PCゲームのダウンロード販売サイト『Steam』のゲームレビュー連載、第8回目は宇宙船の艦長となって反乱軍に追われながら自軍の基地を目指す宇宙探索ローグゲーム『FTL: Faster Than Light』を紹介する。有志による日本語化MODがあるので、英語が分からなくても楽しくプレイできるぞ。
『FTL: Faster Than Light』
●Subset Games
●Steam販売ページ(関連サイト)
FTL: Faster Than Light(以下FTL)では、プレイヤーは反乱軍にやられまくっている連邦のいち艦長となり、反乱軍を倒すことができるかもしれない重要なデータを持って宇宙を旅することになる。
ゲームのジャンルは“宇宙ローグライクゲーム”とも“宇宙探索シミュレーション”とも呼ばれているが、この面白さの前にはどうだっていいレベルである。いや、ホントこのゲーム面白いんだってば。
■難易度はEASY(ハード)とNORMAL(ベリーハード)
ゲームはまず最初に自分の船を選ぶところから始まる。と言っても、初回プレイでは“The Kestrel”しか選べないが……。ほかの船はゲームをクリアしたり実績を達成すると選べるようになる。
また、このとき一緒に画面右上で難易度を“EASY”と“NORMAL”のふたつから選ぶことになるが、絶対にEASYがオススメだ。FTLではEASYと書いて“ハード”と読む。“ベリーハード”と読ませてもまだ生ぬるいかもしれない。
このゲームはEASYだろうがカンタンにはクリアさせてくれない。死にまくる。ちなみにボクは10数回におよぶプレイのすえ、先日ようやくEASYをクリアすることができた。ハッキリ言って鬼の難易度だ。
■宇宙空間を探索して物資を見つけよう
船と難易度を選んだらすぐにゲームが始まるぞ。プレイヤーが運んでいるデータには連邦艦隊の運命がかかっており、反乱軍はそれを阻止するために追ってきている。過酷な宇宙の旅を生き抜くためには、ただ逃げるだけではなく物資や人員を補給しなければならない。
FTLの宇宙空間では、マップ上のビーコンをワープで移動していく。遠く離れたビーコンには移動できないため、刻むように近くのビーコンを移動し、最終的に“EXIT”と書かれた出口に辿り着けば次のセクター(宇宙)へと進める。
各ビーコンでは多くのイベントが発生する。例えば反乱軍の偵察船が襲いかかってきたり、民間の船が救援を求めてきたりする。今回は傭兵が「我々を雇わないか?」と売り込んできた。
反乱軍の追跡を遅らせてくれるのは助かるが、お礼を支払えるほど物資があるわけでもない。そうだなあ、とりあえず……貴様の船を解体してウチの船の物資にしてしまうのがイチバン助かるんじゃあないのか?
とまあそんな感じで戦闘が始まった。傭兵たちは良い迷惑だが、悲しいけどこれ戦争なのよね。
戦闘時は画面下の“WEAPONS”からミサイルやビームを選択し、発射メーターが満タンになったら相手の船内施設をクリックして弾丸を発射して戦う。チュートリアルで説明があるが、シールドの破壊を第一に考えるのが定石だ。シールドはこちらのビーム攻撃を防ぐため、シールドを破壊してから相手の武装やエンジンを3分クッキングするのだ。
なお、戦闘はリアルタイムで行なわれるが、スペースキーを押せばポーズをかけられる。ポーズ中でも武装の発射や船の修理などの指令は出せるため、ポーズを多用して細かく操作していこう。兵器ごとに発射ラグが異なるため、ミサイルの着弾直後にビームの着弾を合わせようとすると、リアルタイム操作ではどうしても難しい。
相手はノータイムで指令を出せるため、ポーズを使ってようやく同等なのだ。うまく部下に指示を出せる名艦長になろうではないか。
■物資を使って船を強化しよう!
