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ペルソナを決めるのは誰か? 対話AIの発展に見る人工知能と人類の未来像

対話AIで人類にもたらされる”危うさ”の課題

2018年11月08日 09時00分更新

対話AIを活用した「真の“俺の嫁”」はできるか

 また、対話AIを利用する一般ユーザーにとっても、対話AIのペルソナを自由に設計できる技術は大きな可能性を秘めている。

 現在のスマートスピーカーなどに搭載されている対話AIの多くは、ユーザーの日々の疑問に答えたり、日常生活を助けたりするための「アシスタント」として設計されている。そのため、Siri、Alexa、Google Assistantには、どちらかというとクールで無機質な「システム」という印象が強い。良くも悪くも、すべてのユーザーに対して画一的な体験の提供を目指していることがその主な理由と思われる。

Appleのスマートスピーカー「HomePod」

 筆者は、対話AIのペルソナ創出技術の発展により、対話AIが「アシスタント」から個々のユーザーの「パートナー」たる存在になりえると考えている。

 高齢者やひきこもりなど、社会的な孤立が大きな社会問題になりつつある現代において、特に用件がない場合でも気軽に雑談ができる対話AIの必要性はますます高まる可能性がある。そうなると、個々のユーザーが心地よく話せて、信頼を寄せることができるペルソナの実現は今以上に重要になる。

 上記のように、対話AIの用途が広がることを前提にした場合、多種多様なユーザーのパートナーとしての対話AIが持つべきペルソナの設計と実装の方法は興味深い研究課題である。

 前述したGateboxは、ウェブメディアなどでは「俺の嫁召喚装置」という呼び名がつけられ、未来型の対話AIデバイスとして大きな期待が寄せられている。しかし、直近では制作者が公開する特定のCGキャラクターがデフォルトのものとして提供されるようである(注:本稿執筆時点では量産モデルの販売が待たれている状況であり、詳細仕様は不明)。自分の部屋にいるという意味では「俺の嫁」ではあるが、ほかの購入者と同じスペックの「嫁」が提供されているのが実態といえる。

 Gateboxのようなインタフェースを持つ装置と、上記のような対話AIのペルソナ構築技術を統合すると、自分にとって真に理想的なパートナーが実現できる可能性が見えてくる。見た目や属性といった、比較的容易に変更可能な外観的な要素に加え、興味のある話題や性格なども含めたペルソナを自由自在に変えられる技術の実現が、対話AIが個々のユーザーのパートナーとして受け入れられる大きなきっかけになるかもしれない。

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