週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

デジタル庁発足から1年、期待の河野大臣は日本のDXをどうとらえているか

2022年09月01日 19時00分更新

まず霞ヶ関にこそ、働き方改革が必要である

 一方で、霞ヶ関の働き方の現状には、強い危機感を持っている。

 「霞が関の危機的な状況を改善するために、働き方改革が急務だと思っている。崖っぷちというよりは、ずり落ち始めているのではないかという危機感を強く持っている」とする。

 実際、電話やFAXに縛られて、働き方を変えられない省庁が少なくないことを指摘する。

 たとえば、消費者庁では、河野氏が消費者相だった時代に、徳島県に新未来創造戦略本部を設置し、一部機能を地方都市に移転させた経緯がある。河野大臣はそれに触れながら、「徳島では頑張ってやってくれている。だが、いまは、どこかの役所を、どこかに移転する必要がなくなった。全国どこででもテレワークができるという状況になっており、消費者庁の東京に残った機能は、積極的にテレワークを進めたいと思っている」する一方で、「消費者庁に、『テレワークやれよ』と申し上げたら、消費者庁の固定電話が古くて転送ができず、鳴ったらそこで取らなければ駄目だという。『いつの時代?』という感じであり、早急に対応を考えないといけない」とした。

 また、働き方改革が行われずに、無駄に人員を消費している部署があることにも触れ、「いまだにFAXを使っているところには、そこを合理化すれば定員増はいらないということも強く言っていきたい。FAXの利用状況については調査しないといけない」などと述べた。

 さらに、「テレワークの導入によって、霞ヶ関の人員採用にも好影響が出てくる。様々な制約はあるが、ひとつずつ炙り出して、潰していかなければならない。とくに、デジタル庁は、テレワークに適している。場所や時間に縛られない働き方ができる。また、テレワークを行う際に、それをサポートするネットワークやハードウェア、ソフトウェアが重要であり、セキュアにできなくてはならない。デジタル庁でやってみて、それをどんどん横展開をしていきたい」とも語った。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事