現行世代最強のGPUを699ドルで超えてきたRTX 3080
Titanの後釜はRTX 3090!?Ampereで驚愕の性能向上を果たしたGeForce RTX 30シリーズ発表会を振り返る
2020年9月2日午前1時、NVIDIAはTwitch.tvやYouTubeなどでオンライン発表会「GeForce Special Event」を開催。CEOのジェンスン・ファン氏が登壇し、様々な発表を行なった。これまで同社はリアルなゲームイベント(Gamescomなど)に合わせて発表会を実施するのが通例だったが、ソーシャル・ディスタンスをとるという昨今の社会情勢の変化を受け、オンライン限定のイベントとなったわけである。
すでにジサトライッペイ氏が速報を上げているように、今回の目玉は「Ampere」こと「GeForce RTX 30シリーズ」である。具体的にはGeForce RTX 3070/3080/3090の3モデルが発表された。
このGeForce Special Eventはジェンスン・ファン氏がもの凄い勢いでしゃべり倒す内容の濃い40分弱のセッションとなった。本稿ではこのイベントで何が発表されたのか、要点をかいつまんでお届けしたい。新GeForceに対する技術的なハイライトに関しては、詳細な資料が届き次第、「続報」という形でお届けすることとする。
ビッグニュースが前菜として提供される
本題のGeForce RTX 30シリーズの概要に入る前説の段階でもビッグニュースが相次いだ。まず、昨今なにかと話題の「Fortnite」のDXR(レイトレーシング)及びDLSS 2.0への対応。レイトレーシングはFortniteでガチバトルをやりたい人の中にとってはあまり嬉しくない機能だと思う方もいるかもしれないが、建築系や同ゲームの世界観を下地にした動画制作をやっている人だと映像クオリティーが上がるため、かなり魅力的な機能追加と言えそうだ。一方、DLSS 2.0はフレームレートの向上が期待できるため、どんなユーザーにも歓迎されそうなアップデートになりそうだ(ただし、解像度がある程度高くないと効かない可能性もある)。
ニュースの2つ目は、FPSゲーマーに響きそうな“レイテンシーの削減”に対してNVIDIAはアクションを起こしている、という話。すでにNVIDIAは「NULL」(NVIDIA Ultra Low Latency)なる“低遅延モード”をドライバーに組み込んでいるが、今回は「NVIDIA REFLEX」という名称で低遅延モードを再定義したようだ。これが既存のNULLと同じものなのか、強化されたものなのかまでは明かされなかったが、競技性の高いゲームをプレイする人は要注目だろう。
そして、配信やビデオ会議に対する強力なソリューションになりそうな「NVIDIA BROADCAST」も発表。AIを利用して背景除去/置換やフェイストラッキングによる自動リフレームに加え、音声のノイズキャンセラーまで搭載している代物だ。すでにベータ版として提供されていたRTX Voiceは、このNVIDIA BROADCASTに組み込むことを前提にしたものだったのだ。
NVIDIA BROADCASTのコア部分は2019年に「RTX Broadcast Engine」として公開され、デベロッパーはSDKにもアクセスできるようになっていた。今回はこれを一般ユーザーが使えるようにパッケージングして提供した、というわけだ。
このNVIDIA BROADCASTはすべてのRTX GPUで動作し、9月中に提供される模様だ。ただし、RTX VoiceのようにGTXシリーズでも動作するかは今後の検証を待つ必要があるだろう。
そのほか、ゲームのクリエイター向けに「NVIDIA OMNIVERSE MACHINIMA」も発表。ただし、これに関しては開発者向けの情報で、筆者の知識ではピンと来る部分がなかったので解説は見送りたい。
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