ライカ「D-LUX8」も親戚です!!
大きい4/3型センサーに大口径ズーム搭載で小型軽量の最新コンデジ=6月18日発売「LUMIX L10」実写レビュー
2026年06月12日 00時01分更新
パナソニックが発売するレンズ一体型カメラ「LUMIX L10」は、4/3型(フォーサーズ)の撮像素子でマルチアスペクトを採用しており、名前は変わるが、かつての「LX100」シリーズ(2014年に初代「LX100」、2018年には2代目「LX100Ⅱ」が登場し、現在はともに生産終了)の後継機種である。
つまりは約8年振りのモデルチェンジになるわけで、どのようなカメラとなって復活したのか興味深いところだ。パナソニックから試用機を借りたので、実写レビューしてみよう。
6月19日に発売予定。オンラインストアでの価格は20万9880円。ボディーカラーはブラックとシルバーにくわえ、オンライン限定のチタンゴールド(お値段は少し高めの23万9110円で7月9日発売)も用意されている。
ダイヤルや端子は現代型
背面液晶がバリアングルに
レンジファインダースタイルのボディー形状は「LX100」シリーズとほぼ同じだ。スペックを見比べるとサイズは微妙なアップに留まっているが重量は約116g増加している。これは背面液晶が固定式からバリアングル式に変更されたからだろう。可動式液晶が当たり前になった現在からすると当然の進化といえる。
サイズアップしたとはいえ手にしてみると十分にコンパクトで、レンズ込みのマイクロフォーサーズ機(アクションカムを除く)とすれば最小クラスだ。
上面の操作系では「LX100」シリーズがシャッタースピードと露出補正のアナログダイヤルを備えていたのに対し、撮影モードダイヤルと中央に「Fn」ボタンを備えたコマンドダイヤルに変更されている。
2010年代半ばにかけて、アナログダイヤルが流行っていた気もするが、今となってはシャッタースピードの中間速度設定が面倒だったり、ダイヤルが露出補正のみ占領されるのは機能的にはもったいない。実用性からすると納得の変更だ。
背面の上部には「静止画/動画/S&Q」モードを切り替えるスイッチや、最近のLUMIXでは定番の「リアルタイムLUT」を即座に設定できるボタンが新設された。液晶右側の十字キー周りのボタンやダイヤルの動作が少し軽く、EVFを覗きながら撮り歩いていたときに不意に設定が変更されていたことがあった。
前述のとおり背面液晶は184万ドットのバリアングルで、EVFは236万ドット 倍率35mm換算0.74倍。スペック的には平凡だが、実際に撮っているときに視認性に不満を感じることはなかった。
メディアはSDのシングルスロットと変わらないが、UHS-Ⅱに対応している。
バッテリーは現行「LUMIX」ミラーレス機で主流の「DMW-BLK22」を採用し、公称撮影可能枚数も約340枚から420枚に向上。実際にはRAW+JPEGで150カット300枚を撮影した時点でようやく電池残量表示メモリが一つ減った程度だった。
端子類はUSBがType-Cになり、充電ならびに給電が可能。さらにデータ転送もUSB3.2(10Gbps)と高速だ。ただ意外なことにHDMI端子は搭載されず、もしかしたらUSBから出力できるかもと試してみたが、どうやら非対応のようだ。
縦横比変更は単なるトリミングではない
「マルチアスペクト」の威力
撮影機能で特徴的なのはマルチアスペクトだろう。普通のカメラのアスペクト比変更では、例えば4:3を16:9にすると上下がカットされるので画角は狭くなってしまう。本機のマルチアスペクトは撮像素子内の一部でアスペクト比を変えているので画角は変化しないのが特徴。画素数も減少するだけではない。
4対3:4736×3552(17M)
3対2:4928×3288(16M)
16対9:5152×2904(15M)
1対1:3552×3552(12.5M)
マルチアスペクトのイメージ。グレーの背景が撮像素子全域の5776 x 4336ドットで、それに対し赤枠が4:3、黄枠が3:2、青枠16:9が実撮影範囲になる。手持ちで撮影した写真から作成したので像が少しずれているのは御愛嬌。
アスペクト比はレンズ部にある「Fnスイッチ」か、任意で割り当てた「Fnボタン」からも変更することができるようになった。
ただアスペクト比を変更して撮影するとRAWでも設定した比率で記録されてしまい、後から戻すことはできない。
また撮像素子の一部が使われていないのも貧乏性からするともったいなく感じる。どおせなら動画のオープンゲート記録のように、撮像素子全域で記録できるような機能が欲しかったところだ。
撮像素子は「GH7」や「G9 PROⅡ」など最新マイクロフォーサーズミラーレス機と同じで、総画素数2650万画素だがマルチアスペクトなので有効画素数は2040万画素になる。なお撮像素子全域で記録する「GH7」の有効画素数は2520万画素だ。
とはいえ初代「LX100」の総画素1684万画素1280万画素や2代目「LX100Ⅱ」の総画素2177万画素1700万画素よりも解像度はアップしている。
LEICA DC VARIO-SUMMILUX
