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日本で起業した動機、すさまじい製品点数とコスパの理由とは?

17歳で日本縦断ヒッチハイク!ディスプレー市場の新星、JAPANNEXTのフランス人社長が色々スゴイ

2022年04月01日 11時00分更新

あきらめないカスタマーサポート体制
1週間に1製品リリースする迅速な開発

――ゲーミング向けモデルに●●シリーズというような、何かシリーズ名を付けたりはしないのですか?

ベッカー氏:考えはしました。ですが、弊社の仕入れの方法ですと、シリーズで仕様を揃えるのが難しく、逆に揃えようとするとパーツの選択幅が狭まってコストが多くかかってしまいます。シリーズ展開のために価格が上昇してしまうのであれば、それはお客様にとってあまり受け入れられないだろうと判断し、シリーズ名を導入していません。

――サポート体制はどれぐらいの規模で行っているのでしょうか?

ベッカー氏:カスタマーサポートは、千葉県一宮町のオフィスで行っていますね。社員は全員地元の方なんですが、サポートや修理を含めると全部で20数人在籍しています。テクニカルサポートは電話とメールの両方で対応しているのですが、発売しているモデル数も多いこともあり、かなり多くのお問い合わせをいただいています。最近ですと、M1搭載Macで2画面出力ができないとか、相性の問題に関するお問い合わせが多いですね。

――相性問題は対処が大変そうですね。

ベッカー氏:そうですね。スタッフは毎日大変そうです。また、弊社はさほど会社の規模が大きくありません。ですが、お客様からお問い合わせいただいた時は、マニュアル通りの対応だけを行うといったことはしていません。お客様の環境で起きている問題を共に解決しようと努力しています。それこそ、不具合を再現するためにできるだけお客様の環境と近くなるよう、ものすごく古いPCから最新のものまで20台以上のPCをテスト機材として揃えて、できる限りあきらめずに対応するように取り組んでおります。

――千葉県一宮町に会社を置いている理由は何かあるのですか?

ベッカー氏:本社は東京の秋葉原にありまして、そこはセールスやマーケティングのスタッフが勤めています。ショールームも本社にあり、そこで商談なども行います。一方で、千葉では先ほどのカスタマーサポートのほかに商品開発を行っています。一宮町なのは、私がサーフィン好きで、それが一番の理由ですね。一宮町には東京五輪でサーフィンの会場になった釣ヶ崎海岸もあり、サーファーにとっては有名な街なんです。私が来日してから、一宮町をはじめ色々な地域の方々にお世話になってきておりますので、今後は一宮町、また近隣地域への貢献も含めて地域貢献型のプロジェクトも行っていきたいですね。

――今後、何か予定されている新商品はありますか?

ベッカー氏:リフレッシュレート360Hzに対応したモデルや、4Kのゲーミングモデル、それに複数のPCで1セットの入力デバイスを切り替えて使える「KVM機能」を搭載するおもしろいモデルなど、今年に入って3月上旬までで29機種の新商品を発売しました。今後は「PlayStation 5」の需要も高くなってくると思いますので、4Kゲーミングモデルのラインアップを強化していきたいと考えています。

――3ヵ月で29機種はすさまじいですね!

ベッカー氏:先ほどお話した360HzモデルはAmazon.co.jp限定モデルを先行発売しましたが、一般販売モデルも用意しています。おもしろいところでは、4Kよりもさらに高解像度の5K対応モデルも企画中です。ただ、5Kは対応できないPCも多いと思いますので、そのあたりをどうするか考え中です。8Kディスプレーも去年、手掛けるチャンスはあったのですが、コロナ禍ということもあってパネルがうまく入手できませんでした。ですので、近いうちに8Kもやりたいと思っています。

――ちなみに去年は何機種の新製品を発売したのですか?

ベッカー氏:昨年は50数製品ですね。だいたい1週間に1機種の新製品というペースになります。その中でも4Kディスプレーは弊社が注力しているジャンルの1つで、28型や32型のほか、13.3型といったモバイルディスプレー、それに98型や75型といった超大型のモデルも発売しています。また、Dual WQHD(5120×1440ドット)といった超ウルトラワイドに対応したモデルなどは、あまり他社さんにはない製品ですので、お客様に好評を得ています。

13.3型の4Kモバイルディスプレー「JN-MD-IPS133UHDR」。厚さ約9mm、重量約520gで携帯性も良く、背面には収納式スタンドを備え、ステレオスピーカーまで備える

WQHD(2560×1440ドット)を2つ並べたような、Dual WQHD(5120×1440ドット)に対応した49型曲面パネル採用モデル「UX49」(型番:JN-VC490DWQHDR)

――今後の展望をお聞かせください。

ベッカー氏:今後はディスプレーだけではなくて、PCなども手掛けていきたいですね。新しい技術をいち早く取り込んだり、安価で高品質なコストパフォーマンスに優れたりといった液晶ディスプレーで培ったノウハウを、新規カテゴリーでも活かせればと考えています。液晶ディスプレーでは、ゲーミング向けモデルに力を入れていきたいですね。将来的には、ソニーのウォークマンのような、まだ世界にないもの・考えつかないものを、いつか日本から世界へ発信できたらと思っています。「JAPANNEXT」という社名も、そこから来ています。

夢は年商3兆円と語るベッカー氏

 JAPANNEXTがどのような企業なのかわからず、敬遠してた人も多いのではないだろうか。しかし、話をうかがってみると、ベッカー氏はフランス出身ながらも日本で起業し、日本で開発、発売、サポートを行っている日本のメーカーであることがよくわかる。また、ベッカー氏の顧客側に立った物の見方は好感が持て、コストをうまく抑えられる理由も感心させられる。JAPANNEXTの製品は最新機能がいち早く搭載され、しかもそれが業界最安級の価格でリリースされるなど、注目すべき点が多い。今後の動向も要チェックだ。

(提供:株式会社JAPANNEXT)

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