週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

【Imagine Cup 2012レポート4】世界大会ついに開幕!東京高専チームが第1ラウンド見事突破!!

2012年07月08日 13時00分更新

■オープニングセレモニーではスマホを配布

 7月6日からオーストラリアのシドニーでスタートした『Imagine Cup 2012』世界大会。本大会は、ビル・ゲイツ氏の発案で「テクノロジーを使って世界を変える」をコンセプトに2003年より開催されている、マイクロソフト主催の学生向け技術コンテスト。今回は10回目の節目となる大会で、初日のオープニングセレモニーには70以上の国と地域から集まった代表チームが集結した。

Imagine Cup 2012

↑会場はシドニーの中心街にある、シドニー・コンベンション&エクスビジョンセンター。集まった学生たちは、オープニングからハイテンション!

 オープニングセレモニーでは、ヤフーやフェイスブック、そしてマイクロソフトなど、現在IT企業の雄とされる各社も、スタートは学生たちによるもので、世界を変える力は学生たちにあると主張。実際、Imagine Cupに参加しているチームには、コンテストに参加した技術で起業を目指しているチームも多く、その実例として、前年度優勝チームのメンバーが登壇。実際に起業して、「テクノロジーを使って世界を変える」という道を進んでいる現状が報告された。

Imagine Cup 2012

↑「みんな彼を知っているだろう? 彼も学生からスタートしたんだ!」と、大会の発案者ビル・ゲイツを紹介。若い!!

Imagine Cup 2012

↑オーストラリアのジュリア・アイリーン・ギラード首相からもビデオメッセージが届く。

Imagine Cup 2012

↑若者のチャレンジということで、2年前に16歳でヨットによる単独無寄港世界一周を達成したオーストラリアの英雄、ジェシカ・ワトソンも登壇。

Imagine Cup 2012

↑昨年ソフトウェア部門で優勝したアイルランドチームのメンバー。すでに母国にて企業を起こしているとのこと。

 また、大会のスポンサーにもなっているノキアからは、本大会に出場しているファイナリスト全員に同社のスマホ『Lumia800』を配布すると発表。翌日からのコンペティションに向けて、会場内の学生たちはヒートアップしていた。

Imagine Cup 2012

↑セレモニー後すぐにLumia800を配布。現地のSIMも入っており、その場ですぐに使用できる。ノキア太っ腹!! 筆者は端末もSIMも自腹で買ったのに……。

Imagine Cup 2012

↑ファイナリストには、ビル・ゲイツとスティーブ・バルマー両氏のサイン入り大会証明書も配布。この両名のサイン入りはかなりのレアものとのこと。

 

■ソフトウェア部門第1ラウンドスタート!

 翌日の7月7日からコンペティションがスタート。日本チームはソフトウェア部門に1チーム。ゲーム部門に2チーム参加している。ソフトウェア部門は72チームが参加しており、第1ラウンドで20チーム、第2ラウンドで6チームへと絞られる。

 ソフトウェア部門に参加している日本チームは、既報のとおり日本大会で優勝した、東京高専のチーム『Coccolo』。ソリューションは、可視光線通信を使った省電力照明システムだ。
 Coccoloは、日本大会で使用した展示用のセットをまるごとシドニーに持参してのチャレンジ……が、大会前日のテストで持ち込んだシステムの電源コードにアースがついていないため、使用の許可降りないというアクシデントに見舞われた。しかも大会側からは、アクシデント解消の方法として、近所の電気屋を印した地図が渡されただけという始末。

 とはいえ、そこは日本が誇る理工系教育機関の”高専”で学ぶ学生たち。現地の電気屋から必要な機材を購入し、システムのケーブルを改良することで、使用許可は何とかクリアー。とはいえ、プレゼン30分前に完成という、なんともあわただしいスタートとなってしまった。

 ソフトウェア部門の第1ラウンドは、20分のプレゼンテーションと15分の質疑応答で審査を行なう。日本大会では日本語で行なっていたプレゼンも、本大会では英語。しかし、チーム全員が堂々とした英語でのスピーチで、安定したプレゼン。
 質疑応答では、事業化に向けたコストについてなど、かなり深く突っ込んだ質問がなされ、返答に若干詰まる場面もあった。だが、こうした深い質問が出てくること自体が、審査員にハイレベルな印象を与えたことの証。
 東京高専チームは持てる力を出し切って、トータル35分のプレゼンをやり遂げた。

Imagine Cup 2012

↑東京高専チーム(左からTan Tun Jieさん、赤松駿一さん、田畑愛実さん、大川水緒さん)のプレゼン風景。審査員は4人で、こちらも世界各国から参加している。

Imagine Cup 2012

↑実機を使ったデモンストレーション。この機材を使える許可が出たのが、プレゼン30分前とまさに綱渡り状態。しかし、期待どおりに動作し審査員も声をあげて感心していた。

 ソフトウェア部門は72チームと参加チームが多いため、複数の部屋で審査を同時に行ない、その日の夜には第2ラウンド進出チームが発表された。会場では、第2ランド進出チームの発表前に、大会スポンサーのコカ・コーラによる特別アワードを3チーム選出。これを東京高専チームが見事ゲット。第1ランド突破に向けて、幸先のいいスタートとなった。

 そしてついに、第2ラウンド進出チームの発表。選ばれるとしたら何番目だろうなどと考えていると、トップバッターで「Coccolo JAPAN!」のアナウンスが!

Imagine Cup 2012

↑アナウンスの瞬間、拳をあげて喜ぶ東京高専チーム。発表は順不同だが、やはりイチ抜けはウレシイ!!

Imagine Cup 2012

↑メインの競技部門としては、2年ぶりとなる第2ラウンド進出。筆者は昨年からの取材なので、壇上での日の丸をやっと見られた。

 その後も次々と第2ラウンド進出チームが発表され、すべてのチームが壇上に。第2ラウンド進出チームは下記のとおり。

Coccolo/日本、IQube/ルーマニア、Alphawaves/シンガポール、Symbiosis/ギリシャ、docTek Systems/アイルランド、Xight/中国、Dancing Pillow/ヨルダン、Technology Lanterns/カタール、Osmosis/スロベニア、Greenway/ドイツ、Level Up/エジプト、StethoCloud/オーストラリア、Etzoockee/カザフスタンquadSquad/ウクライナ、uCHAMPsys/台湾、MobileEye/ニュージーランド、cipher256/ウガンダ、wi-GO/ポルトガル、Let IT Bee/韓国、Grawesome/オマーン

 7月8日には第2ラウンドの審査がスタート。第2ラウンドでは第1ランドと同じプレゼンテーションに加え、ショーケースでのデモンストレーションの審査も行なわれる。

Imagine Cup 2012

↑第2ラウンド進出を決めた東京高専チーム。「ショーケースでのデモンストレーションも念入りに練習してきたので、その成果を見せられる」と、頼もしいコメント。

 ゲーム部門に参加している2チームも現在審査が進行中。Coccoloの特別アワードと第2ラウンド進出のダブル受賞で、勢いに乗る日本チーム。ゲーム部門も勢いに乗りたいところだ。今後も引き続き、日本チームとImagineCupの様子をレポートしていきます!

■関連サイト
ImagineCup公式サイト(英語)
ImagineCup世界大会応援サイト(日本語)

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります