一般的には知られていませんが、ウェブ業界内で統一されたPVの計測方法はありません。つまり「週アスは月間1億PV!」と言っても通るわけです。そうはいっても、荒唐無稽な数字は出せないもの。ことに企業の場合は信用に関わります。ところが実際は……。
実体を疑ってしまいたくなるほど景気の良いPV数を発表しているサイトもあります。残念な話ですが。しかし、疑わしいからといって、そのPV数が間違っているとも言えないのです。
PV数は計測に使用する“アクセス解析ツール”の種類や集計方法によって異なります。そのため、「我々のツールと集計方法ではこのPV数なんだ!」と言えば、言ったもの勝ちになってしまうのです。
アクセス解析ツールにはショッピングサイトの計測に優れたツールがあれば、ニュースサイトの計測を得意とするツールもあります。価格も月額数百万円という高額なものから無料のものまで多種多様にあり、一概にどれが正確で良いとはいえません。各サイトは予算や目的によって自分たちのサイトにあったツールを導入すればよいわけですし、自社開発のアクセス解析ツールを使っているケースもあります。なにより、ツールの精度によって違いが出ます。
集計方法も計測したデータの利用目的によって異なります。また、検索用プログラム(ボット)のアクセスで発生したPV数と、人間によるアクセス結果がもたらしたPV数を別に集計するか、まとめて集計するかによって数字は変わってしまいます。繰り返しますが、プログラムによる機械的なアクセスもPV数に集計することがあるのです。
以上のように、ウェブサイトの自称PV数は、そのまま信用するにはとても頼りない数字なのです。逆に言えば、PVという単位はその程度のものといえるでしょう。テレビや新聞、ネットニュースなどで景気の良い自称PV数を見かけたときは、「ふーん」と斜に構えて見ることをオススメします。PV数が多いからといって、必ずしも大勢のユーザーに支持されているサイトとは限りませんし、なによりPV数の8割をボットが占めていても、言ったもの勝ちで通ってしまうのですから。
近いうちに自称PV数の危うさを実際に検証する方法についても触れたいと思います。それではまた。
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