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日本市場の特徴は? スマホの開発は? いろいろ聞いてきた

ASUSが語るPC市場の最前線:AIへの注力、ハンドヘルドPCの躍進、そしてMacBookへの対抗戦略とは?

2026年06月02日 08時00分更新

スマホの開発の予定はなし
サポートは2030年までは継続

──ハンドヘルド機への投資を続けるとのことですが、スマートフォン(ROG PhoneやZenfoneなど)の今後の展開や既存ユーザーへのサポートについて教えてください。

Peter Chan氏:ASUSグループとして現在、AI開発にすべての資源を集中させるという非常に難しい決断をしました。AI PCだけでなく、AIインフラやサーバーなどのビジネスを含め、このAIの波に乗るためにリソースを割く必要があります。そのため、モバイルデバイス(スマートフォン)に限っては、今後1~2年間は新製品の明確な予定や計画はありません。ただし、既存のユーザー様に対するソフトウェアやハードウェアのサポートは、2030年まで継続することを明確にお約束します。また、AIのトレンドや市場の需要次第では、将来的に新たなモバイルデバイスを開発する可能性はもちろんあると考えています。

「デザインシンキング」の理念が重要

──近年、2画面ノートPCのような奇抜なアイデアの製品が登場していますが、デザインと実用性のバランスについてどうお考えですか。

2画面が特徴的な「ROG Zephyrus Duo (2026) GX651」

Peter Chan氏:ASUSでは会長が推進する「デザインシンキング(デザイン思考)」という理念が各部門に浸透しています。まずユーザーが欲しいと思うものか(ユーザビリティ)、次に最新のテクノロジーで実現可能か(フィージビリティ)というバランスを常に考えています。そのため実用性を重んじ、2画面を近づけるという設計を選択しました。今後もこのデザインシンキングのプロセスを通じて、実用的かつ適正なコストの斬新な製品を出していきたいと考えています 。

 例えば2画面PCも、最初は折りたたみ式(フォルダブル)の画面を検討しましたが、現状の技術では折り曲げる部分に凹みや折り目ができてしまい、綺麗な1つの画面に見えないという課題がありました。そのため実用性を重んじ、2画面を近づけるという設計を選択しました。今後もこのデザインシンキングのプロセスを通じて、実用的かつ適正なコストの斬新な製品を出していきたいと考えています

──日本市場におけるASUSの代表的・印象的な製品と、今後特に伸ばしていきたいジャンルを教えてください。

Peter Chan氏:日本市場は世界と比べても「モビリティ(携帯性)」が非常に重視されるという印象があります。そのため、過去に発売されたEee PCやタブレット、Transformer、Zenbookといったポータブルな製品が日本では特に高い評価を受け、成果を上げてきました。 今後日本市場で力を入れていきたいのは、単なるコンシューマー向けPCにとどまらず、AIソリューションやAIサーバー、インフラなどを含めた展開です。ASUSの大きな目標は「すべての製品にAIを組み込むこと」であり、製品ラインナップやエコシステム全体にAIを取り入れていきます。ASUSのグループ全体にとって日本は非常に重要な市場と位置づけており、当社の会長も2週間後に日本を訪問する予定です。

MacBookは意識するが、ASUSが目指すのはWindowsエコシステムのリーダー

──最近、会長や幹部の方がMacBook等を意識されたような発言をされているかと思いますが、率直にどのように評価されていますか?コンペティター(競合)としてどのようにお考えでしょうか。

Peter Chan氏:確かに、ノートパソコンの分野においてMacBook等の製品は大きな存在であり、強力なコンペティターの一つであると認識しています。彼らがどのような動きをしているのかについては、当然ながら注視し、意識しています。

 しかし我々としては、競合をただ意識するのではなく、まずは自分たちの領域である「Windowsエコシステム」においてリーダーとなること、つまり自分たちのやるべきことをしっかりやることが最も重要だと考えています。

 ASUSにとって重要なのは「デザインシンキング」の哲学です。お客様が求めるマシンの仕様(薄さや軽さ、多様性など)をしっかりと満たす設計を行うこと。そして、実用性があるか、コストの最適化ができているかを厳しく評価し、ユーザーが購入しやすい(投入しやすい)価格帯で提供できるかどうかが問われます。使いやすく、買いやすいものであるかどうか、そこだけをしっかりと見ていれば良いと考えており、自分たちが競争する領域の中で一番になるために戦うことが必要です

──AppleのMacBook等に対抗するような、Snapdragon(Snapdragon X EliteやSnapdragon Cなど)を搭載したデバイスの展望やQualcommとの協業について教えてください。また、長年展開されているWindows on ARMプラットフォームに対するユーザーの評価は、どう変化していると感じていますか。

Peter Chan氏:Qualcommとは長年にわたり非常に緊密なコラボレーションを行っており、バッテリー寿命の向上やデバイスの軽量化などについて共同で研究開発を進めています。その成果として、ZenbookシリーズなどでQualcommのチップをベースにしたミドルクラスからハイエンドのデバイスを展開しています。これに加えて「Snapdragon C」を搭載した新製品もまもなく発売・発表する予定です。他社の競合製品に対抗しうる同等のデバイスを、今年の下半期には皆様に発表できると考えています。

Alvin Chen氏:また、Snapdragonなどで動作する「Windows on ARM」プラットフォームに対する評価ですが、確かに5~10年前に最初のデバイスが登場した当初は、互換性などの課題があり、日本市場でも最初の印象はあまり良くなく、不安視される声がありました。しかし、現在ではその状況は大きく改善しています。社内テストでも確認していますが、一般的な仕事の用途で使う分には問題なく動作するようになっています。

Windows on ARMにだんだんとユーザーが慣れてきているとはなすAlvin Chen氏

 古いプリンターや過去の周辺機器などを接続する際には、稀に互換性の問題が生じるケースもありますが、日常的な利用においては非常に快適です。私自身も昨晩Qualcomm搭載デバイスを使用してNetflixやDisney+などの動画視聴を試しましたが、一切の問題はなく、優れたバッテリー寿命の恩恵を受けながら利用できました。実際に使ってみたユーザーの皆様も「意外と問題ない」と実感されており、徐々にこのプラットフォームに慣れてきていると感じています。

ROGブランド20年で学んだ成功の鍵は
ゲーマーが何を必要としているか“継続的に”理解すること

──ROGの20周年について、コンセプトの変化や、これまでの成功や失敗について教えてください。

Peter Chan氏:ROGのコンセプト自体は変わっていませんが、歴史の中で大きな学びがありました。最初はマザーボードやビデオカードなど、自作PCを組み立てるヘビーユーザー向けからスタートしました。その後ノートPCを展開しましたが、一時期はノートPC部門の一部としてゲーミングPCが扱われており、集中力が足りなくなってしまったという課題(失敗)がありました。

 数年前にゲーミング部門(BU)を独立させた結果、業績が向上し、パワーユーザー向けのトップレンジ製品の開発が大きく加速しました。今ではゲーマーだけでなく、アートや音楽などを楽しむコンテンツクリエイターなど、日常生活でクリエイティブな作業をする方々にもターゲットが広がっています。ROGの鍵は、ゲーマーが何を必要としているかを継続的に理解し、それに合わせた解決策(デバイス)を構築していくことだと考えています。

本社の1部はASUS ROGの20周年仕様になっていた

20年の歴史を振り返ることができる通路

──ありがとうございました。

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