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AMD Ryzenで自作PCを組むなら高品質パーツを使用したマザーを選ぼう

「大人向け!?」の漆黒マザーボード MSI「MEG B550 UNIFY」

2021年01月23日 11時00分更新

文● 石川ひさよし
提供: エムエスアイコンピュータージャパン

ハイエンドならではの機能美

 デザインはこのとおり。では性能はどうだろうか。ヒートシンクは大きさ=冷却性能だ。マザーボードで一般的にVRMと呼ばれる回路は+12VからCPUそのほか各部が必要な電圧・電流を供給している。消費電力が大きい昨今のハイエンドCPUではVRMが発する熱量も大きくなりがちだ。

 MEG B550 UNIFYは一般的なVRMヒートシンクよりも大型だ。フィンタイプのものよりは放熱効率が小さいと思われるが、ソリッドタイプのものとしては最大級と言ってよい。しかもCPUソケット左側と上側の2つをヒートパイプで結んでひとつの超大型ヒートシンクとして利用している。

表はフラットでも側面は多くのミゾを刻んで放熱面積を大きくしている

 実際、CINEBENCH R23のようなCPU負荷が高いベンチマークを10分間実行しても、室温21℃、バラック時で表面温度は29℃までしか上昇しなかった。そして、左側、上側ともほぼ同じ温度で差は1℃程度。ヒートパイプによる熱の分散も機能しているようだ。

裏面にも小ぶりのヒートシンクを搭載

 また、M.2ヒートシンクも一般的な製品とは異なる。通常、M.2ヒートシンクはアルミ製で、裏に熱伝導パッドが貼られてM.2 SSDの表面から熱を吸い上げる。MEG B550 UNIFYではM.2 SSDの表面は当然、裏面にもヒートシンクと熱伝導パッドを用意しており両面から放熱を行なえる。PCI Express Gen4対応のM.2 SSDはコントローラチップ、NANDチップともに発熱が大きいが、両面から冷やすことでサーマルスロットリングの発生を抑え、性能を引き出すことが可能だ。

M.2スロットは両面にヒートシンクと熱伝導パッドを装備

 こちらもCrystalDiskMarkの9回ループで検証してみたが、ヒートシンク表面は最大で31.5℃(室温は先と同じ)に収まっていた(Optane SSD 800p使用時)。

 デザインで特徴に挙げたヒートシンクはともに、冷却性能でもハイエンドらしい優れた性能を示している。つまり「機能美」を実現していると言えるだろう。

ハイエンドである意義

 つづいて、MEG B550 UNIFYがハイエンドであることの意義にも触れておこう。たとえばLED非搭載を目的とするならばスタンダードマザーボードでもよい。ただし、クリアサイドパネルのケースと組み合わせるならば見た目にもこだわりたい。MEG B550 UNIFYのようなひとつの色に統一したような見た目は、スタンダードマザーボードでは望めない。

 また、ゲームを目的としたりするならばそれなりの電源設計が必要だ。スタンダードマザーボードは、ごく一般的なPCの使い方、事務用途や家庭用途を想定した設計だ。一般的な負荷の範囲で用いる分には問題なく、もちろん高負荷にも耐えられる。しかし、半導体の寿命は使用環境の温度に左右される。ゲームのように常に高い負荷が長時間続く場合、スタンダードマザーボードの設計では劣化が急速に進むことが考えられる。

 ハイエンドはミドルレンジよりも、ミドルレンジはスタンダードよりも、フェーズ数が多い。1フェーズあたりの負荷を下げて劣化の進行を抑えている。また、同様にハイエンドほど高耐久・高効率の部品を用いている。元の耐久性が高ければマージンが大きく、効率が高い分発熱が小さく劣化の進行を遅くしてくれる。

14+2フェーズ構成で長時間駆動の安定性が高い

電源回路に用いる部品も高耐久、高効率

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