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祝 Macintosh 30周年!! 短命だった040搭載のPowerBook 500シリーズ|Mac

2014年03月04日 18時15分更新

 1984年1月24日に初代Macintoshが誕生して2014年で30周年。MacPeople編集部では短期集中連載として、初代Macから最新のMac Proまでに盛り込まれたテクノロジーについてひも解いていきます。今回からはこれまで取り上げてこなかったノート型マシンを紹介します。

 ノート型マシンとして5回目に紹介するのは、PowerBook 500シリーズです。Macとしては68Kで最高性能となる68040(68LC040)を搭載するシリーズでした。実はこのシリーズはかなり短命で、翌年に登場するPowerPC搭載の5300シリーズに置き換わることになります。

 ただし、日本国内ではこのシリーズの人気が高かったようで、ボディーデザインも異なる550cが日本だけで投入されるなどの動きもありました。この550cは、FPU搭載の68040を採用するなど、当時のユーザーの憧れでした。

Macintosh PowerBook 500シリーズ
(520/520c /540/540c /550c)

 メインストリームのマシンとしてPowerBook 100シリーズの後を継いだのが、この500シリーズだった。ただ残念なことに、PowerPCが登場するまでの場つなぎ的な短命のシリーズとなってしまった。

PowerBook 500
68LC040を搭載したPowerBook 540c。cが付くモデルはカラー液晶を搭載していた

短かった68040時代のメインモデル

 PowerBook500シリーズには、型番の数字で言えば520/540/550の3種類しかなく、全部を合わせても発売期間は2年にも満たないため、当時を知るユーザーにとっても印象の薄いマシンかもしれない。しかし、それ以降のモデルでは途絶えてしまった機能を含み、PowerBookとして初めて実現したことも多い。その緩やかな曲線を帯びた優雅なボディーデザインとともに、ある種の異彩を放つモデルとなっている。

 PowerBook500シリーズの最初のモデルである520と540は、それぞれカラー液晶パネルを搭載した520c/540cとともに、1994年5月に発売された。520と540の大きな違いの1つは、CPUのクロック周波数で、前者が25MH z、後者が33MH zだった。いずれもFPUを含まない68LC040を採用していた。

 520/540とも、型番に「c」の付かないモデルは、解像度が640×480ドットのグレースケール液晶パネルを採用していた。縦のドット数が全面的に480になったのも、500シリーズが最初だった。520は1ドットあたり4ビットで16階調しか表示できなかったのに対し、540は6ビットで64階調を表示できた。また、520の液晶パネルは、パッシブマトリクス方式だったのに対して、540はアクティブマトリクス方式を採用し、表示品質にはかなりの違いが見られた。なお、520のパッシブマトリクスは、液晶パネルを上下に2分割して、それぞれ独立して走査するデュアルスキャン方式で、同方式の特有の画像のちらつきはいくらか軽減されていた。

 型番にcが付く520c/540cは、いずれもカラー液晶パネルを採用していたが、やはり方式が異なっていた。520cは、デュアルスキャンのパッシブマトリクス方式で、解像度は640×480ドットで256色表示。540cは、グレースケールモデル同様、アクティブマトリクス方式のパネルを採用していた。最大解像度は640×480ドットながら、その解像度では8ビットで256色しか表示できず、解像度を640×400ドットに落とすことで15ビット(RGBの各色ごとに5ビットずつ)で約3万2000色の表示が可能になるという中途半端な仕様だった。

PowerBook 500
PowerBook 540cの背面には左から、シリアル(RS-422)/音声入出力/ADB/イーサネット/モニター/SCSI─の各ポートを備えていた

日本だけで発売された550c

 520 /540の発売から1年強が経過した1995年5月、アップルは日本だけで上位モデルの550cを発売する。500シリーズは、本国の米国を含む日本以外の国々では、初代の全4モデルだけで実質的に終わってしまったが、日本でだけは辛うじて生き延びた。他国に比べて500シリーズの人気が高かったのかもしれない。

 このモデルは、他国のPowerBookファンから見れば、垂涎の的になりそうなスペックを実現していた。まずCPUは、FPUを内蔵した33MHzの68040を採用し、数値演算性能を大幅に向上させていた。またハードディスクも、500シリーズ最大となる容量750MBのものを採用していた。見かけ上で最も大きな違いは、内蔵液晶モニターのサイズだ。それまでの500シリーズがグレースケール版もカラー版も9.5インチの液晶パネルを採用していたのに対し、550cではそれよりふた回りほど大きく見える10.4インチのものを内蔵。もちろんアクティブマトリクス方式のものだ。残念ながら、最大解像度の640×480ドットでは256色表示となり、640×400ドットなら約3万2000色という中途半端な仕様は克服できていなかった。

 なお本体サイズは変わらないので、そのぶん液晶モニターのベゼル部分の幅が狭くなっている。このモデルは、CPUと内蔵液晶モニター以外の仕様や機能では、初代の520/540をほとんどそのまま継承していた。

PowerBook 500
日本のみで限定発売されたPowerBook 550cはコードネーム「BlackBird」と呼ばれ、ほかの500シリーズに比べてより黒い本体色だった
PowerBook 500
PowerBook 540cのの液晶画面は周囲のベゼルが厚い
PowerBook 500
PowerBook 540cのの液晶画面は周囲のベゼルが薄くなっているほか、本体がより黒に近い色みになった

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 さて、好評発売中のMacPeople 4月号では、Macintosh30周年特集第2弾として、Macintosh PortableやPowerBookなど歴代ノート型Macをたっぷり紹介しています。そのほか、2014年知っておきたい最新テクノロジー解説、Googleサービス使いこなし術、MacやiPhone/iOSのトラブル解決技など、じっくり楽しんでいただけること間違いなしです。

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 また、MacPeople 3月号では、Macintosh 30周年を記念した特集記事を組んでいます。初代Macintoshのさまざな写真はもちろん、SE、SE/30、Color ClassicなどのコンパクトMac、Macintosh IIやIIci、IIsi、IIfx、LC475などのセパレート型Macの驚愕のテクノロジーをひも解いていきます。もちろん、68K MacだけでなくPowerPC搭載のiMacやPower Mac、インテルCPU搭載マシンを含む一体型、デスクトップ型すべてです。そして第2特集では、最新のMac Proを詳しく紹介。この2つの特集記事だけで80ページ以上ありますよ!

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