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祝 Macintosh 30周年!! CPUを容易に換装できた第2世代Power Mac|Mac

2014年02月06日 18時00分更新

 みなさん、こんばんは。MacPeople元・編集長の吉田でございます。1984年1月24日に初代Macintoshが誕生して2014年で30周年。MacPeople編集部では短期集中連載として、初代Macから最新のMac Proまでに盛り込まれたテクノロジーについてひも解いていきます。

 11回目に取り上げるのは、第2世代のPower Macintoshシリーズ。拡張スロットをNuBusからPCIバスに変更したほか、PowerPC 604を採用するなど、ハードウェアスペックの強化が図られたモデル。CPUがドーターカード形式になっていたので、のちにアップグレードカードが多数登場しました。

 私は当時、Power Macintosh 7600を使っていました。ある日出社すると、なんだかマシンの速度が遅い。いろいろ調べてみると、当時所属していた編集部の編集長が自分のPower Macintosh 8500のCPUカードと勝手に交換していました。編集長が最も速いマシンを使うべきだと言われ、しぶしぶ従った記憶があります。

第2世代Power Mac(Power Macintosh 7500/8500/9500)

 Power Macintoshとして第2世代となるシリーズも、ロー/ミッド/ハイの3つのレンジをカバーするモデルが3機種、ほぼ同時に登場した。これによってPowerPC搭載機の黄金期が始まった。

PCI Power Macintosh
第2世代Power Macのタワーモデル、Power Macintosh 8500

NuBusに替えてPCIスロットを装備

 第2世代の大きな特徴のひとつとして、それまでのNuBusに替えてPCI規格の拡張スロットを採用したことが挙げられる。PCIは、当時の業務用ワークステーションに採用されていた高性能で汎用性の高い拡張バス。Windows PCも、PCIスロットを装備したものが多かった。このPCIの採用により、NuBusでボトルネックとなっていたCPUと拡張カード間のデータ転送速度が向上した。

 6基のスロットを備えていた9500では、PCIスロット用のバスは3基ずつ2系統に分割されていた。そのうちの一方は、拡張スロットだけでなく、ADB /サウンド入出力/シリアル/イーサネット/SCSIなどといった基本的なI/O機能にも接続されていた。9500はロジックボードにビデオ回路を内蔵していなかったため、PCI接続のビデオカードを利用する必要があった。ビデオカードは、I/O機能に使われていないバスに接続することで最大限の能力を発揮できた。

 なお7500と8500は、ロジックボード上にビデオメモリーを備え、ビデオ出力機能をオンボードで実現していた。このビデオ回路は、PCIとは独立したプロセッサーバスに接続されているため、PCIバス上のデータの流れとは直接干渉しなかった。もちろん、PCI接続のサードパーティー製ビデオカードを装着して使うこともできた。

PCI Power Macintosh
Power Macintosh 7500は、上ブタを外せば写真のようにロジックボードに容易にアクセスすることができた

ドーターカード形式のCPUを採用

 第2世代として登場したPower Macintoshのうち、ハイエンドの8500と9500は、CPUに新世代のチップを採用していた。具体的には、PowerPCの第2世代となるPowerPC 604だ。クロック周波数はいずれも120MHzからスタートした。この時期、604の下位CPUであるPowerPC 603はPerformaなどの一体型に採用されることが多かった。一方、ミドルレンジとなる7500のCPUは、第1世代のPowerPC601だった。

 ただし、CPUをロジックボードに直付けするのではなく、ドーターカードとして実装していたため、CPUはあとからアップグレード可能だった。アップル自身も7500用にPowerPC 604を装備したCPUカードを提供したほか、サードパーティーからは次の世代となるPowerPC G3や同G4を搭載したカードも発売された。7500は比較的低価格のモデルでありながら、時代に合わせてCPUをアップグレードすることができた。その結果、メーカーの想定した製品寿命が尽き、後継モデルが発売されたあとでもかなり長い期間使い続けることができた。もちろん、8500/9500も同様の方法でアップグレードできた。

PCI Power Macintosh
Power Macintosh 7500のロジックボード。CPUをドーターカード形式で装着することができた

 さて、絶賛発売中のMacPeople 3月号では、Macintosh 30周年を記念した特集記事を組んでいます。初代Macintoshのさまざな写真はもちろん、SE、SE/30、Color ClassicなどのコンパクトMac、Macintosh IIやIIci、IIsi、IIfx、LC475などのセパレート型Macの驚愕のテクノロジーをひも解いていきます。もちろん、68K MacだけでなくPowerPC搭載のiMacやPower Mac、インテルCPU搭載マシンを含む一体型、デスクトップ型すべてです。そして第2特集では、最新のMac Proを詳しく紹介。この2つの特集記事だけで80ページ以上ありますよ!

3月号は初代Macと最新Mac Proが目印
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