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“ふさぐ”から“ひらく”へ、常時装着の新フィーリング

ソニーが「LinkBuds」発表、ドライバーの真ん中をくりぬいた新感覚イヤホン

2022年02月16日 10時00分更新

 ソニーは2月16日、完全ワイヤレスイヤホンの新製品「LinkBuds WF-N900」を発表した。先週からティザー広告を実施するなどして注目を集めていた。

 「ヘッドホンの再定義」と表現。耳をふさがない新しいリスニングスタイルとソニーの完全ワイヤレス機としては史上最少最軽量の小型サイズをアピールしている。着けていることを忘れるフィーリングを持つ。価格はオープンプライスで、店頭での販売価格は2万3000円程度。ホワイトとグレーの2色展開。

ホワイト

グレー

音体験の多様化によりそう製品

 特徴は振動板の中央がくりぬかれた新開発の直径12mmリングドライバーを採用した点。開放型イヤホンにすることで圧迫感がなく、音楽を聴きながらでも周囲の音を感じ取れる。また、イヤホン装着時でも周囲の人と話せたり、自分の話している声が聞こえるので、ウェブ会議などで使用する際にも違和感なく会話できる。

構造

 振動板は柔らかいポリウレタンフィルムに中央をくりぬいたPET材を貼り付けている。中央に穴が開いてしまうと、空気を振動させる面積が減るので音圧が取りにくいが、ポリウレタン製のやわらかく動きやすい素材にすることでストロークを稼ぎ、電車などで利用しても不満が出ない程度の音圧を出せるようにしているという。原理上、一般的な開放型イヤホンと同程度の音漏れはあるようだ。

中央がくりぬかれたリングドライバー

装着したところ

サポーターは標準を含めて5サイズ

 WF-1000XM4と比較して本体が51%。ケースサイズが26%小型化している。本体重量は4.1g(サポーター含む)だ。本体は環境への配慮という観点では工場から回収した再生プラスチックを使用。包装にはプラスチックを使用せず、パッケージに収める紙なども最小限にしている。

 耳に入れるというよりは耳に乗せるといったほうがいいフィーリングだが、装着性にも配慮しており、シリコン製のフィッティングサポーターを5サイズ同梱する。まずリングドライバーの部分を耳穴の前にある出っ張り(耳珠)に差し込み、その位置が自然に決まるようにフィッティングサポーターで支える。

特徴的な形状

裏側から見たところ、人感センサーなども装備

 イヤホン内には振動センサーが装備されている。イヤホン本体に触れず、ほおやこめかみの下にある骨を2回ないしは3回叩くだけで再生/一時停止などができる「ワイドエリアタップ」に対応する。スマホ操作なしに選曲操作ができる「SpotifyTap」へのクイックアクセス(Headphone Connectでの設定が必要)もが利用できる。小型の本体だが、快適に使える工夫が盛り込まれているのだ。

 通話も重視しており、AI技術(5憶サンプルを超える機械学習)を活用し周囲の騒音を取り除き、声だけを届ける「高精度ボイスピックアップテクノロジー」を採用。静かな場所と騒音のある場所で再生音量を変える新機能「アダプティブボリュームコントロール」、WF-1000XM4と同様に声を発するとイヤホンが自動で会話中であると判断し、音量を下げ、外音取り込みモードにする「スピーク・トゥ・チャット」機能も装備している。

マグネットではなくツメがあり、かっちりと固定できるが、取り外す際の力はほぼかけずに済む

 完全ワイヤレスイヤホンとしてみた場合の基本性能も十分だ。音質面ではWF-1000XM4で新採用した「統合プロセッサーV1」による左右同時伝送や圧縮時に失われる情報を補完する「DSEE」など、ソニー独自の技術を取り入れている。BluetoothコーデックはSBC/AACに対応する。マルチポイント接続には非対応。バッテリー時間は本体のみで5.5時間、ケース充電を併用することで17.5時間の連続再生、10分充電で90分の利用ができる急速充電ができる。本体はIPX4相当の防滴仕様だ。

USB Type-C充電に対応

内部

 また、360 Reality Audioの認定モデルになっており、Sound ARを始めとした立体音響の新しい音体験にも適した製品となっている。LinkBudsはヘッドトラッキングにも対応しており、体や頭を動かしても決まった位置から音が届くので、位置情報に連動して音声や音楽が聞こえてくる「Locatone」のようなアプリとの相性もいい。また、日本語版(iOSのみ)が登場したMicrosoftの3Dオーディオマップアプリ「Soundscape」と連携し、スマートフォンを手に持たずに目的地からの音声を認識するといった使い方もできるという。

AirPods(第3世代)との比較

ソニーからホームエンターテインメント&サウンドプロダクツ事業本部 モバイルプロダクト事業部 事業部長の中村裕氏、同モバイル商品企画部 統括部長の伊藤博史氏が登壇したほか、ゲストとして日本マイクロソフト株式会社執行役員常務エンタープライズ製造事業本部長の渡辺宣彦氏、ナイアンティック代表取締役社長の村井説人氏、スポティファイジャパン代表取締役のトニー・エリソン氏も参加した。

LinkBudsの特徴が分かるプロモーション動画

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