サイトへの訪問数を“セッション”ということは以前説明したとおり。これを時間帯別に集計すると“時間別セッション”になります。サイトにアクセスするユーザー数の大小は時刻によって変動します。これはサイト内容の違いによるもので、具体的にいうと……。
アクセス時刻の違いからユーザーの生活パターンを推測し、会社員向け、主婦向け、若年層向けなどという具合にサイトのユーザー傾向を確認するときに使います。
簡単な例を出してみましょう。サラリーマンがヒマつぶしに見るエンターテインメント的内容のサイトAがあったとします。このサイトは、昼休みの12時台にセッションのピークをむかえ、帰宅時間帯である19時にはセッションは減少しました。これは勤務時間や、通勤時間中にはそのサイトにアクセスできない(またはしない)ためであると推察できそうです。
また、同じようにサラリーマン向けのサイトBがあったとします。こちらのサイトの時間別セッションを見ると、深夜から明け方が多く、日中は少ないというデータになりました。サラリーマンが夜中に楽しむ(けしからん!)サイトというコンセプトであれば運営側の狙い通りといえそうですが、サイトAの競合を狙っているのであれば「サイトの内容がコンセプトとずれているのでは?」と気づくことができるでしょう。
一方、学生など若者向けのエンターテインメントサイトであれば、日中の時間帯はセッションも少なく、夜から深夜帯にかけてセッションは増えるケースが多くなります。これは、自由な時間を確保しやすく、翌日の起床時刻を気にしないユーザーによるアクセスが深夜帯に集中するためです。
Webサイトはユーザーのライフサイクルにあわせて時間ごとにアクセス数が増減します。PVやUU、セッションが多ければ、それはそれで良いことですが、どんなユーザーが集まっているのかを“時間別セッション”で確認することも大切です。ウェブ媒体に広告を出している企業の皆さんは、時間別セッションで媒体に集まるユーザーの“質”をチェックしてはどうでしょう? PV数だけではわからない、新たな発見があるかもしれませんよ。
ちなみに週アスPLUSの時間別セッションの推移データは以下のとおり。自分がいつも何時頃にアクセスしているか、グラフと比べてみるとおもしろいかもしれません。お昼ごはんを席で食べながらのアクセスや、帰宅直前のちょっとした空き時間、寝る前のネットサーフィン(死語)でのアクセスが多いみたいですね。
※集計期間:9月1日~9月30日、計測ツール:GoogelAnalytics、数値割愛
そうそう、深夜帯にアクセスが多いからといって、すぐに「若者が集まっているサイトだ!」と断言できるわけではありません。“時間別セッション”はあくまで推測の材料ですので、あしからず。
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