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札幌・北海道発スタートアップの成長を支援する「STARTUP CITY SAPPORO」

北海道・札幌にアグリテック、バイオ創薬、宇宙ベンチャーが集積する理由

2022年03月29日 08時00分更新

 札幌市は、スタートアップ支援プロジェクト「STARTUP CITY SAPPORO」を展開している。3月18日に開催されたASCIIのビジネス交流イベント「JAPAN INNOVATION DAY 2022 by ASCII STARTUP」ではSTARTUP CITY SAPPOROの事務局がブース出展。プロジェクトの概要、札幌市・北海道ならではの取り組みについて話を聞いた。

アグリテック、バイオ創薬、宇宙ベンチャーが集積する札幌・北海道

 STARTUP CITY SAPPOROは、札幌市が2019年から推進しているスタートアップの育成・発掘プロジェクト。

 2020年7月には札幌・北海道が内閣府のスタートアップ・エコシステム推進拠点都市に採択されたことから、経済産業省北海道敬愛産業局と札幌市が進める「J-Startup HOKKAIDO」、札幌を舞台にしたビジネスコンベンション「NoMaps」、インキュベーション拠点「SAPPORO Incubation Hub DRIVE」、アクセラレーションプログラム「Open Network Lab HOKKAIDO」など、他の支援組織とも連携し、スタートアップの発掘・育成に向けた多角的な取り組みを進めている。

 スタートアップ支援事業として、ウェブサイトでの情報発信、ピッチや勉強会などを通じたコミュニティ形成、相談窓口「SCS café」の開設、起業を目指す学生や社会人向け講座、最大250万円の助成金制度、などさまざま支援プログラムを実施している。

インキュベーション施設「SAPPORO Incubation Hub DRIVE」では、起業相談会やワークショップ、ウェビナーなど多彩なイベントを開催

 市内にあるSAPPORO Incubation Hub DRIVE内に設置された相談窓口「SCS café」では、相談弁護士や会計士などの専門家への無料相談会イベントを定期開催。起業前の会社設立に必要な手続きや事業計画の策定、資金調達、創業後の海外進出まで、スタートアップのあらゆる悩みの相談に乗ってもらえる。

 起業家人材の育成メニューとしては、社会人向けの講座「SCS STARS Incubation Program」、高校生・大学生・高専生など学生向けの起業家教育プログラム「SCS Startup School」、研究人材特化型プログラム「BiZDev」を提供。目的や段階に合わせた複数のプログラムを設けることで、幅広い層の起業人材の育成・発掘、早期の事業化につながるスタートアップ創出の促進を図っている。

SCS Startup School

 支援事業は札幌市や北海道内を拠点とするスタートアップの支援が中心だが、さっぽろ連携中枢都市圏内の12市町村とスタートアップが連携し、地域課題解決を目指すオープンイノベーションプログラム「Local Innovation Challenge HOKKAIDO」では、国内外のスタートアップも広く募集している。2021年度の第2期のプログラムには4件のプロジェクトが採択され、実証実験を予定している。

 北海道のスタートアップの特徴は、北海道の基幹産業である一次産業の課題に着目した事業が数多く生まれていることだ。また十勝南部の大樹町はロケットの射場が整備され、宇宙ベンチャーが集まっている。また、北海道大学を中心に創薬・バイオヘルス分野も活発だ。広大な大地を活かし、事業運転やドローンなどの実証フィールドとして全国から企業やスタートアップをはじめとする先端技術の開発者らが集まっている。

 北海道を拠点とするスタートアップが集積してきたことから、2021年には経済産業省が展開するJ-Startupの地域版、J-Startup HOKKAIDOの認定制度も実施。

 世界進出が期待される有望なスタートップを認定し、企業PRやイベント出展、資金調達、アクセラレーションプログラムへの優先参加、海外展開などの支援を提供している。第3期は7社が選定され、計32社が採択。採択企業はJ-Startup HOKKAIDOの特設ページ(https://startup-city-sapporo.com/j-startup-hokkaido/)に公開されているので、協業してみたいスタートアップがあれば、事務局に問い合わせてみよう。

 

『JAPAN INNOVATION DAY 2022 by ASCII STARTUP』
【会場ブース展示交流会】
2022年3月18日(金)開場 10:00  閉場18:00
■会場
赤坂インターシティコンファレンス
107-0052 東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR 4F(the AIR)
【オンラインセッション配信】
2022年3月11日(金)〜3月17日(木)(土日を除く各日 18:00から1~2セッションを配信)
2022年3月18日(金)(10:00〜17:00を予定、複数セッションをLIVE配信)
■主催:ASCII STARTUP
■協賛:NTTコミュニケーションズ、TIS、D2Garage、玉川大学先進教育デザイン研究室
■協力:京都リサーチパーク、大阪イノベーションハブ、Fukuoka Growth Next、オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会(JOIC)、イベントレジスト、formrun、Peatix Japan
■同時開催:IPナレッジカンファレンス for Startup(特許庁)
■出展:NTTコミュニケーションズ、TIS、D2Garage、玉川大学先進教育デザイン研究室、TradFit、ABABA、Acculus、AFUR、AnchorZ、ARDe、AsMama、Catalu JAPAN、cotobox、Engineerforce、Hexabase、Hogetic Lab、Insight Tech、KINCHAKU、Medifellow、pickupon、PLEN Robotics、SandBox、Spacial、yuni、ZAICO、アドリブ、エイシング、エクストリームーD、エバーブルーテクノロジーズ、エフィシエント、ケップル、クォンタムオペレーション、コグニティ、テトラ・アビエーション、シェアウィズ、シーエス・ワークス、シナスタジア、バカン、パルケ、ヒュービシステム研究所、ミツカリ、モーションリブ、モノコトデザイン、オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会(JOIC)

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