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8年ぶりのモデルチェンジで写りはどうなった!?

最新の裏面照射型センサーに光学15倍ズームの超便利コンデジ「LUMIX TX3」実写レビュー

2026年05月25日 04時00分更新



 パナソニックが1型2010万画素撮像素子と光学15倍の高倍率ズームを搭載したコンパクトデジカメ「DC-TX3」を発売した。

 2018年発売の「DC-TX2」の後継機(2022年に「DC-TX2D」という製品が発売されているが、こちらはあくまでマイナーチェンジモデル)ということで、実に8年振りのモデルチェンジとなる。

 TX1の時代から、記者や編集者が、光学ズームと手ブレ補正を重宝して取材に使い倒した名機でもある。

非常に残念ながらEVFは廃止
撮像素子は最新の裏面照射型に

 

 「TX2」と、新モデル「TX3」主な違いとしては、非常に残念ながらEVFは廃止になった。撮像素子は裏面照射型になり、充電端子がマイクロUSBからUCB Type-Cになった。

「LUMIX TX3」実写レビュー

5月21日に発売され、公式オンラインストアでの価格は12万8700円。カラバリはブラックとグラファイトシルバーの2種類。

 ボディー形状やサイズはほとんど同じ。ボディーのみの重量は298gから295gとわずかに軽量化しているが、EVFを省いたのにこれしか差がないのは、裏面照射撮像素子かUCB Type-C端子が意外と重いということか。

 手にしてみるとポケットサイズとアピールするだけあってさすがにコンパクト。おかげで小さめのグリップでも楽々構えられる。

「LUMIX TX3」実写レビュー

ボディーサイズは111.2×66.4×45.2mm、メディアとバッテリー込みの重量は約337g。

 
「LUMIX TX3」実写レビュー

上面のダイヤル類はしっかりとしたクリックで、操作していて気持ちいい。動画ボタンのカスタマイズはできず、静止画メインで撮影する人からするとちょっと残念。

 レンズ周りはコントロールリングになっていてISO感度や露出補正などの機能を割り当てられる。動作がシームレスだが個人的にはクリックがあってもよかったのではと感じてしまった。

「LUMIX TX3」実写レビュー

レンズ部のコントロールリングには各種機能が割り当てられる。

「LUMIX TX3」実写レビュー

 背面の操作ボタン類は小さめで、配置も少し窮屈に感じるが、メニューボタンや十字キーはそれなりに出っ張りがあるので、慣れれば苦にならないだろう。

「LUMIX TX3」実写レビュー

操作ボタンの右側にまとめて配置されている。液晶が固定式なのは正直不満。

 ただ液晶が固定式のまま。ローやハイなどのアングル撮影時はもちろん、日差し強い屋外で少し角度を動かし見やすくするといったこともできない。EVF廃止も含め視認性にはもう少し工夫が欲しかったところ。

 バッテリーは前モデルと同じ「DMW-BLG10」で、公称撮影可能枚数は約360枚。実際ではRAW+JPEGで189カット378枚撮影してメモリ一つ減っただけだった。メディアはSDでUHS-1のみの対応になる。

「LUMIX TX3」実写レビュー

バッテリーとメディアのストっとは底面の同室に。

 端子類はHDMIとUCB Type-Cのみとシンプル。USBは充電のみで給電やデータ転送はできない。とはいえ汎用性の高いUCB Type-Cに変更してくれたのは大歓迎だ。

「LUMIX TX3」実写レビュー

側面の端子。上がHDMIで下がUSB Type-C。

24-360mm相当の光学15倍ズーム
「ステップズーム」と「ズームバック」搭載

 

 搭載レンズのスペックに変わりはなく35mm換算24-360mm相当の光学15倍ズームだ。絞り値は開放F3.3-6.4で最小絞り値は全焦点粋でF8までとなる。電源を入れると自動でカバーが開きレンズが繰り出す動作は今となっては懐かしい。

