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GeForce RTX 3060を採用した試用機材で検証

第12世代Core搭載ミニタワーPC「Radiant VX3100B660/D4」の性能を定番ベンチでチェック!

2022年01月31日 14時00分更新

 Alder Lake-Sこと、デスクトップPC向け第12世代インテルCoreプロセッサー(以下、第12世代Core)を搭載したサイコムのミニタワーPC「Radiant VX3100B660/D4」。最小構成(Core i3-12100選択時)であれば、9万円台から購入可能というコストパフォーマンスの高さはもちろん、カスタマイズ性の高さから自分好みの1台にスペックアップしやすい点が魅力の1台だ。

サイコムのミニタワーPC「Radiant VX3100B660/D4」。標準構成の直販価格は10万3700円~(配送料込み)

Radiant VX3100B660/D4のスペック
標準構成の主なスペック 試用機の主なスペック
CPU インテル「Core i5-12400」(6コア/12スレッド、最大4.4GHz)
CPUクーラー インテル「Laminar RM1 クーラー」(Core i5-12400付属)
マザーボード ASUS「PRIME B660M-AJ D4」(インテルB660、Micro-ATX)
メモリー 8GB、DDR4-3200 8GB×2、DDR4-3200
ストレージ Crucial「BX500 CT480BX500SSD1」(480GB 2.5インチSSD、SATA 3.0、システムドライブ) インテル「SSD 670p Series SSDPEKNU512GZ」(512GB M.2 SSD、PCIe 3.0、システムドライブ)
グラフィックス インテルUHDグラフィックス730 GeForce RTX 3060、12GB GDDR6
光学ドライブ ASUS「DRW-24D5MT」(DVDスーパーマルチ、SATA)
電源ユニット Silver Stone「SST-ET550-B」(650W、80 PLUS BRONZE)
PCケース Fractal Design「CORE 1550S Black」(Micro-ATX、ミニタワー)
OS Microsoft「Windows 10 Home 64bit」 Microsoft「Windows 11 Home 64bit」

 ハード面での魅力は前回お伝えしたが、今回は定番ベンチマークソフトを使ってその性能をチェックしていこう。試用した構成はCPUにCore i5-12400、ビデオカードにGeForce RTX 3060搭載モデルを採用し、ミドルクラスのゲーミングPC相当となっている。Radiant VX3100B660/D4がカスタマイズ次第でどんなPCにも化ける、という好例だ。

「PCMark 10」で総合性能をチェック

 まずは総合性能を見る「PCMark 10」を試してみよう。このベンチマークソフトは一般的なPC利用を想定し、多くのアプリを実行。その性能から総合スコアーを算出してくれる。つまり、このスコアーが高ければ高いほど、高性能なPCとなる。また、CPUにメモリー、ストレージなどの性能がそれぞれ重要になるので、そのPCが備える総合的な性能を判断するテストとして都合が良い。

 今回は定番の「Standard」テストを実行した。テスト内容はアプリの起動速度やビデオ会議、ブラウジングの速度といった一般用途を想定した「Essentials」、表計算やワープロなどのビジネス一般を扱う「Productivity」、写真や動画編集、レンダリングといったクリエイティブ用途の「Digital Content Creation」の3つ。総合スコアーのほか、各グループのスコアーも掲載する。

 

「PCMark 10」の総合スコアーは7195。7000スコアー超えはミドルクラスPCとしてはやや高めとなる

 結果は総合スコアーで7195。ミドルクラスPCは7000前後のスコアーになることが多く、期待してたよりもやや高めのスコアーとなった。3つのサブスコアーは飛び抜けた成績ではなかったものの、バランスは良さげだ。ゲームに限らず、仕事から趣味まで幅広い用途で活躍できる実力があることを示している。この試用モデルは何に使うにしても特段遅いと感じない万能な構成だとよくわかる結果になった。

 また、空冷の純正クーラーを使っていることから、高負荷時の騒音がどうなるのか心配していた。しかし、気になるほどの騒音はなく、どちらかと言えば静かな部類だった。見た目が大きく変わったCPUクーラーだが、冷却性能や静音性はしっかりとしているようだ。

新デザインの純正CPUクーラー。吹き付けの空冷という点は同じだが、冷却性能は十分で騒音は小さめだった

CPU性能を「CINEBENCH R23」と「3DMark」で確認

 CPU性能については前回「CINEBENCH R23」の結果を紹介しているが、もう一度軽くおさらいしておこう。比較対象は1世代前のCPUを搭載するPCだ。同クラスのCore i5-11400(6コア/12スレッド)搭載PCのスコアーはMulti Coreが10355pts、Single Coreが1409pts。上位クラスとなるCore i7-11700(8コア/16スレッド)搭載PCのスコアーはMulti Coreが13542pts、Single Coreが1553ptsだ。対して、Core i5-12400を採用しているRadiant VX3100B660/D4のスコアーはMulti Coreが12299pts、Single Coreが1705ptsだった。

Radiant VX3100B660/D4の結果はMulti Coreが12299pts、Single Coreが1705pts。特にSingle Coreのスコアーが高い

 Multi CoreのスコアーはちょうどCore i5-11400とCore i7-11700の中間といったところ。しかし、Single Coreの性能はCore i7-11700を大きく上回っており、マルチスレッドをあまり得意としていない分野でも性能向上が見込める結果と言える。例えば、ゲームだ。もちろん多くのゲームはマルチスレッドに対応しているものの、8スレッドもあればほとんどのタイトルでは足りてしまう。そのため、ミドルクラス以上のCPUであれば、シングルコア性能の高さが重要と言われている。

 では次に、ゲームで重要な3D系ベンチマークの定番ソフト「3DMark」でCPU性能を比べてみよう。使用したテストはDirectX 12ベースの「Time Spy」。総合スコアーだけではなく、「Graphics score」や「CPU score」とった個別のスコアーにも注目したい。この数値を過去データと比べてみよう。

「3DMark」の「Time Spy」テストの結果。総合スコアーは8681、Graphics scoreが8569で、CPU scoreは9378だった

 過去データを探したところ、GPUに同じGeForce RTX 3060、CPUにCore i7-11700を搭載したPCの結果があったので、こちらと比較してみよう。ただし、OSやメモリー構成などが異なるので厳密な比較ではない。そのため、参考程度のデータと考えてほしい。

 そのPCの結果はGraphics scoreが8565、CPU scoreが10364、そして総合スコアーは8793だった。それに対して、Radiant VX3100B660/D4はGraphics scoreが8569でほぼ同等、CPU scoreは9378と若干及ばず、総合スコアーは8681とわずか112スコアー差。これはかなりいい勝負と言える。

 Core i5-12400はEコアがないぶん、第12世代Coreの上位モデルと比べると性能は見劣りしてしまうものの、ミドルクラスCPUとしては正統進化と言える性能向上が期待できる。そして、ゲームにおいては前モデルの上位CPUに食い込むほどの実力があると言えそうだ。

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