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祝 Macintosh 30周年!! メンテナンス性に優れた一体型マシンiMac G5|Mac

2014年02月15日 18時00分更新

 みなさん、こんばんは。MacPeople元・編集長の吉田でございます。1984年1月24日に初代Macintoshが誕生して2014年で30周年。MacPeople編集部では短期集中連載として、初代Macから最新のMac Proまでに盛り込まれたテクノロジーについてひも解いていきます。

 20回目に紹介するのは、iMac G5。当時のAppleは、PowerPC G5(PowerPC 970)の発熱量の多さに苦慮していたころで、PowerBookはいつまで経ってもPowerPC G4のままでした。しかも、Power Mac G5の内部を見るとCPUのヒートシンクがあまりにも巨大で「こりゃ、iMacに載せるのはムリかも」と思っていまいた。しかし、Appleはやってくれました。クロック周波数を2GHz以下に設定したほか、消費電力と発熱量を抑えたPowerPC 970FXが登場したこともあり、一体型マシンのボディーに収納することに成功したのです。

 このiMac G5のデザインは現在のiMacにも通じるもので、液晶一体型マシンの究極といえるものかもしれませんね。またiMac G5以降、コンシューマー向けのiMac、プロフェッショナル向けのPower Macという図式は完全に崩れ、iMacを業務マシンとして使う機会も増えたように思います。

iMac G5

 PowerPC G5に合わせて再設計されたiMacは、液晶モニター単体のような、「本体」の存在を目立たなくするデザインが施された。現在のiMacに通じる基本的なデザインはこのときに確立したと言える。

iMac G5
現在のiMacにも通じるL字型スタンドで液晶と本体を支えるデザイン

PowerPC G5の採用

 iMac G5が採用したPowerPC G5の大きな特徴のひとつは、複数の独立した数値演算を同時に実行できる仕様にある。このような演算ユニットは、ひと昔前ならスーパーコンピューターと呼ばれるマシンだけが内蔵していたものだった。それが、個人のユーザーの机の上に載るiMacで利用可能になったのは大きな出来事だった。

 同じPowerPC G5を採用するPower Macを複数台組み合わせてスーパーコンピューターを作ろうという発想が生まれたのも、PowerPC G5の演算能力の高さが注目されたからだ。なお初期モデルのGPUは「GeForce」だったが、2世代目は「Radeon」に置き換わった。

iMac G5
サーバー向けプロセッサーとして開発されたPowerPC G5をコンパクトなボディーに詰め込んでいた

独創的なゾーン別空冷機構

 初期のiMac G5は、それ以降のiMacとは根本的に異なる、ゾーン別の空冷機構を実現していた。本体内部を、ハードディスク/電源/CPU/その他——に分割し、各ゾーンの温度に応じて、空冷ファンの回転速度を調整するという高度な機構だ。ファンの回転速度を最小限に抑えながら、必要な部分では確実な冷却が可能になった。このようなゾーン別の空冷機能は、同時期に発売されたPower Mac G5にも採用されていた。集積度が高く発熱量が大きかったPowerPC G5を最適に使いこなすための方法として有効だった。

 さらに初期のiMac G5では、光学式ドライブ/ハードディスク/CPUモジュール/電源/空冷ファン─といった主要な部品を、それぞれ独立したコンポーネントとして扱いやすくし、必要な場合にはユーザーが容易に交換できるようになっていた点にも注目だ。

iMac G5
初期のiMac G5は、PowerPC G5や各種パーツの発熱を効率よく逃がすため、部品をコンポーネント化してゾーン別に冷却していた。コンポーネントごとに部品を取り替え可能だったのでメンテナンスが非常に楽だった

 さて、絶賛発売中のMacPeople 3月号では、Macintosh 30周年を記念した特集記事を組んでいます。初代Macintoshのさまざな写真はもちろん、SE、SE/30、Color ClassicなどのコンパクトMac、Macintosh IIやIIci、IIsi、IIfx、LC475などのセパレート型Macの驚愕のテクノロジーをひも解いていきます。もちろん、68K MacだけでなくPowerPC搭載のiMacやPower Mac、インテルCPU搭載マシンを含む一体型、デスクトップ型すべてです。そして第2特集では、最新のMac Proを詳しく紹介。この2つの特集記事だけで80ページ以上ありますよ!

3月号は初代Macと最新Mac Proが目印
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