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祝 Macintosh 30周年!! 初代PBの中上位機PowerBook 140/170|Mac

2014年03月02日 18時00分更新

 1984年1月24日に初代Macintoshが誕生して2014年で30周年。MacPeople編集部では短期集中連載として、初代Macから最新のMac Proまでに盛り込まれたテクノロジーについてひも解いていきます。今回からはこれまで取り上げてこなかったノート型マシンを紹介します。

 ノート型マシンとして3回目に紹介するのは、PowerBook 140/170シリーズです。同時の登場したPowerBook 100とは異なり、フロッピーディスクを内蔵するなどメインマシンとしても使える仕様を備えていました。また、170はモノクロ液晶ながらTFTを採用しており、表示品質は群を抜いていましたね。まあ、価格も群を抜いていましたが。

 PowerBook 140には145/145B、170には180/180cと呼ばれる後継モデルが登場しました。180cはカラーTFT液晶を備えた初のPowerBookです。また、ミッドレンジの140とハイエンドの170/180の間をとるモデルとして、165c/165も登場しました。パッシブマトリクス液晶ながらPowerBookとして180cよりも先に、初のカラー液晶を搭載したのは165cでしたね。

 また、後期には廉価版としての位置付けの150シリーズも登場しました。さらに、PowerPC時代になってこちらも廉価版ノートマシンとしてPowerBook 190もありましたね。

Macintosh PowerBook 140/170シリーズ
(140/170/145/160/180/165c /180c/165/145B/150)

 初期のPowerBookシリーズでは、140はミッドレンジ、170はハイエンドに属する。100とは異なり、当時としては必須の記憶媒体であるフロッピーディスクを内蔵するオールインワンマシンだった。

ミッドレンジの基礎を作った140

 現在のMacは、同じ名前のモデルの中に、多くはCTOでカスタマイズ可能なスペックのバリエーションによるいくつかのグレードが用意されている。1990年代ごろのMacでは、それ以前にモデルそのものが何種類も用意されるのが普通だった。PowerBookの場合には、エントリーモデルの100に対して、ミドルレンジのマシンとして140を用意していた。この140は、本体のデザイン、大きさなどは上位モデルの170とほぼ同一ながら、さまざまな部分でスペックを落として、低価格化を図った製品だった。

 フロッピードライブが外付けのオプションだった100とは異なり、140/170は本体内蔵で、単体で高い完成度を実現していた。内蔵液晶モニターは、100の9インチに対して、ひとまわり大きな10インチを採用していた。ただし解像度は640×400ドットで同じだった。140の場合、一般に「TFT」と呼ばれていたアクティブマトリクス方式の液晶パネルではなく、100と同様「STN」と呼ばれたパッシブマトリクス方式のモノクロ液晶パネルを採用していた。この液晶方式は、画面の表示内容によって、周囲に影やスジが表示されてしまうという欠点を持っていた。いまの液晶の品質から考えると、とても受け入れ難いと感じられるものだった。

PowerBook 140/170
初期PowerBookのミドルレンジモデルPowerBook 140。パッシブマトリクス方式のSTNの液晶パネルを採用していた

ハイエンドモデルの元祖170

 初代PowerBookの中のハイエンドモデルとして登場したのが170だった。見た目はミッドレンジの140とほとんど変わらないが、主に2つの点で140を大きくしのぐ性能、品質を実現していた。1つはCPU性能で、140の16MHzに対して25MHzで動作する68030を採用し、しかもFPUを標準装備していた。68030搭載モデルとしては、デスクトップ型と比べても決して引けを取らないスペックだ。処理内容にもよるが、FPUも含めたCU性能では、140の軽く2倍以上の性能を実現していたと考えられる。

 もう1つは、内蔵液晶モニターの品質だ。同時に発売された3モデルのPowerBookの中で、170だけがアクティブマトリクス方式の液晶パネルを採用していた。解像度は同じ640×400ドットでモノクロという点は変わらないが、表示品質はひと目見て違いがわかるほど優れていた。これはパッシブマトリクス方式のように縦横にスキャンを繰り返して画像を形成するのではなく、1ピクセルごとに1つのトランジスターを使ってドットのオン/オフを制御するもので、コントラストの高い非常にクリアな表示を実現していた。

PowerBook 140/170
初期PowerBookのハイエンドモデルPowerBook 170。FPU内蔵の68030を採用していた

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 さて、好評発売中のMacPeople 4月号では、Macintosh30周年特集第2弾として、Macintosh PortableやPowerBookなど歴代ノート型Macをたっぷり紹介しています。そのほか、2014年知っておきたい最新テクノロジー解説、Googleサービス使いこなし術、MacやiPhone/iOSのトラブル解決技など、じっくり楽しんでいただけること間違いなしです。

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 また、MacPeople 3月号では、Macintosh 30周年を記念した特集記事を組んでいます。初代Macintoshのさまざな写真はもちろん、SE、SE/30、Color ClassicなどのコンパクトMac、Macintosh IIやIIci、IIsi、IIfx、LC475などのセパレート型Macの驚愕のテクノロジーをひも解いていきます。もちろん、68K MacだけでなくPowerPC搭載のiMacやPower Mac、インテルCPU搭載マシンを含む一体型、デスクトップ型すべてです。そして第2特集では、最新のMac Proを詳しく紹介。この2つの特集記事だけで80ページ以上ありますよ!

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