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NoMap カンファレンス2021「事例から学ぶスタートアップが知るべき商標・特許の活用法」

特許、商標、意匠 スタートアップができる知財活動

2022年02月22日 09時00分更新

 特許を取得していなかった失敗事例として、ユナイテッドワールド証券株式会社のケースを紹介。2021年12月に中国株専門のネット証券会社として創業し、3年目で日本全体の中国株の20%を持つほどに成長したが、特許を取っていなかったために、大手・中堅の証券会社に参入され、シェアを奪われてしまった。その経験を生かして、2013年にスマホ証券の株式会社One Tab Buyを設立した際は、サービス開始時から複数の特許を取得。特許は他社の参入を防ぐだけでなく、資金調達にも役立てている。

 知財には、独占、信用、連携の3つの機能がある。模倣の防止やライセンス収入を得るだけでなく、特許があることで技術力の証明になり、資金調達や業務提携などのツールとしても活用できる。ただし、特許は出願から1年6か月後に公開されるので、他社に知られたくないものや、侵害発見が困難なアルゴリズムなどはノウハウとして秘匿したほうがいい。また、独占せずに公開して広く普及させたいケースもあるだろう。闇雲に特許化すればいいわけではなく、技術の特性やビジネスモデルに合わせた戦略を立てることが大事だ。

第2部「特許庁のスタートアップ支援施策」

 スタートアップの企業価値は技術・アイデア(≒知財)に集約されるが、国内のスタートアップコミュニティにおける知財意識はいまだ低い。他方、海外VCや大手企業とのM&Aにおいては知財は重視され、十分な資金調達やEXITを狙うのであれば知財戦略は必須だ。

 特許庁ではスタートアップの知財活動を支援するため、スタートアップ向けの知財ポータルサイト「IP BASE」を通じて情報提供しており、会員向けにメーリングリストの配信や勉強会を実施。また、知財戦略の構築を支援する「知財アクセラレーションプログラムIPAS」、スタートアップのスピード感に対応した「スーパー早期審査」、特許の手数料が3分の1になる減免制度などを提供している。最新の知財情報は、Facebook(@IP BASE)、Twitter(@IP_BASE)でも配信しているのでフォローしておくといいだろう。

 全国47都道府県に設置されているINPIT知財総合支援窓口では、知財に関する悩みや課題を無料で相談できる。

第3部「オープンイノベーションにおける課題について」

 大企業ではオープンイノベーションが推進されるなか、スタートアップが大企業から一方的な契約が求められるなどの問題が起きている。こうした問題を解決するため、公正取引委員会で実態調査を実施。その中間報告によって明らかになったものづくり系スタートアップの実態を踏まえて、経済産業省と特許庁でオープンイノベーションを促進するための「モデル契約書ver1.0」を作成。モデル契約書は、ひな形とは異なり、具体的な契約の場面を想定し、実践的な契約交渉の考え方を記載したもの。現在、新素材素材偏とAI編の2編があり、オープンイノベーションポータルサイトに「秘密保持契約書」、「PoC契約書」、「共同研究開発契約書」、「ライセンス契約書」、「利用契約書」について、それぞれタームシートと交渉のポイントをまとめた解説書が公開されている。興味のある方はチェックしよう。

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