4月26日、27日、幕張メッセにて開かれるniconicoのお祭り“ニコニコ超会議3”。音楽や踊り、イラスト、ゲーム、テクノロジー、生放送、フード、政治、言論、囲碁・将棋といった、ニコ動のカテゴリーすべてを地上に再現する年に1度の一大イベントだ。
今年は、“全員主役”がスローガンとなっている。会場に来る人はお客さんとしてもてなしてもらうのではなく、同人イベントのように主体的に参加して、みんなでイベントを成功させようという意気込みだ。
↑前回の超会議2で、ユーザーから「企画をどこに応募すればいいのかわからない」という疑問の声が出たため、その受付窓口をつくってみた系の同人イベント“にこつく”に一本化。その応募から“これは運営で支援したほうがいいんじゃないか”という企画が選ばれて、今回のプレゼンにつながっている。審査のポイントは、超会議に来るユーザーがより楽しめるかどうか。
その流れで用意されたのが、企画、準備、運営のすべてをユーザーに任せた“まるなげひろば”というブース。2月8日には、ユーザーがニコ動運営にプレゼンし、スペースや金銭の支援を取り付けるという生放送“まるなげひろば企画審査会 with ひろゆき”が実施された。どんなおもしろい企画が飛び出したのか、内容をチェックしていこう!
↑写真左からニコつく代表の八田さん、司会のメガネさん。審査するのは、中野運営長、超会議3企画統括の伴さん、“伝説の吐血プログラマー”こと戀塚さん、いつもどおり(!?)20分遅刻したひろゆきさんという4人。3分間のプレゼンのあとに質問タイムを経て、採用と不採用のジャッジが下される。
↑最初のプレゼンは、1/1サイズの空挺戦闘車(ヴィーゼル)模型を会場に持ってきて展示したいというもの。紙を重ねて立体化する“シャドーボックス”という手法でつくった等身大フィギュアを展示したり、ピンポン球を打てる射撃システムを用意するとのこと。「費用はどれくらいかかるのか」や「すごく重かったりします?」などと突っ込まれるものの、見事に採用されていた。
↑2番目は、人力で台車を牽引してお客を運ぶ“超乗合馬車Mk.2”という企画。超会議2でも会場内を回っており、今年もブースが分断された超会議会場を交流させるために走らせたいという。プレゼンでは、馬車に乗ってる人が何をやってるのか伝えられる電光掲示板を新設したいと語っていた。結果は合格。「実は昨日、会場レイアウトの資料を見て、馬車が通れないということに気づいて変更した」と語る伴さんに、「出来レースじゃないですか!!」とひろゆきさんが突っ込む場面も。
↑2×6メートルという超巨大な万華鏡を設置し、見たり自分が写ったりして楽しむという企画。提案者のNIKUさんは、「大きくしたというおもしろさを感じてもらいたい」と語るが、「テスト映像とかが見られないと楽しいかどうかが分からない」とひろゆきさんの厳しいダメ出しにあう。結果はNGで、100万円という費用的なものを見直しして再提出していただければ検討するとのこと。
↑次世代の3Dヘッドマウントディスプレーを体験できるイベント“超Ocufes”を実施したいという要望では、“希望するもの 駐車券2枚”という要望の少なさのせいか、プレゼン前にひろゆきさんが「もう(合格を)出しちゃえばいいじゃん」と提案し、発表後に即採用。非常に没入感の高いヘッドマウントディスプレーをかぶり、ワイヤーアクションやフライトシミュレーターなどを体験できる予定だ。
↑音転美学園くせモノ部の転少女(コロスケ)さんは、女性ユーザーだけのサークル“ニコニコ女子部”を提案していた。女性投稿者たちが集まって交流できるブースをつくり、動画編集のやり方を教えたり、生放送をしたりという企画になる。企画のタイムスケジュールや予算規模がやや具体的でなかったせいか、条件付でオーケーということに。
↑RED RAY JAPANさんは“ニコニコスナイパー養成学校”という企画。20人が参加し、最大射程の200メートルという赤外線銃を使って、会場内に置かれた的を打ち抜く大会を提案していた。銃弾は赤外線なので、目に入っても安全とのこと。運営からは、10万人規模のイベントで20人しか参加できないのはもったいないので射的ゲームにしてほしいという要望が出された。採用されたが、コストや体験人数は要相談とのこと。
↑つくってみた業者のTAPさんは、体を動かすと、スクリーンに投影している3Dキャラがシンクロしてくれる“透過スクリーン改”を企画していた。超会議2でも展示していたが、今回は2人が同時に動けるぐらいに大型化するとのこと。電源、机、スペースを用意してほしいという要望が少なかったせいか、プレゼン最中にあっさりと合格していた。
↑犬神研究所さんは、昨年に引き続き、ミニ四駆のフリー走行と車両展示をやりたいと要望を出していた。ミニ四駆が大好きという伴さんが嬉々として食いついていて、コメントで「伴さんのトーンが違うw」と茶々を入れられる一幕も。結果は採用。
