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祝 Macintosh 30周年!! VAIOにも影響?ソニー製のPowerBook 100|Mac

2014年03月01日 18時00分更新

 1984年1月24日に初代Macintoshが誕生して2014年で30周年。MacPeople編集部では短期集中連載として、初代Macから最新のMac Proまでに盛り込まれたテクノロジーについてひも解いていきます。今回からはこれまで取り上げてこなかったノート型マシンを紹介します。

 ノート型マシンとして2回目に紹介するのは、PowerBook 100です。PowerBookは100/140/170の3モデルが同時期に販売されましたが、実はPowerBook 100だけは方向性の異なるマシンでした。最近のApple製品は、デザイン(Designed in)は米国カリフォルニア、組み立て(Assembledin)は中国というのが普通ですが、当時はアイルランドなどの工場でもMacが作られていました。その中でPowerBook 100だけはメードインジャパンだったのです。しかも、製造はソニー(株)が請け負っていたことも有名です。

 最近は、Mac Proが米国製造に切り替わっていますが、これはどちらかというと米国に雇用を確保する狙いが含まれており、PowerBook 100が日本で作られたのとはワケが違いますね。PowerBook 100は、日本じゃないと製造できなかった理由があったのです。

Macintosh PowerBook 100

 Macintosh Portableから遅れること2年。アップルはまったく新たなノート型のMacとして「PowerBook」を発売した。最初から100/140/170という3種類のモデルを揃える力の入れようだったが、100だけは方向性が異なっていた。

PowerBook 100
Macintosh Portable仕様をコンパクトに詰め込んだPowerBook 100。製造はソニー(株)が請け負った

「PowerBook」という発想

 PowerBookは、アップルのノートブック型マックの新シリーズとして、1991年10月に発売された。その後、2006年に登場するMacBook/MacBook Proに引き継がれるまで、実に15年近くにわたって人気ブランドの座を保ち続けたロングセラーの製品となった。

 その長い期間の中で、時代が変わっても変わらなかったPowerBookのイメージ、あるいはキャラクターというものは、かなりはっきりしている。そのようなイメージを初めに作ったのは、当然ながらPowerBookとして最初に登場した100シリーズ、具体的には100 /140/170の各モデルだった。

 初代のMacintoshhは、Apple IIと同様に、やや濃いめのベージュだった。そのあとはそれより白っぽいクリーム色になり、それがMac固有のカラーと認められていた。ところがPowerBookは、初代からかなり濃いグレーのボディーで登場。これは、当時の一般的な他社製ノート型PCにならったものとも考えられ、当時は賛否が分かれたものだ。この色にはビジネス指向の製品であるという主張が込められたように思われる。

 いずれにせよこの濃いグレーは多少の変化はあったものの、PowerBookとしては最終版に登場した、チタン合金を採用したモデルの前まで一貫して採用された。当時の一般的なノート型PCは、液晶モニターを開くと、キーボードは本体の手前側にあるのが普通だった。それに対してPowerBookは、本体の手前側をパームレストとして確保し、キーボードはできるだけ奥側に配置するという、まったく異なるアプローチを採用した。今日のように本体が十分に薄い場合はともかくとして、厚みのあった当時の本体を想像してみれば、どちらが使いやすいかは明らかだろう。言うまでもなく、今日では他社製品も含めてPowerBookの配置を踏襲している。

PowerBook 100
開発・設計にソニー(株)が深く関わっていたことがわかるPowerBook 100の底面にある「Made inJapan」のシール
PowerBook 100
一方、同時期に登場したPowerBook 170などは、アイルランドの工場で製造されていた

トラックボールを採用

 さらにPowerBookは、トラックボールと呼ばれる、ポインティングデバイスを標準装備した。これはPortableとは異なり、本体手前側のパームレストの中央に配置した。両手をパームレストに載せたまま親指で操作できるし、片手を本体中央に寄せて、人差し指でボール、親指でボタンをコントロール可能だった。ボタンがトラックボールの前後に1つずつ付いているのは、2通りの操作方法に対応したものであり、機能としてはワンボタンだった。一般的なノート型PCがポインティングデバイスを標準装備すること自体が珍しかった当時、パームレスとの中央にトラックボールを配したPowerBookは、それだけで遠くから見てもひと目でわかるほどのアイデンティティーを確立した。

 また、唯一100だけがフロッピードライブを内蔵していなかった。専用の外付けドライブが付属していたモデルと、それすらオプションのモデルが用意されていた。フロッピードライブを内蔵しないのは、本体を小さく軽く作るためであり、付属させないのは価格を低く抑えるためだと考えられる。

PowerBook 100
PowerBook 100は、当時としては必須だったフロッピードライブが外付けになっていた

 *       *       *       *

 さて、好評発売中のMacPeople 4月号では、Macintosh30周年特集第2弾として、Macintosh PortableやPowerBookなど歴代ノート型Macをたっぷり紹介しています。そのほか、2014年知っておきたい最新テクノロジー解説、Googleサービス使いこなし術、MacやiPhone/iOSのトラブル解決技など、じっくり楽しんでいただけること間違いなしです。

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 また、MacPeople 3月号では、Macintosh 30周年を記念した特集記事を組んでいます。初代Macintoshのさまざな写真はもちろん、SE、SE/30、Color ClassicなどのコンパクトMac、Macintosh IIやIIci、IIsi、IIfx、LC475などのセパレート型Macの驚愕のテクノロジーをひも解いていきます。もちろん、68K MacだけでなくPowerPC搭載のiMacやPower Mac、インテルCPU搭載マシンを含む一体型、デスクトップ型すべてです。そして第2特集では、最新のMac Proを詳しく紹介。この2つの特集記事だけで80ページ以上ありますよ!

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