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NoMap カンファレンス2021「事例から学ぶスタートアップが知るべき商標・特許の活用法」

特許、商標、意匠 スタートアップができる知財活動

2022年02月22日 09時00分更新

 特許庁ベンチャー支援班は2021年10月15日、NoMapsカンファレンス2021において、オンラインセミナー「STARTUP CITY SAPPORO Presents 事例から学ぶスタートアップが知るべき商標・特許の活用法」を実施。特許庁ベンチャー支援班の鎌田 哲生氏が登壇し、社名や製品・サービスのネーミングを決める際の注意点、商標や特許の機能と効果的な使い方、スタートアップが知財活動で直面した課題とその対応策について事例を交えながら解説した。

第1部「事例から学ぶスタートアップが知るべき商標・特許の活用法」

 商品の知的財産が無防備なままだと他社から類似商品が出やすく、価格競争を誘発してしまう。知財の管理は他社の参入を防ぎ、市場の優位性の確保に有効だ。例えば、ザ コカ・コーラ カンパニーの飲料水「いろはす」は、薄くやわらかいプラスチックボトルに関する特許権、形状を意匠権、商品名は商標権として登録することで、製品の特長を真似されることを防ぎ、商品の価値を守っている。

 特許の権利は非常に強く、権利を侵害すると、差し止め、損害賠償、信用回復措置、不当利益返還を請求されたり、悪質な場合は刑事罰に問われることもある。

 特許権は、技術的なアイデアを権利として文章化したものであり、この文章をどのように表現するかが強い権利にするためのポイントになる。例えば、断面が円形の鉛筆を転がらないように六角形に改良した発明を「断面六角形の鉛筆」と単純に表現してしまうと、ほかの四角形や五角形などの多角形は含まれない。また楕円や一部を面取りすれば、転がらない鉛筆が作れてしまう。しかし、「転がらない鉛筆」のように漠然としたイメージでは特許にならない。上位概念化して、できるだけ広く、強く、役に立つ権利範囲を考えるのが重要だ。

 企業が押さえておくべき知財は、特許権(発明を20年間独占する権利)、意匠権(デザインを25年間独占する権利)、商標権(ブランドをずっと独占する権利)の3つ。

 商標については、2015年4月から名称だけでなく、音や動きの商標、色彩のみからなる商標、ホログラムの商標も保護対象に含まれるようになった。こうした法改正にも留意しておきたい。

 スタートアップは起業や事業を考えはじめたら、開発前の構想段階で、他人の特許、商標、意匠の権利を調べておくことが重要。リリース後に他社の権利を踏んでいたことが発覚すると、プロダクトの再開発や商品名の見直しをしなくてはならなくなってしまう。商標は特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」を利用すれば無料で調べられるので、事業を始める際には、会社名、商品・サービス名、会社ロゴの商標をしっかりチェックしよう。

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