ニューヨークで開催中の“Imagine Cup 2011”では、前日のラウンド1に引き続きラウンド2を実施。ラウンド2では、ラウンド1が行なわれた“組み込み開発部門”と “ソフトウェアデザイン部門”にプラスして、“ゲームデザイン部門”の審査も行なわれた。
ラウンド1、2ともに基本的には審査方法は同じだが、質疑応答では、“ビジネスとして成立するのか?”、“提示したデータは正確なのか?”など、より厳しい質問が飛び交っていた。
ファイナリストが登壇
↑ 組み込み部門でファイナルに進出するチームたち。ここに日本チームがいないのが悔しい!!
審査の結果、ファイナル進出チームは下記のとおり決った。なお、ゲームデザイン部門は今回から“モバイル”、“WEB”、“Windows/XBOX”の3カテゴリーに分けられている。
●ファイナル進出国(チーム名)
【組み込み部門】18チーム→6チーム
ブラジル(Embedded Brain)
中国(Harmonicare)
フランス(Give Me 4)
ルーマニア(Endeavour_Design)
台湾(NTHUCS)
イギリス(Cycling into trees)
【ソフトウェアデザイン部門】15チーム→6チーム
中国(Care Everyone)
アイルランド(Team Hermes)
ヨルダン(OaSys)
ニュージーランド(OneBuzz)
ルーマニア(SIMPLEX)
アメリカ(Team Note-Taker)
【ゲームデザイン部門・モバイル】5チーム→3チーム
フランス(Close World Mobile)
フランス(Geekologic)
アメリカ(Team Dragon)
【ゲームデザイン部門・WEB】5チーム→3チーム
フィリピン(Signum Fidei)
ポーランド(Poland, Cellardoor)
スロバキア(Quegee Team)
【ゲームデザイン部門・Windows/XBOX】5チーム→3チーム
ブラジル(Signum Games)
チェコ(WickedTeam)
タイ(JubJub Team)
ファイナル進出が決まった21チームのうち、15チームは英語以外を公用語としている。日本チームの敗因を“英語でのコミュニケーション”と考えていた筆者としては意外な顔ぶれ。 Imagine Cupで勝ち抜くためには、“英語”以外にも必要となるポイントがあるようだ。
そこで、マイクロソフトのエデュケーショングループのゼネラルマネージャーで、今大会の代表者のひとりでもあるJon Perera氏にインタビューを行なった。
マイクロソフトで学生支援活動を担当
↑マイクロソフトの学生支援活動を統括し、Imagine Cupの責任者のひとりであるJon Perera氏。
――残念ながら日本チームは敗退してしまいました。
Jon Perera氏 確かに日本チームはラウンド2へ進出できませんでしたが、まだ負けたわけではありませんよ。“People Choices Award”というのもありますから。あきらめてはいけません。
――ズバリ勝ち抜くためのアドバイスはありますか?
Jon Perera氏 Imagine Cupは勝ち負けだけを目的として開催しているわけではありません。世界を変える、世界に役に立つソリューションを開発することが目的です。たとえば、前回チェコのチームは被災地域での救援隊支援を目的としたソリューション“GINA(ジーナ)”を開発して参加しました。チェコチームはImagine Cupでは勝利していませんが、GINAは2010年のハイチ地震、そして東日本大震災ですでに活用されています。
こういった動きこそ、いちばん重要なポイントだと思います。
東日本大震災で活用された“GINA”
↑GINAは、救援隊が所持するモバイル機器に地理情報を提供するシステム。東日本大震災の救援で来日したチェコのレスキューチームが実際に使用している。
――それでも勝ちたいんです!!
Jon Perera氏 今後参加するチームへのアドバイスとしては、実際に世界で起きていることにフォーカスすること。そして、過去の参加チームの内容をしっかりとチェックして学ぶことが重要です。
それと、長期的なスパンでプロジェクトを進めることですね。ニュージーランドのチームは昨年も参加していましたが、今年も前回参加者を含むチームで再チャレンジしています。こういった持続性というのも大きなポイントだと思います。
優勝候補の最右翼、ニュージーランドチーム
↑前回3位だったニュージーランドは、今回もファイナル進出。今回のチームには、前回から引き続き参加しているメンバーもおり、優勝候補の筆頭だ。
以上が大会代表者から聞き出した、Imagine Cup世界一への道のポイント。次回のImagine CupにチャレンジするチームはPerera氏のアドバイスも参考にして、壇上で日の丸を掲げられる結果を目指してほしい!!
(7月13日11:00追記:Jon Perera氏に関する紹介文に一部誤りがありました。読者ならびに関係者の皆さまにお詫び申し上げます。記事は訂正済みです)
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