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MWC2012:中国で販売数1位のZTE、今後の日本での戦略を語る

2012年03月08日 00時00分更新

 今回のMWCで、クアッドコア+Android 4.0のフラッグシップスマホからWindows Phone、クアッドコアタブレットまで幅広く出品し急成長ぶりを示したZTE。日本ではソフトバンクのモバイルルーター『ULTRA WiFi 007Z』の販売が好調ですが、ZTEというメーカー自体の知名度はまだ高いとは言えません。同社の羅忠生副総裁に、今後の日本での販売戦略などについて話を聞きました。

ZTEインタビュー
↑携帯事業の幹部である、ZTEの羅忠生 副総裁。

――中国ではこの1年でスマホの出荷台数がトップだったそうですね。1位になれた理由は何だと思いますか?

 はい、中国では『Blade』という、日本で販売されている『Libero 003Z』(2010年12月発売)に似たモデルがよく売れました。
 理由は3つあると思います。1つ目の理由は、当時としては薄型(約11.8ミリ)で握りやすく、ディスプレーは3.5インチぴったりというインダストリアルデザインが多くのお客様のニーズに合致していたということ。
 2つ目の理由はコストパフォーマンス。日本では新規一括0円で販売されていました。
 3つ目の理由は品質です。これは1と2とも関連しますね。ですから、造形、デザインと価格が大きな理由ではないかと思います。

――クアッドコアCPU搭載でAndroid 4.0採用というハイスペックなモデルを発表しましたが、今後はハイエンドの市場に力を入れて行く方針ですか?

 今回、ハイエンド市場向けにさまざまなラインアップを整えました。7.8ミリという超薄型のクアッドコアCPUのアンドロイド『Era』は非常に評判がいい。Windows Phoneも発表し、マイクロソフトとのパートナーシップも密に行なっています。
 ただ、ZTEはミドルエンドの市場では成果をあげていますが、ハイエンドの市場ではまだ弱い。われわれはまだ発展のプロセスの途中で、ハイエンド市場でシェアを拡大するために、まだミドルエンドの市場でコストパフォーマンスを強調し続け、市場の拡大につとめなければなりません。

ZTEインタビュー
↑フラッグシップモデルの『Era』。クアッドコアCPU搭載のハイエンドモデル。4.3インチ(540×960ドット)ディスプレー、Android 4.0を採用。LTEおよびW-CDMA900/2100MHz、GSM 3バンドに対応する。2012年下半期に発売予定。

――日本ではハイスペックな端末が好まれますが、CPUはデュアルコアかクアッドコアで通信はLTE対応、というものをキャリアから求められてもすぐに答えられますよね?

 はい。米国のベライゾンでは、7インチと10インチのデュアルコアCPUのLTEタブレットを1月末にすでに発売しています。販売状況も悪くありません。オーストラリアでもLTEのWiFiルーター、タブレット、スマホの発売の準備を着々と進めています。
 ただし、日本で認識されているハイエンドは非常にハードルが高いんです。日本ではこれから徐々にハイエンドをカバーしていきたいところですが、海をはさんでいるぶん、2ヵ月ぐらいギャップがある感じで(笑)。

ZTEインタビュー
↑クアッドコアのTegra 3を搭載した10.1インチタブレット『PF100』。2012年第一四半期内での発売が予定されている。

――現在日本ではソフトバンクからしかスマホを販売していませんが、ドコモやKDDIから発売する見込みは?

 ソフトバンクでのZTE製品の契約台数は、ルーターを含めて100万台を突破しています。日本市場への進出は、ほかのアジア企業に比べると若干遅れていますが、日本は大切な市場なのでリソースを注力しています。もちろんドコモともKDDIとも連絡を取り合っていますよ。具体的な機種までは言えませんが。

――今回の発表でラインアップがだいぶ増えましたが、ZTEの強みやZTEらしさとは何でしょうか?

 カスタマイジング、スピード、コストです。
 具体的に説明します。カスタマイズに関しては、ZTEはアップルなどとは異なり、世界各地のキャリア主導で大規模な市場を狙って端末を開発できることです。たとえば日本では、ソフトバンクの“お父さん”キャラを生かした『STAR7 009Z』を開発したり、日本向けの独自UIを開発したりしています。
 スピードに関しては、われわれはほかのハイエンドな端末を開発しているメーカーに比べたら若い。すでに長い時間業界にいるメーカーよりもっとハングリー精神があり、スピーディーに開発できていると思います。
 コストパフォーマンスの高さは、引き続きわれわれの強みとしていきたいと思っています。

――今回のMWCの反応はいかがですか?

 例年より反響が大きい印象です。いくつか理由があると思います。まず、ブースのつくりをオープンにしたこと。来場者の方がたくさん入れるようオープンな構造にして、歩けるスペースを広くしました。展示もシンプルです。端末もそれほどたくさんは展示していません。ブースで製品をただ紹介するのではなく、触っていただいて、さらに来場者との交流の場とできるようにしました。その効果もあると思います。

 

 羅副総裁のお話のとおり、日本では安いスマホのイメージが強かったですが、今年はハイスペックなモデルがさまざまなキャリアから発売されることを期待したいですね!

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