしてもコンウェイよ、4階建てのビルの屋上から飛び降りても死なないのになぜ1発の弾丸で死ぬ……。
■ 複雑になるギミックを解け!
こうした回路の切り替えは何もスイッチだけのことではない。たとえば、監視カメラも回路を切り替えれば立派なスイッチになる。以下の画像は、監視カメラを基点にしてドアに回路を繋いでみたところだ。
繋いだあと、監視カメラの視界に入ってみよう。すると、監視カメラがコンウェイをとらえた瞬間に回路が作動し、なんと鍵のかかっていたドアが開いてしまう。
ミッションを進めていくと回路も色ごとに繋がるもの、繋がらないものができ、さらに指紋認証などを理由に警備員しか動かせないスイッチなども登場してくる。
そういうときは警備員の動きをうまく誘導してスイッチを押させ、目的のコンピューターまでの道をつくらなければならない。上記のステージあたりからグンとパズル要素が強くなり、こちらの頭をウンと悩ませてくれる。
なお、警備員に撃たれてやられてしまっても1秒前や5秒前、10秒前といった少し前からやり直しができるため、「また最初からか……」といったウンザリ感はなく気持ち良くスパイ活動ができる。
スパイアクションというよりはスパイパズルという感じのゲームだが、頭を使うことが好きな人にオススメしたい作品だ。
『Gunpoint』
●Suspicious Developments
●9.99ドル(2013年6月4日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル アクション、独立系開発会社、ストラテジー
●著者
篠原 修司
Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: KiDD
個人ブログ:デジタルマガジン
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