さきほどの傭兵の船は、1発のミサイル、1個のドローン、21個のスクラップを我々に残して爆発四散した。ありがとう。ありがとう。
こうして入手できる物資のうち、燃料はビーコン間の移動に、ミサイルやドローンは弾薬として、そしてスクラップは船体の材料にしたりそのままお金の代わりとしてストアビーコンで商品の購入に使用できる。
ストアではスクラップと引き替えに燃料やミサイルなどの物資の補給や船体の修理のほかに、拡張機能や兵器、乗組員、ドローン(ロボット遠隔兵器)などが購入できる。
拡張機能、兵器、乗組員、ドローンのどれが売られているかはランダムだが、燃料やミサイルの補給と船体の修理はどのストアビーコンでもできるため、物資が足りなくなったり船体が傷ついたりしたら必ず立ち寄るようにしよう。
なあに、ストアで支払ったスクラップはまたほかの船から貰ってくればいいのだ。それに、倒さずとも追い詰めるだけで物資をくれるやさしい船もいる。
物資と引き替えに降伏を受け入れてもいいし、無視して沈めてもいい。決めるのは降伏で貰える物資と、沈めて手に入る物資のどちらが多いかの判断だけだ。
■ただしのんびりと物資集めはできない
こうやって物資を集めて回れば最強の宇宙海賊になれると思うかもしれないが、プレイしていると反乱軍がどんどん画面左から追い詰めてくる。
反乱軍に追いつかれてもすぐにゲームオーバーにはならないが、反乱軍の支配下に落ちたビーコンでは強力な船が敵として登場し、しかも物資も奪えないため被害だけが大きくなってしまう。
ほどほどに物資を集めたら、反乱軍に追いつかれる前に出口へ移動して次のセクターに進むようにしよう。
なお、移動先のセクターは最終セクター以外は必ず2ルートあり、緑が友好的なセクター、赤が敵対的なセクター、紫が星雲のセクターとなっている。それぞれで危険度が異なり、手に入る物資の量も違う。手持ちの装備と相談してどのセクターに進むか決めると良いだろう。
■運まかせのイベント満載ローグライク
ビーコンでは戦闘イベント以外にもさまざまなイベントが発生する。イベントの発生とその結果はランダムであり、選んだ選択肢によってその後の運命が大きく左右される。
まあ、だいたいが余計なことにクビを突っ込んだがためにひどい目に遭うのだが、なかにはお礼としてスクラップをくれたり、生き残りのクルーが新たな乗組員になってくれたりとオイシイことも起きる。
1を選んで成功すればスクラップ入手、失敗すればこちらの乗組員が宇宙の藻くずに。2は成功で乗組員ゲット、失敗で船体ダメージ。3は何も起こらない。どれを選ぶかはプレイヤー次第。
あとで後悔しないよう、ムリのない決断を下していこう。ま、後悔するから面白いんだけどね!
■船を襲う厳しい宇宙環境
そして宇宙探索でこちらを襲ってくるのは、なにも敵の船ばかりではない。宇宙そのものもプレイヤーの敵なのである。
例えば、移動先のビーコンが灼熱の太陽が燃えさかる恒星だった場合、一定時間ごとに宇宙船の区画で火災が発生する。早く移動して逃げてしまいたいが、ワープできるエネルギーが溜まるまでは待たなければいけないし、そもそも操縦席やエンジンルームで火災が起きることもある。
ほかにも絶えず隕石が襲ってくる小惑星地帯や、
センサーが使用不能になる星雲などがある。もちろん、どの宇宙空間も敵の船のおまけ付きだ。ありがたすぎて涙が出るね。
そこはお互いにアイコンタクトをとって違うビーコンに移動して戦えよとも思うのだが、そんな宇宙空間を利用した武装で攻めてくる敵もいるから侮れない。
火災が起きる空間なのにテレポーターで移動してきて消火を邪魔するとか、鬼か!
そんな火災あり隕石あり空気なしの宇宙空間をさまよい続け、最終セクターに飛び込めば勝利は目の前……じゃない。そこからはボスとの戦いが始まるのであり、ボスを相手に何度も何度も死ぬことになるだろう。
それだけに、ボスを倒してクリアできたときの達成感はたまらないぞ。ゲームクリア後も船を変えればプレイ内容がガラリと変わるし、何よりボク自身もまだNORMALをクリアできていない。NORMALをクリアできる日は来るのだろうか……。
■日本語化MOD、アリマス
なお、英語のゲームのため発売当初はエキサイト先生に頼りながらプレイしていたが、現在は有志の手により100%日本語で遊ぶことが出来る。
導入には用意されている『ModManager』を起動してパッチを当てるという少し手間のかかる作業が必要になるが、絶対に日本語化した方が面白いのでぜひ遊んでみて欲しい。
日本語化 - FTL: Faster Than Light JP Wiki - Seesaa Wiki(ウィキ)
『FTL: Faster Than Light』
●Subset Games
●9.99ドル(2012年9月15日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows、Mac、Linux
ジャンル ストラテジー、独立系開発会社、シミュレーション
●著者
篠原 修司
Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: KiDD
個人ブログ:デジタルマガジン
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