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会計の民主化とはデータ活用であり、意思決定支援である「弥生Next」

2023年11月06日 08時00分更新

36年間培った実績を生かす

 前山社長は、強い危機感と問題意識を打ち出すが、むしろ、いまこそが「会計ソフトの民主化」から「会計の民主化」に踏み出すには最適なタイミングといえそうだ。

 ひとつめの理由は、弥生が36年間に渡って築いてきた実績を生かせるからだ。

 会計の民主化を実現するには、データの蓄積が前提となる。ここに弥生の実績が生かせる。

 会計ソフト市場における弥生のシェアは、クラウドサービス領域では52.8%と過半数を占め、デスクトップソフト領域では64.9%と、3社に2社が弥生を使っている。

 2023年9月時点での弥生のユーザー数は310万以上となり、弥生PAPと呼ばれる会計事務所ネットワークの会員数は全国1万2000事務所以上となり、業界最大規模を誇る。

 「カスタマセンターへの年間問い合わせ数は120万件以上にのぼり、これにも丁寧に対応している。中小企業や個人事業主のバックオフィス業務を、日本で一番理解している会社が弥生である」と、前山社長は胸を張る。

 この基盤をベースにこんなことが考えられる。

 たとえば、東京都の西地区エリアで、5人の従業員で経営をしている八百屋がある。その条件に合致する事業者は、弥生の310万ユーザーを調べれば、何10件もヒットする。だが、同じ経済条件でありながらも、うまくいっている事業者と、そうでない事業者があることがわかる。これをもとにベストプラクティスを抽出し、人件費が高いといった課題を理解できたり、より広告宣伝をした方がいいことがわかったりする。そうしたヒントをもとに経営を改革することができるのだ。

 「310万ユーザーを匿名で分析し、有用なデータに転換し、そこから見えてくる次のアクションを提案したい。売上げ増加に直結する提案や、コスト削減の提案、資金繰りを改善する提案などが可能になる。大企業が億単位のIT投資を行って構築したERPの役割を、310万ユーザーのデータを活用することで担うことができる。中小企業の経営を可視化することができ、ポストERPとしての役割を果たすことができる」とする。

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