DLSS SRとDLSS FG適用時のパフォーマンスは?
ここまでの検証は、すべて画面の描画負荷を減らすDLSS SRを使わない設定で行った。次はDLSS SRを利用した際のフレームレートを検証するとしよう。
まずはDLSS SRだけに対応したゲームで検証する。解像度は4Kのみ、DLSS SRはすべて“パフォーマンス”設定に統一した。それ以外の画質設定やフレームレート計測方法は前掲の検証と同一である。
Call of Duty: Modern Warfare IIとアンチャーテッド トレジャーハンターコレクションに関しては、通常のレンダリング時よりも1.6倍から1.8倍程度のフレームレート上昇が確認できるが、その中でもRTX 4080 FEが他のGPUに比べてわずかに伸びているようだ。
しかし、Forza Horizon 5では、6%〜15%程度しかフレームレートが伸びなかった。DLSS SRに対応したものの、CPU側がGPUを使い切れていないのだ。これはゲームの設計の問題かもしれないが、少なくともForza Horizon 5においては、DLSS SRはあまりメリットが得られないと考えられる。
ここより先は、DLSS FG対応ゲームでの検証となる。RTX 4090 FEとRTX 4080 FEでフレームレートの伸び方に違いがあるのかに注目したい。旧世代GeForceはDLSS SR適用時のデータのみ記載している。ここでも解像度は4Kのみ、画質設定や計測方法は前掲の通りである。
※お詫びと訂正:記事掲載時、Marvel's Spider-Man Remasteredのグラフを誤って掲載していました。記事を訂正してお詫びします。(2022年11月17日)
これらのゲームでは、DLSS FGの効果は絶大だ。特に描画負荷の高いCyberpunk 2077では、DLSSなしの時のフレームレートに対し最大約3.9倍(RTX 4080 FEの場合)に到達。伸び率から言うと、約3.5倍のRTX 4090 FEよりもDLSS FG利用時のフレームレート上昇率が高い。
ちなみに、最も伸びたのがRTX 3080 FEでDLSS SRを使用した時の約5.8倍だが、これはDLSSなしだとVRAMが不足してパフォーマンスが全然出なかったところが、DLSS SRで内部解像度が半分になったことでVRAM不足によるボトルネックが解消。結果として著しいパフォーマンスゲインになったと考えられる。
DLSS FGを含むDLSS 3はゲーム側への対応が必須であるが、先月のRTX 4090リリースから1か月程度で9本のタイトルがDLSS 3に対応している(NVIDIA談)。今後登場するRTX 40シリーズの下位モデルが出るころには、さらに採用タイトルが増えることを期待している。
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