換算24-75mmでF1.7-2.8
レンズは35mm換算24-75mm相当開放F1.7-2.8の標準ズームでフィルター径は43mm。スペックやレンズ構成からすると「LX100」シリーズと共通のようだ。
なお実焦点距離は10.9-34mmとなっている。マイクロフォーサーズの35mm換算は焦点距離×2なので、もし撮像素子全域で記録できれば、広角側は21.8mm相当で撮れるはず。そう思うと重ね重ね惜しい。
ズームは電動の沈胴式。電源を入れるとレンズが繰り出すが、ズーム倍率は約3倍なのでそれほど全長が伸びることはない。ただ起動後撮影できるまで約2秒程度、スリープからの復帰でも同等の時間はかかるので、撮り歩いているときには少しレスポンスに不満を感じることもあった。スリープまでの時間を長めに設定するか、こまめにシャッターボタンを半押しするクセをつけるなど工夫をしたほうがいいだろう。
ズームはシームレスな動作と焦点距離ことに移動する「ステップズーム」が選べる。
また画像の一部を拡大することで解像度は小さくなるが画質劣化のない「クロップズーム」も搭載する。アスペクト比4:3の場合では1050万画素(3744×2808ドット)で104mm相当、500万画素(2624×1968ドット)で148mm相当、300万画素相当相当(1920×1440ドット)なら203mm相当の望遠撮影が可能だ。
電動ズームのおかげで光学ズームから「クロップズーム」への移行もスムーズにおこなえ、RAWでも撮影しておけば、拡大前の画像も記録されているので、もし解像度不足と感じてもAdobePhotoshopのスーパー解像度など画像ソフトの後処理でカバーすることができる。標準ズームでも、いざというときは望遠撮影もできる実用的な機能だ。
レンズ周りの操作系としては1/3EV刻みのクリックがある「絞りリング」に、ズームやISO感度、露出補正などの機能を割り当てられる「コントロールリング」。AFとマクロ、MFを切り換える「フォーカス切換スイッチ」がある。
最短撮影距離は通常時はズーム全域で50cm。マクロにすると広角側最短3cm、望遠側は30cmの近接撮影ができる。なおマクロに設定したままでも無限大撮影が可能なのはありがたい。
最新撮像素子の描写力
GHシリーズと同レベルに
画質は控えめのシャープネスや落ち着きのある発色など自然な描写。絞り開放だとズーム全域で少し解像に甘さを感じることもあるが1EV程度絞れば改善する。
広角側絞り開放F1.7で撮影。遠景とはいえピントの範囲は結構狭い。焦点距離24mm相当・絞りF3.3・シャッタースピード1/2500秒・ISO100。
(以下記述なければフォトスタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート)
なおメカシャッターはレンズシャッターなので、撮っていて静寂なシャッターの感触が心地よかった。ただ初期状態ではなぜか電子的なシャッター音が鳴る設定になっている。純粋なレンズシャッターの音色を堪能したいなら、電子音をオフにすることをオススメしたい。
またメカシャッターの最高速は1/2000秒なので広角側絞り開放F1.7では露出オーバーになることもあるが、シャッター方式の設定を自動切換にしておけば1/2000秒を超える露出では自動的に最高1/32000秒の電子シャッターに切り替えてくれる。
高感度は常用1万2800、拡張で2万5600まで設定が可能。6400程度から画質低下は感じられるが、ある程度光量があるシーンなど条件しだいでは2万5600でも実用的で、一般的なマイクロフォーサーズ機と遜色のない高感度画質だ。
AFは撮像素子が像面位相差AFになり被写体認識も搭載。連写も電子シャッターなら秒30コマが可能でプリ撮影も選択できる。この辺りは8年分の進化といえるだろう。
ただ明るい屋外なら素早くピントを合わせてくれるが、暗所などコントラストの低い状況では迷うこともあった。
追随性は鳥のように予測ができない被写体ではAFが少し追い付かないこともあったが、電車や飛行機など規則的に動く被写体なら問題なくピントを合わせてくれた。
プリ連写で飛び立つ瞬間を撮影。とっさにカメラを向けたので、被写体認識は間に合わず、ピントは背景に行ってしまった。焦点距離203mm相当(クロップズーム)・絞りF2.8・シャッタースピード1/1000秒・ISO400。
手ブレ補正は光学式で、しっかり構えれば広角側遠景では1/2秒程度、望遠側近景でも1/8秒程度でもブレずに撮れた。
正直に言うと初めは従来モデルのマイナーチェンジ程度に思っていたが、撮像素子やAF性能、操作系などが刷新され現代らしいカメラに進化していた。製品名が新しくなったのも納得できる。
大型素子のレンズ一体型カメラといえば、ライカ「Q」シリーズやソニー「RX1」シリーズ、富士フイルム「X100」シリーズなど数々の名機があるが、そのかなでもコンパクトなズームレンズ一体型デジカメとして、存在感を示してくれそうだ。
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