週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

プロクラスのゲーミングディスプレーがお手頃価格に

6万円以下で買える360Hz駆動のゲーミングディスプレーが登場!使い心地を検証してみた

2022年05月29日 11時00分更新

 FPSやTPSといった競技性の高いゲームジャンルにおいて、1フレームでも多く描画し、相手より有利に立ち回りたいというユーザーが増えている。しかし、それを実現するためには、高性能なPCはもちろんのこと、高リフレッシュレートに対応したディスプレーが必要となる。実際、すでにリフレッシュレート120Hzや144Hzに対応したモデルを使用している人も多いのではないだろうか。

 しかし、より良いゲーム環境を追い求める人にとっては、リフレッシュレートは144Hzでも満足いかない場面がある。そのため、200Hzや240Hzといったより高いリフレッシュレートをサポートした製品が、いくつかのメーカーから登場している。

 JAPANNEXTの「X-360」(型番:JN-IPS245FHDR360)も、そうした高リフレッシュレート対応モデルで、業界最高峰の360Hzをサポートした点がトピックとして挙げられる。しかも、リフレッシュレート360Hzの製品は7万円を超えるものがほとんどのなか、X-360は直販価格で5万9980円と格安だ。本製品が果たしてどのような液晶ディスプレーなのか、そのスペックを詳しく見ていきたい。

リフレッシュレート360Hzをサポート
応答速度も1msと非常に高速

JAPANNEXTのリフレッシュレート360Hz対応24.5型フルHDディスプレー「X-360」。直販価格は5万9980円

 X-360は24.5型の液晶ディスプレーで、JAPANNEXTのラインアップではゲーミングモデルに位置付けられる。パネルには光沢のないノングレアタイプを搭載しており、反射によって視認性が悪くなることを防いでいる。

 駆動方式はIPSを採用し、視野角は水平と垂直ともに178度を誇る。横から画面をのぞき込んでも、色ムラは確認できなかった。例えば、リビングに本製品を設置して、複数人でゲームプレイを楽しむといった場面を想定してみて欲しい。その際、横から画面を見ている人もキレイな映像が見られるというわけだ。

 また、IPS方式を採用したことで、400cd/m2という高い輝度を実現。HDR 10にも対応しており、明暗差の階調をより細かく表現可能だ。映像の暗い部分のデティールがつぶれたり、明るい部分が白飛びしたりするのを防ぎ、自然に近い映像を楽しめる。

 実際に画面を見てみると、工場出荷時設定ではかなり輝度が高めな印象を受けた。輝度が高いと目の疲れを懸念する人がいるかもしれないが、X-360では眼精疲労の原因とされるブルーライト軽減機能を搭載し、チラつきを抑えるフリッカーフリーも備えるため抜かりはない。

 X-360が対応する解像度は1920×1080ドットまで。4Kモニターが全盛な昨今、物足りなさを感じる人もいるかもしれない。だが、FPSやTPSのコアなゲーマーは、フレームレートを高めるために解像度を落としてプレイしている人も多い。それゆえ、ゲーミングディスプレーのトレンドは解像度よりもリフレッシュレートや応答速度にこだわる傾向があり、このX-360はそれを踏まえた仕様ということになる。

 ほかの液晶ディスプレーメーカーにも話を伺ったことがあるが、市場のトレンドは4Kといった高解像度モデルよりも、高リフレッシュレート対応製品のほうに人気が集まっているという。つまり、本製品もそのトレンドに即した製品と言ってよさそうだ。

Windowsからディスプレーの詳細設定を見ると、リフレッシュレートがしっかりと360Hzになっているのが確認できる

 冒頭でも述べたように、X-360はリフレッシュレート360Hzをサポートしている。ただし、リフレッシュレート360Hzが利用できるのはDisplayPort接続時のみで、HDMI接続の場合はリフレッシュレートが240Hzとなる点は注意してほしい。

 ちなみに筆者の目では、リフレッシュレートが360Hzの時と240Hzの時、つまり360fpsと240fpsでのゲームプレイに違いを確認することはできなかった。このように、万人が360Hzの恩恵を実感できるわけではないことは留意したいが、「少しでも勝つ確率をあげたい」「プロゲーマーレベルの環境を作りたい」といった人は試してみる価値があるだろう。

OSDの「その他の設定」にあるMPRTを有効にすることで応答速度1msが利用できるようになる

 また、応答速度はMPRTで1msを誇る。MPRTは、Moving Picture Response Timeの略で、実際に液晶パネルに映像を表示し、そこから画像が切り替わる時間を算出したものだ。応答速度にはもう1つGTG(Gray To Gray)というものがあり、こちらは色の切り替わりに要する時間となる。

 つまり、MPRTで1msというのは、ゲームにおいてキャラクターを素早く移動しても、それだけ残像感が少ないということになる。ただ、この応答速度1msを享受するためには、OSDの「その他の設定」から「MPRT」を有効に変更する必要がある。

OSDの画質設定にはシャープネスやノイズリダクションなどが用意されている

 そのほか、AMDのディスプレー同期技術である「FreeSync」にも対応。GPUにRadeonシリーズを使用している場合に限るが、ティアリングやスタッタリングといった画面のカクツキを低減できるのは嬉しいところ。また、OSDには、「シャープネス」や「ノイズリダクション」を始めとした画質を向上させる機能も用意されており、ただ高速なだけではない点は魅力的だ。

 色温度は工場出荷時設定は暖色のようで、OSDから寒色に変更することも可能。ただ、OSDにはノーマル、暖色、寒色と3つ用意されているのだが、ノーマルは寒色設定と大差ないように見て取れた。工場出荷時設定がノーマルではなく暖色なのも、そのあたりが理由なのだろうか。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう