2月に開催された、全長約17センチの京商製1/27RCカー『MINI-Z Racer』の日本一決定戦『KYOSHO MINI-Z CUP 2014 THE FINAL』のプレス対抗レースに週アスチームとして弟子のライター井筒氏を送り込み、なんとか3位表彰台をゲットする事に成功した俺。
だが、監督として観ているだけのラジコンレースにフラストレーションは積もる一方。俺は生涯ラジコン現役なんだよ! と、そんなイラついた俺の姿を見かねたのか、京商広報の矢嶋氏が声をかけてきてくれました。
「アカザーさん、ご相談なんですが4月に横浜赤レンガの特設コースでもプレスカップを開催しますので、ご参加いただけませんか?」
マジすか!マジすか!参加しますよ!しますとも! とふたつ返事でOK! そしてひと月後。以下のようなメールが届きました。
お世話になります。京商 矢嶋です。さて、4月4日(土)、5日(日)で京商トロフィー2014年のチャンピオンシップが横浜赤レンガで開催されます。5日(日)には、媒体対抗レースを京商EPバギーで開催します。こちらは2015年の京商トロフィーに新設するEPバギークラスのご紹介的な要素も兼ねていますので、赤澤さんご参加いかがでしょうか?
参加可能な車種は以下の6種類です。
●サンドマスターシリーズ
●ネクストシリーズ
●アックスシリーズ
●ダートフォグ
●スコーピオン
●ビートル
ご希望の車種をお送り致しますので、ご検討くださいませ。
ちなみに京商トロフィーはこんなレース。
ほうほう、今回のプレスカップは来期の新設EPバギークラスの紹介レースも兼ねているんすね。という訳で、さっそく参加可能な6車種を京商のウェブページでチェック! 希望車種を矢嶋さんにメールして待つこと約1週間。
キター!
■まずはレース前のマシン整備
6車種のなかから俺がチョイスしたのは、1/10 電動R/C 4WDレーシングバギー『EP FAZER ダートホグ T2グリーン KT-200送信機付』(2万8500円)。プロポもバッテリーもついたレディセットだYO!
俺がコイツをチョイスした最大の理由は、参加可能な6車種のなかでこのマシンのみが4WDだったこと! バギーによるレースなので、当然コースにはジャンプ台の設置が予想される。そして、そのジャンプセクションでは4WDのほうが圧倒的に有利なのだ!(たぶん) ただし、2WDに比べて車重は重くなるので、どの車種よりもバッテリー消費は激しいというデメリットも。
さっそく自宅に持ち帰って、レースに向けて整備開始! もちろん整備などせずにバッテリーを充電するだけでバッチリ走るのだが、レースにはアクシデントがつきもの。クラッシュなどでマシンが壊れた際に冷静に対処する為にも、マシンの構造を知っておく必要があるのだ。
説明書によれば、このマシンはニッカド、ニッケル水素に加えて、ハイパワーなLi-poバッテリーまで使用可能らしい。ということはそれだけのパワーを受け止められるポテンシャルを秘めたシャシーってこと。やはり俺のチョイスは間違っていなかったぜ!
まずはアンプのジャンパーピン設定を、出荷時の“バック有り”から“バック無し”へと変更。こうすることで、バック用のチップを前進に使うことが可能となり、よりパワーが出せるのだ! え? クラッシュした時にはバックが必要じゃないかって? フッ、俺の辞書に後退の2文字はないのだよ! クラッシュした時の為に、レース当日はマーシャルの人に愛想をふりまくのみ! レースは走る前から始まっているってやつさ。
では、マシンをバラして行きますよ~。まずはタイヤを外して、と。このダートホグは防水仕様なので、受信機やサーボは密閉されています。
さらにギアボックスも開封。
レースではパワーのロスを最小限に抑えたいので、ギアデフを取り出し余分なグリスをふきとります。ボールベアリングにはクリーナースプレーをかけて中の重いグリスを溶かし出し、軽いオイルを注油しておきます。こうすることで、駆動ロスを極力抑える作戦です。
そしてギアを元の位置へセット。このときに各ギアがスムーズに回るかチェックします。昔のラジコンはプラスチックパーツの精度に誤差があり、ボールベアリングの受けなどを削らないと動きがシブイこともあったんですが、さすがに最新のシャシーではそういうことはないですね。なのでそのまま組んじゃいます。
お次は、ダンパーのメンテナンス。ジャンプ台があるとはいえ、レースはほぼフラットなコースなので、オイルは固いものに変更。手元に京商のシリコンオイルの600番があったので、とりあえずコレを入れときます。
そして、最後に今回の秘策であるピニオン交換によるハイギヤード化! とりあえず、入りそうなので一番でかいピニオン35Tに交換! ノーマルが28Tなので、トップスピードは相当稼げるハズ! 燃費とかは関係ねぇ! ぶっちぎりあるのみ!
