1984年1月24日に初代Macintoshが誕生して2014年で30周年。MacPeople編集部では短期集中連載として、初代Macから最新のMac Proまでに盛り込まれたテクノロジーについてひも解いていきます。今回からはこれまで取り上げてこなかったノート型マシンを紹介します。
ノート型マシンとして7回目に紹介するのは、PowerBook 190シリーズです。Macは、一体型、セパレート型、ノート型ともPowerPC時代に突入していた中にリリースされた最後の68Kマシンです。当時は、FATバイナリーという仕組みにより、68KとPowerPCのそれぞれを搭載したマシンで、同じアプリを起動することができました。具体的には、68KとPowerPCの2種類のプログラムコードを1つにまとめ、機種によって利用するコードを自動的に切り替えることができたのです。
PowerPC搭載マシンには68Kのプログラムをエミュレートする機能も備わっていたので、68Kで動くアプリも多数残っていました。そのため、登場当時にPowerBook 190が不利になるような場面はほとんどありませんでした。5300へのアップグレードサービスも用意されるなど至れり尽くせりだと思われましたが、同時期にリリースされた5300シリーズとの価格差がそれほどなかったこともあり、大ヒットとはなりませんでしたね。
Macintosh PowerBook 190シリーズ
(190/66/190cs/66)
ほかのMacはすでにPowerPC時代に突入していたにもかかわらず、68K CPUを採用して登場した。その目的はもちろん製造コストを低くすることだった。この190は、CPU以外の特徴は5300とほとんど変わらない廉価版として発売された。
グレースケールとカラー、2種類のモデル
PowerBook 190は、同5300と同時に、'95年8月に発売された。このPowerBookの型番は100番台であり、そこからすれば100シリーズの一種と考えられる。100シリーズの中では最も大きな番号が与えられているものの、位置づけとしてはエントリーに属する。
CPUにクロック周波数33MH zの68LC040を採用している。それによってこの190は、68KのCPUを採用した最後のPowerBookとなった。190にはモニターの違いによって2種類のモデルが用意されていた。型番を表す数字の後ろに何も付かない190と、モニターの種類を表す記号「cs」が付いた190csだ。これらの型番の意味も、5300と共通。つまり、数字の後ろに何も付かないモデルは9.5インチで16階調のグレースケール液晶を採用し、csの付いたモデルは10.5インチで256色表示可能なカラー液晶パネルを採用していた。いずれもパッシブマトリクス方式で、表示品質が優れているとは言えないものだった。
それ以外の仕様は両者に共通で、いずれも標準搭載メモリーは8MB、ハードディスクの容量は500MBだった。5300が備える100MHzのPowerPC603eに対して、190が採用した33MHzの68LC040では、性能的にかなり劣っているのは明らかだ。それでいてカラー版の190csの価格が、5300のグレースケール版と同じに設定されていたため、190はそれほどお買い得なモデルとはならなかった。
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さて、好評発売中のMacPeople 4月号では、Macintosh30周年特集第2弾として、Macintosh PortableやPowerBookなど歴代ノート型Macをたっぷり紹介しています。そのほか、2014年知っておきたい最新テクノロジー解説、Googleサービス使いこなし術、MacやiPhone/iOSのトラブル解決技など、じっくり楽しんでいただけること間違いなしです。
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また、MacPeople 3月号では、Macintosh 30周年を記念した特集記事を組んでいます。初代Macintoshのさまざな写真はもちろん、SE、SE/30、Color ClassicなどのコンパクトMac、Macintosh IIやIIci、IIsi、IIfx、LC475などのセパレート型Macの驚愕のテクノロジーをひも解いていきます。もちろん、68K MacだけでなくPowerPC搭載のiMacやPower Mac、インテルCPU搭載マシンを含む一体型、デスクトップ型すべてです。そして第2特集では、最新のMac Proを詳しく紹介。この2つの特集記事だけで80ページ以上ありますよ!
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