「LUMIX TX3」実写レビュー

広角側24mm相当と望遠側340mm相当で撮影。画角の広さは高倍率ズームならでは。絞りF6.4・シャッタースピード1/640秒・ISO125。

「LUMIX TX3」実写レビュー

 
「LUMIX TX3」実写レビュー

電源オフの収納時と24mm時、360mm時のレンズの繰り出しの違い。最大望遠だとかなり長くなる。

「LUMIX TX3」実写レビュー

「LUMIX TX3」実写レビュー

 ズームレバーによる動作は素早く滑らかだが、そのぶん焦点距離の微調整がやりにくく感じることもあった。そんなときは焦点距離は固定されるが、単焦点レンズ感覚でズーム移動ができる「ステップズーム」がオススメだ。

「LUMIX TX3」実写レビュー

「LUMIX TX3」実写レビュー

シームレスに移動する通常のズーム動作と、焦点距離ごとに移動する「ステップズーム」を選ぶことができる。

 またボタンを押すと一時的にズームアウトする「ズームバック」という機能も搭載。望遠撮影時に被写体を見失った時など活躍してくれる高倍率ズームに適した機能だ。

「LUMIX TX3」実写レビュー

「LUMIX TX3」実写レビュー

背面の「ズームバック」ボタン(他のFnボタンにも割り当て可能)を押すと一時的ズームアウトし、離すと元のズーム位置に戻ってくれる。

 画質は最近のカメラより画像補正が控えめで、全体的に柔らかい描写。人によってはシャープ感やコントラストが少し物足りなく感じるかもしれない。画像仕上げの「フォトスタイル」で調整するか、RAWでも記録ができるので、現像で自分好みに仕上げてみるのもいいだろう。

「LUMIX TX3」実写レビュー

広角側絞り開放で撮影。ややメリハリ不足に感じるが、細部はしっかり解像されている。焦点距離24mm相当・絞りF3.3・シャッタースピード1/2000秒・ISO125。以下設定は共通ホワイトバランスオート・フォトスタイル:スタンダード。

 
「LUMIX TX3」実写レビュー

コントラストも控えめで、落ち着いた色合いの発色。焦点距離24mm相当・絞りF8・シャッタースピード1/200秒・ISO125。

 
「LUMIX TX3」実写レビュー

若干白とびや黒つぶれを感じるが、1型撮像素子にして十分な明暗差の再現。焦点距離35mm相当・絞りF7.1・シャッタースピード1/1000秒・ISO200。

 
「LUMIX TX3」実写レビュー

柔らかい描写が古びた鉄扉の質感との相性がよかった。焦点距離50mm相当・絞りF4.2・シャッタースピード1/800秒・ISO200。

 
「LUMIX TX3」実写レビュー

中望遠の焦点距離で街中の一部を切り取ったスナップその1。焦点距離70mm相当・絞りF5.6・シャッタースピード1/400秒・ISO125。

 
「LUMIX TX3」実写レビュー

中望遠の焦点距離で街中の一部を切り取ったスナップその2。焦点距離135mm相当・絞りF5.7・シャッタースピード1/160秒・ISO125。

 
「LUMIX TX3」実写レビュー

遠近感が圧縮された超望遠らしい写真が手軽に撮れるのは、高倍率コンデジの魅力。焦点距離270mm相当・絞りF5.6・シャッタースピード1/400秒・ISO125。  

「LUMIX TX3」実写レビュー

街中を最大望遠でスナップしてみると、見た目と異なる景色になるのが面白い。中望遠の焦点距離で街中の一部を切り取ったスナップその1。焦点距離360mm相当・絞りF7.1・シャッタースピード1/400秒・ISO125。

「LUMIX TX3」実写レビュー

最大望遠での近接撮影だが、毛並みをみると解像力は高く感じる。焦点距離360mm相当・絞りF7.1・シャッタースピード1/400秒・ISO125。

「LUMIX TX3」実写レビュー

茂みから姿を見せた野鳥。このように手前に草木あるこのようなシーンではAFが迷いやすかった。焦点距離360mm相当・絞りF6.4・シャッタースピード1/125秒・ISO125。

 通常時の最短撮影距離は広角側50cm望遠側1mだが、「AFマクロ」に設定すると広角側で最短3cmまで近寄ることができる。望遠側135mm相当以上では通常時と最短撮影距離は変わらない。

