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ABTオンのみならず、OCを含め、Core i9-11900Kの性能を引出したい方が選びたいマザーボード

Core i9-11900Kのベンチマークテストでわかった、MEG Z590 ACEはさすがハイエンドモデルと呼ぶべき確かな設計

2021年04月08日 11時30分更新

文● 石川ひさよし
提供: エムエスアイコンピュータージャパン

8コアのCore i9-11900KがABTオンで10コアのCore i9-10900Kに並ぶ

 検証環境はmsi×intelの評価キットに、メモリ、SSD、ビデオカード、電源を加えている。ABTを含め、重要な点として電源には80PLUS PLATINUMの1200Wモデルを用意した。一方、ほかのパーツはあり物で済ませたので少々古めだ。ビデオカードはGeForce GTX 1070、SSDはPCI Express Gen3 x2。昨今、ビデオカードの入手が難しい状況になっているが、ビデオカードの買い換え時に悩んでいる方が、ならば今CPUやマザーボードなどシステム側を更新したらどうかといったデータになるだろう。

検証環境
CPU Core i9-11900K
マザーボード MSI MEG Z590 ACE
メモリ DDR4-3200 8GB×2
SSD Intel Optane SSD P800(118GB)
ビデオカード GeForce GTX 1070
CPUクーラー MPG CORELIQUID K360(360クラス簡易水冷)
電源 1200W(80PLUS PLATINUM)
OS Windows 10 Pro 64bit

 まずCINEBENCH R23を見てみよう。ABTオン時はマルチコアが16449、シングルコアが1619、ABTオフ時はマルチコアが15519、シングルコアが1603となった。どちらもABTオン時のほうが高スコアだが、シングルコア側は誤差の範囲だろう。マルチコア側は930ポイント向上しており、ABTが有効に効いていることを表わしている。なお、過去に計測したCore i9-10900Kのスコアと照らし合わせると、ABTオフではまだ到達できないが、ABTオンではほぼ横並びになる。2コア4スレッド少ないCore i9-11900KがIPC向上とブーストクロックによって10コア20スレッドの前世代CPU相当の性能を引出したということだ。

 ではABTはどのような動作だろうか。CINEBENCH R23のマルチコアテストをHWiNFO64から確認してみると、ABTオン時は全コア5.1GHz動作、ABTオフ時は全コア4.8GHz動作だった(Intelの資料どおりの動作)。930ポイントの向上をもたらしたのは300MHzのブーストというわけだ。

CINEBENCH R23スコア
ABTオン ABTオフ
Multi Core 16449 15519
Single Core 1619 1603

 続いてPCMark 10 Extended。OverallはABTオフ時が8952、ABTオン時が9057。ABTオン時のほうがよいように見える。ただし内訳を見ると有効なテストとあまり効果が得られないテストがある。

PCMark 10 Extendedスコア
ABTオン ABTオフ
Overall 9057 8952
Essentials 11215 11136
App Start-up 16915 16943
Video Conferencing 7890 7814
Web Browsing 10570 10431
Productivity 10997 10985
Spreadsheets 13812 13790
Writing 8757 8751
Digital Content Creation 10482 10184
Photo Editing 11372 10762
Rendering and Visualization 15190 14803
Video Editing 6669 6630
Gaming 14067 13931
Graphics score 18091 18005
Physics score 30162 28445
Combined score 7781 7732

 PCMark 10はマルチスレッドテストであるが、CINEBENCH R23のマルチコアテストのようにCPUスレッドを100%使い切るようなものではない。効果が高そうなのはDigital Content Creation(DCC)のようなシナリオとゲーミングだ。DCCシナリオには3つのテストがあるが、どれもABTオンのほうが高スコアだ。GamingシナリオはCPUテスト的なPhysicsテストでABTオン時が大差を付けているほか、Graphicsテストも少しABTオンの効果があるように見える。また、Essentialsのようなホーム用途も、多少は効果があるように見える。ただし、Productivityシナリオに関しては明確と言えるほどのスコア差が出なかった。

 ここからは常にABTオンとして検証していこう。まずは3DMark。

3DMarkスコア
Time Spy 6633
Fire Strike 17147
Night Raid 53673
Wild Life 41643
Port Royal 1350

 3DMarkは主にGPU性能のテストだが、CPUテストもあり高性能なCPUであるほどスコアは向上する。GPUがGeForce GTX 1070なのでスコア自体は平凡だが、フルHDゲーミングするには問題ないスコアと言えるだろう。

 ほか、ASSASSINS CREED VALHALLAのフルHD、最高画質は平均77fps(低位1%50fps)、Tom Clancy's Rainbow Six SiegeもフルHD、最高画質で260fps(最低195fps)。このあたりは旧世代ハイエンドGPUを搭載するPCで、CPUを最新世代へと換装した際の目安としていただきたい。

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