1984年1月24日に初代Macintoshが誕生して2014年で30周年。MacPeople編集部では短期集中連載として、初代Macから最新のMac Proまでに盛り込まれたテクノロジーについてひも解いていきます。今回からはこれまで取り上げてこなかったノート型マシンを紹介します。
ノート型マシンとして4回目に紹介するのは、PowerBook Duoシリーズです。Duoシリーズは当時のPowerBookとしては軽量なモバイルマシンとして登場しました。フロッピードライブを内蔵しない点などからPowerBook 100の後継と見ることもできますが、専用のDockと合体することでハードウェアスペックを強化できるという、それまでのPowerBookとは一線を画す画期的な仕様でした。
現在のMacBookシリーズは、液晶画面を閉じて外部モニターのみに映像を出力するクラムシェルモードを備えていますが、そういったスタイルを確立したのはこのDuoシリーズだといっても過言ではないでしょう。
Macintosh PowerBook Duoシリーズ
(210/230/250/270c /280/280c /2300c)
PowerBook Duoの「Duo」とは、デュエット、つまり二重奏のことだ。Duoは1台で、ノート型とデスクトップ型のいずれのタイプとしても使えるように、最初から入念に設計されたマシン。長いPowerBookの歴史の中でも異彩を放つシリーズだった。
PowerBook Duo 210。本体に備わっているのは、シリアルポートのみで、オプションで内蔵できるモデムポートを搭載できるだけだった。背面の拡張スロットによってハードウェア仕様を大幅に拡張できた |
携帯性を最重視した本体
PowerBookの歴史の中ではかなり初期に登場したDuoは、単体ではいわゆるサブノートのように、当時の標準的なサイズより小さく軽く作られたノート型のM a cにすぎない。画面も9.1インチと狭く、フロッピードライブも内蔵していないから、そのままでは決して使いやすいとは言えなかった。しかしDuoには、後面に152ピンという多接点のドッキング専用コネクターが備わっている。これは一種の拡張コネクターで、ここに接続するDockによって、Duoはまったく性格の異なるマシンに変貌させることができた。
1992年の10月に登場した初代のDuoには、210と230という2種類のモデルがあった。これらはいずれもCPUに68030を採用していた。クロック周波数は前者が25MHz、後者が33MHzで、ほとんどその違いのみによって差別化が図られていた。なお、いずれのCPUもFPU(浮動小数点コプロセッサ-)は内蔵していなかった。内蔵の液晶モニターは、いずれも解像度640×400ドットで、1ドットあたり4ビットによって16階調のグレースケールが表示可能なものを採用していた。ただし、どちらもパッシブマトリクス方式だった。当時の水準からすると劣っていたわけではないが、表示品質はあまり良好とは言えなかった。
Duo本体が備えるインターフェースポートは、ドッキング用のコネクターを除くとかなり貧弱な構成だった。背面にあるのは、一見すると電源入力端子のみだが、90度回転させると後端を持ち上げて本体に傾斜を付けられる足が左右両端に付いていた。この足がポートのカバーを兼ねており、それを開くとシリアルポートとオプションで内蔵できるモデムポートが露出する仕掛けだった。またモニターのベゼル部分にモノラルのスピーカー、キーボードとモニターのヒンジの間にモノラルのマイクロホンを内蔵していた。Duo本体は、携帯して使うために必要最小限の装備だったのだ。
フロッピー/ADBポートのみが備わっているMicro Dock |
デスクトップマシンが備えるほとんどのポートを搭載するMini Dock |
Duo本体をすっぽり包み込み、デスクトップマシンとして使えたDuo Dock。FPUやNuBusスロットまで備えていた |
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さて、好評発売中のMacPeople 4月号では、Macintosh30周年特集第2弾として、Macintosh PortableやPowerBookなど歴代ノート型Macをたっぷり紹介しています。そのほか、2014年知っておきたい最新テクノロジー解説、Googleサービス使いこなし術、MacやiPhone/iOSのトラブル解決技など、じっくり楽しんでいただけること間違いなしです。
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また、MacPeople 3月号では、Macintosh 30周年を記念した特集記事を組んでいます。初代Macintoshのさまざな写真はもちろん、SE、SE/30、Color ClassicなどのコンパクトMac、Macintosh IIやIIci、IIsi、IIfx、LC475などのセパレート型Macの驚愕のテクノロジーをひも解いていきます。もちろん、68K MacだけでなくPowerPC搭載のiMacやPower Mac、インテルCPU搭載マシンを含む一体型、デスクトップ型すべてです。そして第2特集では、最新のMac Proを詳しく紹介。この2つの特集記事だけで80ページ以上ありますよ!
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