 なお「AFマクロ」のままでも通常どおり無限大撮影はできる。切り替えるのも面倒なので常に「AFマクロ」のまま撮っていたが、AF速度など特に違いはないようだった。

「LUMIX TX3」実写レビュー

「AFマクロ」のほぼ最短距離で撮影。レンズ前3センチなので気を付けないと被写体にぶつかりそうになる。焦点距離24mm相当・絞りF3.3・シャッタースピード1/800秒・ISO125。

 ただ全般的に暗所や望遠撮影ではAFが迷うこともあり、被写体検出が非搭載なのも世代差を感じてしまう。動きのある被写体よりは風景や街中のスナップなど、のんびりと撮影するスタイルのほうが向いているだろう。

 光学式手ブレ補正も搭載。体感では遠景だと広角側で1/4秒、望遠なら1/15秒程度のシャッタースピードならギリいけそうな感じだ。とはいえEVFが無いのでホールド性はどうしても甘くなってしまう。しっかり構えて撮影することを心掛けたい。

「LUMIX TX3」実写レビュー

広角側24mm相当、シャッタースピード1/4秒で撮影。絞りF6.4・ISO160。

 
「LUMIX TX3」実写レビュー

望遠側360mm相当、シャッタースピード1/15秒で撮影。絞りF6.4・ISO3200。

 

裏面照射型の高感度特性をチェック
懐かしの「4Kフォト」が楽しい

 

 撮像素子が裏面照射型に変更になったということで高感度もチェックしてみた。最高感度は常用ISO12800、拡張でISO25600だ。画質劣化はISO3200程度から見られるが、ISO6400程度までは許容できそう。

 ただノイズ処理がやや強めに感じた(しかもLUMIXシリーズは完全にオフにすることができない)。この場合も高画質を求めるのならRAWで撮影しノイズ処理は画像ソフトの現像でおこなうのも手だ。

「LUMIX TX3」実写レビュー

感度別に撮影した写真の一部を拡大して比較。左上からISO800・ISO1600・ISO3200・ISO6400・ISO12800・ISO25600(拡張感度)。

「LUMIX TX3」実写レビュー

常用最高感度のISO12800で撮影したJPEG撮って出しと、AdobeCameraRawのAIノイズ処理適用量70で現像した写真の比較。こちらはJPEG.

「LUMIX TX3」実写レビュー

こちらはRAW現像

「LUMIX TX3」実写レビュー

上記写真の一部を拡大して比較。ノイズや解像感の違いがわかる(写真左JPEG、右RAW現像)。

 現行のLUMIXシリーズではあまり採用されなくなった「4Kフォト」が搭載されているのも懐かしい。4Kサイズの画像(3504×2336ドットで約800万画素)で秒30コマの高速連写をおこない、シャッターを押す直前にさかのぼって記録する「プリ連写」や、撮影後にピント位置を移動することができる「フォーカスセレクト」が可能といった、今でも十分通用する機能だ。

 最新の4Kで60Pや120Pで記録できるカメラなら、より高速連写が可能なはずなので、ぜひ復活を期待したい。

「LUMIX TX3」実写レビュー

 
「LUMIX TX3」実写レビュー

「フォーカスセレクト」で撮影し、ピント位置を変えて記録した作例。焦点距離200mm相当・絞りF6.3・シャッタースピード1/1000秒・ISO1000。

「LUMIX TX3」実写レビュー

 またコンパクトデジカメということでストロボが内蔵されているが、なんとメカシャッターはレンズシャッターを採用しているようで、シャッタースピード1/2000秒でも同調した。従来機も同じ仕様だったようだが、まったく気が付かなった。こうなると内蔵ストロボでなくホットシューを採用してもらい、外付けストロボが使えればと妄想してしまった。

「LUMIX TX3」実写レビュー

「LUMIX TX3」実写レビュー

内蔵ストロボでハイスピードシンクロ撮影をした作例。焦点距離24mm相当・絞りF5.6・シャッタースピード1/2000秒・ISO400。

 絵作りやAFなどに少し古さを感じてしまうものの、コンパクトなサイズは魅力で、1型撮像素子も画像処理次第でまだまだポテンシャルに期待が持てる。

 例えば搭載レンズを20-200mmなど広角側にシフトした兄弟機がラインナップされれば魅かれるカメラマニアも多い気がするがいかがでしょう。その際はEVFの復活もお願いします。

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