↑2年連続で超会議に参加しているニコニコ大百科研究所(ひゃくらぼ)さん。今年の目玉として、ニコニコ大百科の主要項目を編集してハードカバーで製本したり、34万項目あるニコニコ大百科の記事をすべて印刷したらどれくらいの厚さになるかというオブジェをつくりたいと語っていた。合格をもらったが、伴さんより「大百科で何かやるのはいいんですが、中身をつめさせてください」とお願いされていた。
↑来場者に家のペーパークラフトを組み立ててもらって町をつくるために、会場のスペースと印刷代が欲しいという提案。結果は△で、「スケール感と金額のイメージが合わない気がするので、やる方向ですり合せさせてください」とのこと。
↑クソイベ推進委員会は、クソみたいに楽しいイベントこと“クソイベ”を企画。踊ってみたの撮影講座、写真のようなオタ芸の“ナルシス”を競う“全日本ナルシスコンテスト”、自分の痛さ(?)をアピールしあう“厨二病選手権in超会議”という3本を提案し、スペースとコンテストの賞金をお願いしていた。「賞金は現金ではなく100万ニコニコポイントではどう?」という話も飛び出してその場が沸いたが、「賞金は難しいので、ニコ動のサイト内で目立つところに動画を露出するなど名誉的な感じで」という話に落ち着いていた。
↑ニコニコ技術部のひとつで、シルバーアクセサリーを製作している“ニコニコシルバー部”(ニコシル)は、アクセサリーを目の前でつくるパフォーマンスや、ニコニコテレビちゃんの黄金像制作をプレゼンしていた。採用されたが、45万円というコストのせいか「黄金像は謹んで辞退で」という話になった。
↑自作した30個の石仮面をみんなでつけて、踊ってみたいというもの。踊るためのスペースと企画の宣伝、スタッフの支援をお願いしていたが、結果は無念にもNG。どうしても版権がからんでくるものは“運営支援企画”としては押せないが、ユーザーが勝手にやっていただくぶんにはかまわないとのこと。
↑ニコニコ静画、ニコニコ生放送でライブペインティングをやっている“テレピン1000ml”というサークルの蒲谷カバヂさん。マネキンの片手をつけて握手できる等身大の油絵をつくりたいとアピールしていた。結果は採用で、製作過程は動画や生放送で流す予定という。
↑超会議でギネス記録をつくるために、2525人を集めて、しこを踏んだり、ジョジョ立ちやってみたという提案。ギネスのほうからは大体認定されそうとの回答を得ているそうだが、その認定費が150万円ぐらいかかるということもあって、審査員からは「大勢でなんかやるのはいいんだけど、ギネスいらなくね?」という意見が出る。NGの審判が下るが、「ギネスじゃなくてもいいなら別途相談させてください」や「ニコニコで認定すればいんじゃね?」とフォローされていた。
↑“超チューニング祭り”と題して、スマホ向けのニコ動サイトをチューニングするコンテストがやりたいとのこと。資金や場所、それにエンジニアにとって神的存在の戀塚さんに審査員として参加していただいたうえで、優勝者にチュウがほしいと要望を出していた。「ニコニコでやるとソースも出せないし制約が多そう」という声もあったが採用。ただし、コンテストに来た人は1日中、この会議室に入り浸って超会議に来た気にならなそうなので、その辺を少し調整をしてほしいと付け加えられていた。
↑イラストレーターの47AgDragon(しるどら)さんが、2時間ほどのステージイベント“超イラストがうまくなる講座”をやりたいと希望。「1ヵ所に長時間とどまるのは難しいのでコンパクトにまとめてほしい」という意見には、「例えば時間を短くして回数を増やし、体験人数を増やすこともできる」と答えていた。企画としては採用で、おそらくまるなげステージで1枠1時間ぐらいで実施するとのこと。
↑昨年の展示で2000人ほどが体験した“ニコニコ超影絵”。半球上のドーム内に投影した影絵を動かし、赤と青の3Dメガネをかけると自分の体を通過していくように見えるというものになる。今年は土足でドーム内に入れたり、サイズが1メートル広くなって6×6メートルになったりとパワーアップした。発案者の工房ヒゲキタさんが出演できないということで、八田さんが代理でプレゼンしたが、そのトークが上手く、お金がかからないこともありあっさり合格。
↑最後は、八田さんが代表をつとめる“ニコつく4”の企画。ニコ動の表現や創作に関わるカテゴリーのために用意した展示即売会で、有志がボランティアで運営している“大人の学園祭”だ。希望は、スタッフがニコつくにつきっきりで超会議が終わってしまうので、せめて運営に「ありがとう」といえる機会が欲しいというもの。伴さんや中野運営長とチュウ、ひろゆきさんとハグができるような場も……という話も飛び出した。もちろん合格で、どういった形、誰とチュウになるのかは後日相談という。
というわけで約3時間かけて19組のプレゼンが行なわれて、ユーザー企画の一端が見えてきたわけだ。ちなみにニコつくへの出展はもう閉め切られているが、運営ボランティアは募集しているとのこと。興味のある方はぜひニコつくのサイトをチェックしてみよう。週アスでは、今後も超会議3の事前情報をお伝えしていきます!
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