これでレースの準備は万端! 唯一、試走してないことだけが心残り(笑)。まぁ俺が整備したのできっと大丈夫なハズ!
■土砂降りの雨の中はじめてのレインレース
そして迎えたレース当日。
会場の横浜赤煉レンガ特設サーキットは生憎の曇り空。天気予報での降水確率は60パーセント。
展示されていたGT300の車両も、どこが元気が無く見えるのは気のせいでしょうか?
せめてレースが終わるまでは降らないでくれよ~と願いつつ、ピット設営に入ります。ボディとプロポに週アス&週アスPLUSステッカーをぺたり。
コースにはジャンプ台の設営は無く、お椀をおいたセクションだけとの情報を入手したので、ダンパースペーサーを抜き車高を約2センチまで下げます。
ほどなくして開会式が始まりました。京商の鈴木明久代表取締役社長が開会のご挨拶。どうやら京商が取り扱っているパロット社の『BeBbop Drone』で面白いイベントを考えているようですよ。社長!FPVドローンレースとかやりたいっす!
開会の挨拶が終わったところで、京商トロフィーの参加者全員で記念撮影。
プレスカップに参加するのは12媒体から14台。
レースは1回の練習走行と、2回の予選、1回の決勝レースで争われる・・・・・・予定だったんですが、開会式が終わってほどなくして雨が降り出しました。これにより、京商トロフィーの電動クラスは開催中止。比較的雨に強いエンジンカークラスのみが開催されることに。
プレスカップも電動クラスなので中止かと思われたんですが、なんと開催するとのこと。さすが防水対策が施された電動バギー! 小雨程度どうということはないぜ!
しかしながら、レーススケジュールは大幅に短縮。練習走行1回、予選1回、決勝1回の3回のみの走行に。
まずは練習走行。とりあえずコースを覚えるためにゆっくりと走らせます。うーん、何か加速が悪いような感じがするけど、こんなもんなのか? はじめて走るので良くわかりません。(笑)
そして、続けざまに予選開始。予選は1週のベストラップで決勝のグリッドが決まります。雨脚が強くなってきたんで、ドライバーはプロポをビニール袋に包んでの走行です。
路面もかなり濡れてきて、スリッピーで難しいコンディション。ですが、参加者のなかにひとりだけほくそ笑む男が。
そう俺です!
この雨のスリッピーな路面こそ、わが4WDマシンの独壇場よ! ベストラップいただくぜ~! てな感じでウハウハ走り出したのもつかの間。あれ? あれ? 全然スピードが出ない!? 結局2周してピットイン。予選結果は9位に終わりました。
■マシントラブルを友情パワーで克服!
幸いにも決勝レースまでは1時間以上あるので、ピットでマシンチェック開始。一般クラスに参加していたエキスパートドライバーである友人の見立てでは、ピニオン周りが怪しいのではとのこと? さっそくバラして確認してみたところ・・・・・・。
ピニオンがちゃんと噛んでおらず、スパーギアをなめていました。これじゃあ加速が悪くてあたりまえ。ていうか誰だよ、こんなクソ整備しやがった奴は!>俺です。
しかし、数周しか走らなかったので幸いにもスパーギアのダメージは軽く、出たバリをカッターで削るだけでいけそう。
さらに友人から、使っている35Tのピニオンだと2800mAhのバッテリーだと最後まで持たないので、ピニオンを下げたほうがいいとのアドバイスが。さっそくピニオンを32Tに変更し、ラジコン仲間の友情パワーで俺のダートホグ完全復活! 福島さんありがとうございました!
マシンの修復が終わってほっとした俺は、エキスパート達のエンジンカーバトルを観戦したり。
Bebop Droneのデモを観たり。
ラジコンジャンク市で散在したりと、京商トロフィーというお祭りイベントを堪能しまくり。
そんなことをして油を売ってたら、あっという間にプレスカップ決勝レースの時間に。
さあやったるでぇ~!
【京商トロフィー2014プレスカップ】
予選を失敗して9番グリッドからのスタートでしたが、4WDというアドバンテージを活かしてトップゴール! 動画では楽勝レースに見えますが、後半はバッテリーが切れて止まらないかと内心ヒヤヒヤの8分間でした。
2位は2月のミニッツカップファイナルのプレスレースで、我が弟子井筒氏を下して優勝したグッズプレスの大竹選手でした。
ちなみに2位の大竹選手が使ったマシンは2WDの『サンドマスター レーシングミク 2014バージョン レディセット』(2万5800円)。3位のRC WORLDきゃめりん林選手が使ったのも2WDの『AXXE (アックス) レディセット』(1万9800円)。そして俺が使ったのは4WDの『EP FAZER ダートホグ』(2万8500円)でした。
5月から始まる2015年シーズン京商カップの新設クラス『EPバギークラス』に出場を検討中の方は、この3台のなかからマシンを選ぶのが優勝への近道かもしれません。 新設クラスは初心者にもチャンスありますよ~!
●京商(外部リンク)
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