TITAN RTX&RTX 3080と頂上対決!
検証環境はRTX 3080 FEレビューと共通だが、ビデオカードはRTX 3090 FEを筆頭に、TITAN RTXとRTX 3080 FEの3本で比較する。ドライバーはRTX 3080リリースと同時に配布されたGame Readyドライバーの最新版(456.38)で統一(珍しいことに、今回RTX 3090ではドライバー更新がなかった)し、RTX 3080 FEもこれに合わせて前回のレビュー時からデータをすべて取り直している。
また、今回は8K環境を想定したテストも実施したが、8Kテレビが物理的に設置できる環境ではないため、4Kディスプレー環境下で「DSR」(Dynamic Super Resolution)を有効にし、擬似的に8K環境を作り出して検証している。スケーリング処理が入るため、8Kネイティブ時よりも若干性能は低下するが、NVIDIAによれば性能差は5%程度とのことなので、8Kネイティブ時に近い結果であることを頭の隅に置いて読み進めていただきたい。
検証環境 | |
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CPU | AMD「Ryzen 9 3950X」(16C/32T、3.5~4.7GHz) |
CPUクーラー | Corsair「iCUE H115i RGB PRO XT」(簡易水冷、280mmラジエーター) |
マザーボード | GIGABYTE「X570 AORUS MASTER」(AMD X570、BIOS F22) |
メモリー | G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」(DDR4-3200、16GB×2)×2 |
グラフィックス | NVIDIA「GeForce RTX 3090 Founders Edition」、NVIDIA「TITAN RTX」、NVIDIA「GeForce RTX 3080 Founders Edition」 |
ストレージ | GIGABYTE「AORUS GP-ASM2NE6200TTTD」(NVMe M.2 SSD、2TB)、Corsair「Force Series MP600 CSSD-F1000GBMP600」(NVMe M.2 SSD、1TB) |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX Platinum 2000W」(80PLUS PLATINUM、2000W) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(May 2020 Update) |
TITAN RTXは圧倒するがRTX 3080とは僅差
手始めに「3DMark」で全体の傾向を見てみよう。すでにRTX 3080 FEレビュー時で明らかになった通り、もう「Fire Strike」では劇的なスコアーアップが期待できないので、それ以外のスコアーに注目してほしい。
RTX 3090 FEはTITAN RTXに対しては最大42%上のスコアーを示したが、負荷の軽すぎるFire Strikeではわずか17%上回ったにすぎない。同様に、RTX 3080 FEに対しては最大15%上回ったが、Fire Strikeでは5%しか増えていない。Ampereになり、CUDAコアが激増してキャッシュまわりも改善したこと、GDDR6Xの採用でメモリー帯域も増えたことなどがTITAN RTXに対するRTX 3090 FEの強さの秘密だ。しかし、CUDAコア数的に2000基も離れていないRTX 3080 FEを大きく引き離すにはいたっていないと言える。
では、ここでシステム全体の消費電力をチェックする。計測はラトックシステム製「RS-WFWATTCH1」を使用し、システム起動10分後(アイドル時)、3DMarkの「Time Spy」デモ実行中の最大値(高負荷時)、さらにゲーム「Control」をプレイ状態で放置した時の安定値(ゲーム中)の3つの値を取得した。
グラフ中の「Time Spy/W」は、Time Spyのスコアーを高負荷時の消費電力で割った、かなりざっくりとしたワットパフォーマンスだ。ちなみに、消費電力計は小数点以下第3位まで算出できるが、高負荷時とゲーム中の消費電力は変動が激しいため、小数点以下切り捨てとしている。
TBP 320WのRTX 3080 FE環境ですらゲーム中で480W弱なのだから、TBP 350WのRTX 3090 FE環境で500Wを超えるのは当然の話だ。CPUの使い方はゲームによって異なるのでこれ以上になる可能性も十分考えられるが、1000W級の電源ユニットが欲しいという話は、電源ユニットの変換効率の美味しい部分(全体容量の半分付近)を使うためでもあるのだ。
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