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グーグルAI「Gemini」 無料版と有料版の使い方を徹底解説

2025年01月27日 17時00分更新

有料版は「Google One AI プレミアムプラン」への加入が必要

 ここまで無料版のGeminiについて解説してきたが、月額2900円の有料版「Gemini Advanced」も存在する。「Gemini Advanced」は「Google One AI プレミアムプラン」に含まれるサービスであり、無料版と比較して利用できるAIモデルの性能と種類が大幅に強化されている。

 ここで、「Google アカウント」「Gemini Advanced」「Google One AI プレミアムプラン」の関係性を整理しておこう。

 Google アカウント:Gmailなど、Googleの各種サービスを利用するために必要な無料アカウント。

 Google One:Google アカウントに紐づく、有料のサブスクリプションサービス。主にクラウドストレージの拡張が目的。

 Google One AI プレミアムプラン:「Gemini Advanced」の利用権が含まれる、「Google One」の最上位プラン。2TBのクラウドストレージなども利用できる。

 Gemini Advanced:「Google One AI プレミアムプラン」に加入することで利用可能になる、高性能なAIチャットサービス。

 つまり有料版「Gemini Advanced」を利用するためには「Google One AI プレミアムプラン」への加入が必須ということだ。

「Gemini Advanced」で利用できるモデル

Gemini Advancedのモデルセレクター

 「Gemini Advanced」は無料版と比較して利用できるAIモデルの性能が格段に向上し、より複雑かつ専門的なタスクに対応できるようになっている。例えば、無料版では難しい長文の要約、複雑な質問への回答、高度な文章作成や専門的な調査、さらに精度の高いコーディング支援なども可能になっている。

 では、無料版と有料版(Gemini Advanced)で利用できるモデルを比較してみよう。

モデル 無料版 有料版
1.5 Flash
2.0 Flash Experimental
1.5 Pro
1.5 Pro with Deep Research
2.0 Experimental Advanced

 上図のように、無料版で利用できるのは「1.5 Flash」と「2.0 Flash Experimental」の2つのモデルだ。

 1.5 Flash:軽量かつ高速な処理に特化。日常的な質問への回答など、比較的負荷の軽いタスクに適している。

 2.0 Flash Experimental:次世代モデル「Gemini 2.0」のFlashバージョンの先行体験版。「1.5 Flash」と比べて大幅な性能向上が見込まれる。

 一方、有料版の「Gemini Advanced」では、無料版のモデルに加えて、より高性能な「1.5 Pro」、「1.5 Pro with Deep Research」、そして実験段階の「2.0 Experimental Advanced」といった最新のモデルが利用できる。

 1.5 Pro:現在のGemini Advancedの主力モデル。100万トークンという、商用利用可能なモデルの中で最長レベルのコンテキストウィンドウを持っている。書籍数冊分のテキストデータを一度に処理でき、長文の要約、複雑な質問への回答、高度な文章作成、コーディング支援などに対応する。

 1.5 Pro with Deep Research:「1.5 Pro」をベースに、情報検索機能を強化したモデル。より深く、広範囲な情報源からデータを収集・分析し、学術的な調査などに適している。

 2.0 Experimental Advanced:「Gemini 2.0」のAdvancedバージョンの先行体験版。将来的にGemini Advancedの主力モデルになると予想されている。

 なお、コンテキストウィンドウとはAIが一度に扱える情報量を示す数値だ。有料版の「1.5 Pro」は文庫本約7冊、新書約9冊、ハードカバー単行本でも約5冊分以上に相当する100万トークン(日本語約70万文字)に対応。広大な情報を基に回答を生成できる。一方、無料版の数値は非公表だが、有料版と比較して大幅に少ないと予想される。

 さらに、「Gemini Advanced」を契約すると、「Google One AI プレミアムプラン」に含まれている2TBのクラウドストレージも追加料金なしで利用できる。

 無料版は日常的なタスクに適したモデルを提供しているのに対し、有料版は、より高度な処理能力と調査能力を備えたモデルを利用でき、専門性の高い分野や、複雑なタスク、大量のデータを扱う用途に適している。

最新のAI技術を体験したいなら試す価値あり

 ここまで見てきたように、無料版と有料版の「Gemini Advanced」では、利用できるモデルとその性能に大きな違いがある。

 無料版は主に「1.5 Flash」で日常的なタスクを軽快にこなす一方、有料版は商用モデル最長のコンテキストウィンドウを持つ「1.5 Pro」、調査に特化した「1.5 Pro with Deep Research」、最新のAI技術を体験できる「2.0 Experimental Advanced」が利用可能で、複雑な課題、専門的な研究、大量データ分析といった高度なタスクに対応する。

 また、「Google One AI プレミアムプラン」に含まれる2TBのストレージも大きな魅力だ。Android版ではOSレベルとの連携が深く、最新チップ搭載の一部「Pixel」シリーズでオフライン動作可能な「Gemini Nano」が使える場合もあるなど、デバイスやOSによって利用できる機能が異なる点にも注目したい。

 どのプランが最適かはニーズ次第。高度なAI活用や大規模なデータ分析を求めるなら、「Gemini Advanced」は有力な選択肢となるだろう。一方、画像を含む簡易的な質問やチャット程度であれば無料版でも十分に活用可能だ。

 なお、AIは進歩が非常に速い分野だ。本記事の情報は2025年1月時点のものであるため、最新情報はGoogleの公式ウェブサイトやコミュニティフォーラムなどで確認してほしい。

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