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開放型、骨伝導、再認識されつつある外の音が聞けるイヤホン

2022年04月18日 13時00分更新

 いまや完全ワイヤレスイヤホンの全盛であるが、その音質を高めるためには密閉度を高める必要がある。密閉度を高めなければ、まず低音が漏れてしまい正しい帯域バランスが保てなくなる。また外の音が入ってくるとノイズ成分が増えてしまい、音楽の細かい音が聞こえにくくなってしまう。

 こうしたことからイヤーピースをきちんと耳穴にはめ込んで耳栓型にしたカナル型と呼ばれるイヤフオンが主流なのだが、人によっては耳に入れるタイプのイヤホンを嫌うことがある。完全ワイヤレスイヤホンの多くは外音取り込み機能がついていることも多いが、様々な理由で常に自然に外音が聞こえていた方が良い場合もある。こうした需要は少なからずあるために、耳栓型ではないイヤホンも増えてきている。今回はそうしたイヤホンをいくつか紹介する。

 まずそのデザインと共に話題となった「LinkBuds」(WF-L900)だ。LinkBudsは完全ワイヤレスイヤホンだが、ドライバーユニットをドーナツ型の形状にしているために、中央の穴から外部の音が自由に入ってくる。こうすると通常のフェイスプレートが設けられないので、自分の顔をタップすることでイヤホンに再生停止のコントロールが伝わるという未来的なギミックが採用されるいる点もソニーらしいところだ。

 「Oladance Wearable Stereo」はクラウドファンディングから生まれた様々なユニークな製品の一つだ。これは耳掛け型の完全ワイヤレスイヤホンだが、耳穴にドライバーを入れないで外耳にドライバーを保持しておく方式だ。耳穴に入れないので大きさの制約が少ないため、16.2mmという大口径のダイナミックドライバーを採用している。耳の近くに置く超小型のスピーカーといった方が良いかもしれない。また再生時間も単体で16時間と長時間再生が可能だ。

 骨伝導型のイヤホンは昔からある典型的な開放型のイヤホンだが、最近技術的な向上により音質もよくなってきている。いくつかの製品があるが「Shokz OpenMove」はこうしたタイプでは入手しやすい製品だ。完全ワイヤレスではなく左右一体方式のワイヤレスだが、1万円以下で入手ができる。骨伝導技術は「Unique Melody MEST」のようなハイエンドイヤホンに隠し味的に搭載されるなど、最近注目の技術といえるだろう。

 この他にも「FAUNA オーディオグラス」などもこうしたカテゴリーに含まれる。日本では通勤や通学でイヤホンが主に使われるので密閉型が主流だが、海外では家でイヤホンを使うことも多いので以前から開放型のイヤホンが好まれることも多かった。日本でもコロナ禍による在宅ワークの機会も多くなりこうした製品が注目されているとも言える。またコロナ禍が開ければ開けたで外に出る機会も増え、散歩やランニングの機会にこうしたイヤフオンが注目されていくのではないだろうか。

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