ソニーコンピュータエンタテインメント(SCE)のプレス向けカンファレンスでは、『PlayStation4(PS4)』の発売に合わせて、初年度に20のPS4タイトルが登場するという発表がありました。会場では数多くのゲーム映像を見ることができましたが、特に『FINAL FANTASY XV』や『KINGDOM HEARTS 3』といった、Xbox Oneと比べて老若男女問わず、日本でも人気のタイトルが目立ちました。
どのタイトルもPS4のパワーを存分に生かし、グラフィックの進化をアピールするものでしたが、イチバン驚いたのは、『The Dark Sorcerer』というタイトルのテクニカルデモ。『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』のデベロッパー、Quantic Dreamによる新作タイトルですが、今回お披露目された映像はすべてPS4でリアルタイム描画しているとのこと。老人の髪の毛がなびく様子や、炎の揺らめき、顔の表情など、これまでプリレンダリングでなければ到底不可能であった表現が次々に確認できました。動画は一部のみだったので、公開後もう一度じっくりと見てみたくなる出来でした。
PS3用のタイトルなので少し話はずれますが、『グランツーリスモ6』では、新技術“adaptive tessellation”を採用しています。テッセレーションといえばDirectX11世代のグラフィック技術で、簡単にいえばポリゴンをより細かく分割してディティールを表現できるようにするもの。それをDirectX9世代のPS3にも“適応”させているということです。グランツーリスモ6をPS3で出すのは、マーケティングなど様々な理由があるのでしょう。ただ、既に明らかになっているようにPS4はDirectX11対応なので、今後はテッセレーションなどの技術をフル活用してゲームタイトルがつくられていくことでしょう。
また、当初Windows/Mac用とされていた『The Elder Scrolls Online』や、PC/PS3用とされていた『ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア』のPS4対応も発表されました。これは、x86アーキテクチャーを採用して“まるでPC”になった次世代ゲーム機たちのメリットとして上げられていた、“ゲーム開発のしやすさやマルチプラットフォーム化のしやすさ”という点が、徐々に現われてきているように感じました。また、PCゲーム『Don't Starve』がPS4用タイトルとしてフィーチャーされていたのも見逃せません。もともとキックスターター(クラウドファンディング)で発売された約15ドルの人気タイトルですが、こういったゲームでもPS4なら移植しやすいということでしょう。
ちなみに、会場がイチバン盛り上がったのは、本体のお披露目の時でも価格発表でもなく、“PS4が中古ゲームに対応する”というスライドが出たときでした。ライバルのXbox Oneの発表前に、“ネット認証を必須化することで中古ゲームは動かなくなるらしい”とのウワサが流れていましたが、公式に一部対応することを発表しました。これに対するSCEの回答だったのでしょう。鳴り止まない拍手を聞いて、いちユーザーにとってはとても大事な問題なんだな、と感じます。日本では非常にセンシティブな問題ではありますが、スライドによるとPS4は中古ショップでの売買や友人間での貸し借り、プレー時にオンライン接続が必須ではない、といったことを確認しました。
残念だったのは、クラウドゲーミングの仕組みである“GAIKAI”については、名前には触れたものの特に新しい情報がなかったということ。ユーザーが体験できるようになるまで、しばらく時間が必要そうです。
ということで、ゲームタイトルを見ることで次世代ゲーム機の特長も再確認できたカンファレンスでした。11日(日本時間12日午前4時)からはいよいよE3の開幕です。最新ゲームのスゴさを間近で体験してきたいと思います。
●関連サイト
ソニー・コンピュータエンタテインメント
-
0円
-
0円
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります