MWCで、クアッドコアのTegra 3搭載の『ARROWS』フラッグシップ端末を出品していた富士通。このハイスペック端末がいつ、どのような仕様で日本で発売されるのか、ぶっちゃけ話をきいてきました。
↑お話をうかがった、富士通 モバイルフォン事業本部 マーケティング統括部長の松村孝宏氏。 |
──MWCへの出展は昨年に引き続き2回目ですね。今年の反響はいかがですか?
松村 おかげさまで、海外の方には防水の機能が注目されているようです。あとはもちろん、クアッドコアのARROWSですね。
──触れる状態で出品されているので日本での発表も近いと思うのですが、ドコモとKDDIの夏モデルになるのでしょうか?
松村 ぜひそうなるといいですね。
──期待していいんですね。仕様はもう固まっていますか?
松村 もちろんLTEは採用します。日本ではワンセグ、おサイフ、赤外線など“全部入り”です。無接点充電は、国によって仕様を変える機能のひとつですが、ある、なし両方とも可能なようにしてあります。
それから今回は、少し珍しい指紋センサーを付けました。センサー部分を触ってみてください。全体がクリックできるスイッチになっているんです。たとえば画面がオフのとき、このスイッチを押して画面をアクティブにして、そのまま指を滑らせてロック解除する、といった使い方ができます。
↑カメラレンズの下が指紋センサー。これ自体がスイッチを兼ねており、押すとクリック感がある。 |
──NFCは?
松村 グローバルではNFCですが、日本はFelicaとの兼ね合いがあるので、まだ確定していません。
──細かいことですが、バッテリー容量は?
松村 おそらく1800mAh以上になると思います。勘違いされやすいのですが、クアッドコアCPUは電源オンからずっとフルで4つ稼働しているわけではなく、メールや電話くらいなら5つめの“コンパニオンコア”がシングルで動くんです。ですからクアッドコアだからといって消費電力が高くなるわけではありません。まだ調整中ですが、実使用時間が短くならないように努力しています。
↑Tegra 3は4つのコアのほかに、低い周波数で動作する5つめのコアを備えている。これにより省電力を図れる。 |
──OSはAndroid 4.0ですが、物理ボタンと両立させる予定ですか?
松村 日本の方は物理ボタンが圧倒的に好きですよね。一方、海外ではボタンはなくていいという国が多いんです。国によって、要望があれば付けようと考えています。
また、独自のホームアプリである『NX! UI』はAndroid 4.0でも採用します。目覚まし機能や体のゆがみを診断機能などがある“ヒューマンセントリックエンジン”と連携させて、ストレスなく使っていただきたいと思っています。ホームアプリは変更できるものなので、Android 4.0でもいいものになるようにがんばりたいと思っています。
↑今回の展示品はAndroid 4.0で動作。開発中のため、NX! UIは非搭載だ。 |
──デザインは、スクエアーな感じのARROWS XやZと違いますね。こういった曲線を使ったもので最終決定ですか?
松村 あの四角い形状は特に日本で好まれているんです。そのため十分に調査して、日本でも受けるのであれば、このままの形状で行きます。グローバル市場を意識しているモデルなので。
──日本のユーザーにアピールしたい点は?
松村 触ってみるとわかっていただけると思いますが、クアッドコアのパフォーマンスは驚異的です。しかし、アンドロイドはまだ発展途上。ですから、OSが進化した場合でも「これを買っておけば間違いない」という端末に仕立てようとしています。長く使っていただきたいのです。
そして、全部入りにしますから、必ず。
──ではauから出るときはWiMAXになって……?
松村 どうなんでしょう(笑)。当然、通信速度も高速な規格のものにして、満足していただけるようにします。
スペック厨にとっては非常に期待大であります! ただし、日本版のデザインはARROWS Zみたいにしてください、富士通さん。
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