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セッションって何? PVを上下させるカギとなる数字

2009年09月28日 23時55分更新

 このコラムは週刊アスキー10月13日号(9月28日発売)24ページに掲載されたコラムに加筆したものです。

  セッションはウェブサイトへの“訪問数”を計測するときに用いる単位。アクセスしてきた人数を表わすUUと一緒に語られることが多いので混同されがちですが違うモノです。一般的ではないこの数字、実はとても大切な情報を含んでいます。なぜなら……。

週アスウェブ戦線まだ異常アリ!

  セッションは“サイトのハマり度”を示す数字だからです。UUはサイトを支持する人数と解説しましたが、セッションは人数とは関係なく、「どのくらい訪問されているのか?」を教えてくれます。

 UUに比べてセッションが多いサイトは、ひとりのユーザーが何度もそのサイトにアクセスしていることになります。“何度も訪問したくなるような、思わずハマってしまう魅力があるサイト”と言ってよいでしょう。もちろん、“ハマり度”ではなく“魅力度”や“熱中度”、あるいは“忠誠度”などと言いかえてもオーケーです。

 また、セッション数はPVを上下させる重要なカギでもあります。

 1日にひとりが1回訪問するサイトと、3回訪問するサイトではPVにどのような違いが出てくるか? を考えてみましょう。ここでは、どちらのケースも1回の訪問で平均3ページ(3PV)閲覧したことにします。

【サイトA】
1000人×3セッション×3PV=9000PV

【サイトB】
1000人×1セッション×3PV=3000PV

 UUと1セッションあたりの平均PVは同じですが、セッション数が多いサイトAのほうがPVは多くなっています。

 まれに、タレントさんのブログなどで「ものすごいPV数をたたき出した!」といった報道がありますが、PV数のカラクリはおおむねこの計算式で説明できます。

 一日に何度も更新して1UUあたりのセッション数を増やします。同時に、本来1ページに収まるような内容を複数ページに分割するなどして、1セッションあたりの平均PVを増やします。すると、UU数がそれほど伸びなくても、固定のコアファン層をつかんでいれば、上記の式に従ってPVが増えていくしくみです。

(ロボットによるPVを加えればさらに大きな数字になります)

 

 また、セッションデータからは“何時にそのサイトにアクセスしたか”というアクセス時間もわかります。これは、お昼時にセッションが多く夕方少ないサイトは会社員のユーザーが多い、といったユーザー傾向の分析に役立ちます。
 ユーザー傾向はサイトの価値判断をする際に重要なポイントとなるので、その意味でもセッションは大切な単位といえます。

 今回で、アクセス数を計測するときに使われる主要な単位(PV、UU、セッション)のキホン的な解説はおしまいです。

 どこかで「PV! PV!」と連呼している人を見かけたら、遠くからそっと見守ってあげてください。Webサイトの価値をPVだけで判断してほしい誰かの悲痛な叫びか、もしくはPV算出のしくみを知らないフリをしているのかもしれないのですから。

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